-八幡平・十和田・奥入瀬・八甲田・白神山地・鳥海を駆け抜ける-
12.鳥海から天童へ
今度のドライブ旅行全体を検討している際、鳥海山周辺の見所として日本海を一望できる“鳥海ブルーライン”が先ずクローズアップされた。この場合ホテルから県道58号線を西へ向かいそこへ取り付くことになる。ところが出発前の情報によれば、年初の大雪の影響でこのルートに通行止めの所があることが分かった。国道を利用すれば行けないことはないのだが、それでは時間がかかり過ぎる。そんな訳で日本海眺望は諦め、東側から攻める可能性を調べ、その後は来るとき利用した国道108号へ戻り、そこから東北地方中央部を通る主要道、国道13号線に出て南下、真室川、新庄、尾花沢、東根、天童を経て山形北ICで山形道に入る道筋を選ぶことにした。ただこの段階では鳥海山の東側に駐車展望できる場所があるかどうかは分かっていなかった。
ホテルをチェックアウトする際、「ここから鳥海山へクルマで上り、駐車できるところはあるか?そこから13号線に出るルートにお奨めの観光スポットはあるか?」と聞いてみると「一番近い駐車場は5合目の祓川(はらいかわ)ヒュッテです。周辺の見所は花立牧場、桑の木合湿原などがありますが、矢島街道(108号)の南へ出るなら、法体(ほったい)の滝がお奨めです」と教えてくれた。
出発は8時40分頃、しばらくはクルマが行き交える道だったが、上りに入るとほとんど一車線、舗装も粗く残雪が至るところで迫る道に変わっていく。こんな所で対向車に出会ったらどうしようと緊張しながらの紆余曲折、30分ほど走ると比較的広い駐車場に辿り着いた。山登りやスキー客の車が10台近く駐車しているが、一台を除いて人気は無く、周辺にも人影は見えない。周囲は一面雪で覆われている。雪原の先に2階建ての建物が在る。どうやら祓川ヒュッテらしい。厚い雪の上を恐る恐る歩いてそこまで行ってみたが、ここにも人の気配はない(あとで調べると、素泊まり小屋で常駐の管理人は居ないとのこと)。
小屋の先が登山ルートになっていることは標識で分かるが、雪が残る湿原に木道が延びて、さらに先はブッシュ、雪、岩が少しずつ勾配を増しながら広がっているだけ。展望が開けているのは東側、朝の太陽で雪面は明るいが靄で山なみは今一つキリッとしない。20分ほどヒュッテ周辺を散策して次の観光地法体の滝に向かう。
しばらくは来た狭い道を戻り、三差路で東南へ新しい道を進む。この道は下りで幅もあり対向車の心配はないが、所どころ“落石注意”の掲示があり、実際小石があちこちに散らばっている。滝の見える駐車場には10時前に到着、先客は1台だけ。休憩所の先には草が刈り込まれた河原が広がり、その先に滝が見えている。
法体とはこの地を空海が訪れた際不動明王が現れ、それに拝礼したことからきているらしいが、特にそれと関わるような歴史的なものが残っているわけではない。滝の高さや幅も取り立てて特色があるわけではないが、日本名滝百選の一つに数えられている。どうやら紅葉のシーズンの滝を彩る景色の素晴らしさが評価されたようだ。
つり橋を渡り滝の上流へ上るルートがあるので、しばらく上流に向かってみた。“熊”と赤字で書かれた警告を見て、先に進むことは止め滝口に下りて、そこからの鳥海山を写真に収めて、この地の観光を終えた。11時前ここを発ちあとの予定は“そば街道”へでて昼食摂るだけである。
(写真はクリックすると拡大します)
(次回;総括;最終回)
0 件のコメント:
コメントを投稿