平日の通勤時間帯に、都心方面へドライブすることは滅多にない。ベイブリッジまでは追い越し車線は空いていいたが、そこからはトラックが増え、三車線とも長い貨物列車のようにつながって走る状態だ。しかし流れはスムーズで、これらかの長距離ドライブの助走としては、車間だけを注意していればいいので、むしろ好ましいともいえる。葛西JCTで常磐道・東北道方面に向かう中央環状に入ると、四ツ木付近から渋滞が始まり、それは東北道へ分岐する江北JCTまで続いたが、そこを抜けると混み具合が緩和され、走りやすくなってきた。一旦490km台に落ちていた次の給油地点までの距離が、500kmを超えた数字を示すようになる。蓮田SA到着は8時20分、約1時間半は予定より約20分早い。
関東平野を北へ向かう道は、平坦で“走りの楽しみ”を欠く、特に住宅地域は高い防音壁で囲われ、土地どちの特徴を垣間見ることもできない。やっと様子が変わり、旅らしい景色になってくるのは那須を過ぎてからである。ここまで来ると車線は片道2車線に減じているが、交通量も減っているので、走りを堪能する運転が出来る。気をつけなければならないのは、覆面パトカーと自動速度取締機だ。郡山を過ぎると空も明るくなり、遥か左手に吾妻連峰が見え隠れする。やがて東北道の最終休憩予定地、福島・宮城県境の国見SAに11時20分に到着。ここまでの距離は約360km、埼玉北部から燃費はグーンと伸び、残給油距離は300km。これなら酒田まで無給油で行ける。エッソの酒田SSをカーナビに設定する。必要な情報は、酒田ICを出た後のSSまでのルートだ。
寒河江を出ると、道はオレンジ色のポールで区分された対向2車線になって朝日山地に入り、山間を抜ける登りとなる。天気もどんよりとした曇り空に変わってくる。月山近くでは北斜面に雪が残り、霧雨模様で間欠ワイパーを稼動させる。有料区間は月山ICで一旦途切れ、次の湯殿山ICまでは一般道になるのだが、併走する国道112号線とは別に、月山花笠ラインと呼ばれる専用道路になっているので、実質的にはそれまでの道と変わらない。さすがに高速ワインディングは厳しくなり、この雨中山岳走行はやや緊張した。アップダウンと加速・減速で燃費も一気に低下してくる。
湯殿山を下り降りると、雨に煙る広々とした庄内平野が見えてくる。日本を代表する米どころ、きれいに整地された田植え前の田圃が見事だ(農業機械の高効率が窺える)。天気が良ければ、日本海も見晴るかすことが出来たに違いない。しかし、この頃には雨も強くなり、酒田市内へ向かうルート確認に神経を使うので、景色を楽しむ余裕はない。カーナビの案内でエッソ・エキスプレス(セルフ)酒田SSに着いたのは2時過ぎ、家からの距離は554km、給油量は50L。11km/Lは、首都高の渋滞と山岳道路を考慮すれば、良い数字である。
駅前のアルファーワン酒田チェックインは2時半になった。予定より30分遅れたが、昼食などの休憩時間を考えれば、所要時間は若干計画より短い。フロントで聞くと、三ヶ所の観光に要する時間は2時間程度。3時からで問題はないとのこと。
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