2010年6月22日火曜日

奥の細道ドライブ紀行-3(酒田へ)

 天気予報通り、5月12日朝の横浜は曇りだった。本日の予定は酒田まで行き、この日の内に本間本邸、別邸(本間美術館)を観て、出来れは北前船で栄えた時代から残る、最上川河口の倉庫地帯、山居(さんきょ)倉庫を訪れたい。これらを観る時間を3時間とすると、2時頃には酒田に着きたい。ナビタイムでの所要予測時間は約7時間。そこから逆算して出発時刻は7時少し前となった。東北道への道は一昨年の仙台・平泉行きでわかってはいたが、首都高中央環状線での分岐路(小菅JCT、江北JCT)車線確認のため、カーナビで蓮田SAをゴールにルート探査を行い、少し遠回りになるが葛西JCT経由を選択した。
 平日の通勤時間帯に、都心方面へドライブすることは滅多にない。ベイブリッジまでは追い越し車線は空いていいたが、そこからはトラックが増え、三車線とも長い貨物列車のようにつながって走る状態だ。しかし流れはスムーズで、これらかの長距離ドライブの助走としては、車間だけを注意していればいいので、むしろ好ましいともいえる。葛西JCTで常磐道・東北道方面に向かう中央環状に入ると、四ツ木付近から渋滞が始まり、それは東北道へ分岐する江北JCTまで続いたが、そこを抜けると混み具合が緩和され、走りやすくなってきた。一旦490km台に落ちていた次の給油地点までの距離が、500kmを超えた数字を示すようになる。蓮田SA到着は8時20分、約1時間半は予定より約20分早い。
 関東平野を北へ向かう道は、平坦で“走りの楽しみ”を欠く、特に住宅地域は高い防音壁で囲われ、土地どちの特徴を垣間見ることもできない。やっと様子が変わり、旅らしい景色になってくるのは那須を過ぎてからである。ここまで来ると車線は片道2車線に減じているが、交通量も減っているので、走りを堪能する運転が出来る。気をつけなければならないのは、覆面パトカーと自動速度取締機だ。郡山を過ぎると空も明るくなり、遥か左手に吾妻連峰が見え隠れする。やがて東北道の最終休憩予定地、福島・宮城県境の国見SAに11時20分に到着。ここまでの距離は約360km、埼玉北部から燃費はグーンと伸び、残給油距離は300km。これなら酒田まで無給油で行ける。エッソの酒田SSをカーナビに設定する。必要な情報は、酒田ICを出た後のSSまでのルートだ。
 村田JCTで東北道に別れ山形道に入る。ここからは初めての道。しばらくは今までと変わらぬドライブが続くが、蔵王越えが楽しみだ。 しかしこの期待は、あっけなくトンネルで破られた。新しい道路ほど近代土木技術の恩恵を受けるが、走りの楽しさはその分減ずる。帰りのルートは一般道(蔵王エコーライン)にしよう!山形市街を遠望しながら、盆地の西端に位置する寒河江(さがえ)のサービスエリアに12時20分到着(写真)。ここで昼食とする。ときどき薄日がさし、北には雪を被った月山が望める。山形道に入るとトラックがほとんど走っていなかったが、このSAにもその姿は無く、業務用のライトバンが目立つ。仙台や山形を拠点とするセールスやサービスの仕事に使われているのであろう。食堂のメニューも地方色は無く、ありふれたものばかりだ。 親子丼を食してみたが、ただ腹にたまったと言う感触しか残らなかった。
 寒河江を出ると、道はオレンジ色のポールで区分された対向2車線になって朝日山地に入り、山間を抜ける登りとなる。天気もどんよりとした曇り空に変わってくる。月山近くでは北斜面に雪が残り、霧雨模様で間欠ワイパーを稼動させる。有料区間は月山ICで一旦途切れ、次の湯殿山ICまでは一般道になるのだが、併走する国道112号線とは別に、月山花笠ラインと呼ばれる専用道路になっているので、実質的にはそれまでの道と変わらない。さすがに高速ワインディングは厳しくなり、この雨中山岳走行はやや緊張した。アップダウンと加速・減速で燃費も一気に低下してくる。
 湯殿山を下り降りると、雨に煙る広々とした庄内平野が見えてくる。日本を代表する米どころ、きれいに整地された田植え前の田圃が見事だ(農業機械の高効率が窺える)。天気が良ければ、日本海も見晴るかすことが出来たに違いない。しかし、この頃には雨も強くなり、酒田市内へ向かうルート確認に神経を使うので、景色を楽しむ余裕はない。カーナビの案内でエッソ・エキスプレス(セルフ)酒田SSに着いたのは2時過ぎ、家からの距離は554km、給油量は50L。11km/Lは、首都高の渋滞と山岳道路を考慮すれば、良い数字である。
 駅前のアルファーワン酒田チェックインは2時半になった。予定より30分遅れたが、昼食などの休憩時間を考えれば、所要時間は若干計画より短い。フロントで聞くと、三ヶ所の観光に要する時間は2時間程度。3時からで問題はないとのこと。
(写真はダブルクリックすると拡大します)

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