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2019年12月25日水曜日

最後のグランドツーリング-9



7. 最後の長距離ドライブを終えて
今のクルマは200710月末購入した。この年の3月末でビジネス人生を終え念願だった英国の大学でOR(オペレーションズ・リサーチ;軍事における応用数学)の歴史研究に約半年費やし、帰国後初孫の誕生と併せて求めたものである。父が自動車会社勤務と言うこともあり就学前から自動車が大好き、卒論もエンジンの制御をテーマに選んだほどだ。“いつかクルマを持とう”の思いは“三つ子の魂百まで”。
最初に持ったクルマはルノー4CVの国産化で日野自動車が学び、初めて自社開発した日野コンテッサSの中古車、1964年のことである。このクルマは1967年本格的スポーツカーであるダットサンブルーバードSSS(これも中古車)に代わる。1970年から73年の間横浜で所帯を持ち自家用車の必要もなかったので一時期クルマを所有しなかったが、長女(二番目の子)が生まれる少し前その後に備えて軽自動車のホンダライフを購入、爾後ホンダアコード、トヨタ・コロナ5ドア、BMW3、トヨタMR-S、フォルクスワーゲン・ポロと乗り継ぎ、このクルマ(ポルシェ・ボクスター)が最後となる。
9月の病気(硬膜下血腫)発症までは85歳くらいまで乗るつもりでおり、930日実施の認知症検定講習の予約もしてあったが、退院後も手の震えが起こることがあり(現在では治まり日常生活に差しさわりは皆無)、検定講習を見送り免許証更新をあきらめた次第である。免許証を取得したのは19613月だから58年間運転してきたことになるわけで、それを終えることには身体の一部を割かれるような苦痛を感じるが、一方でダラダラ運転し続けることで、高齢者が起こす思わぬトラブルと縁を切れることもあるわけで、病気発症が良いきっかけになったとも思っている。
この12年間ボクスターで走った距離は約55km。最初の長距離ドライブは20087月新潟県の十日町から信濃川を遡り、飯山・小布施を経由し今回走った蓼科を駆け抜ける23日の旅だった。以後毎年12回遠隔地に出かけ、沖縄を除く全都道府県を走破した。それらの詳細はすべてブログで紹介してきたので、関心のある方はそこをご訪問いただきたい。
日常の使い勝手は極めて悪い車だが、高速道路や山岳路では実力発揮、これほど信頼の置け、人車一体感を味わえるクルマはチョッと得難い。清水の舞台から飛び降りる想いで手に入れた愛車は、充分その価値をもたらしてくれたにである。
細部に時々不具合が生ずることもあるがトラブルと言うほどのものではなく、燃費は新車時全く変わらず、まだまだバリバリの現役として使えるが、免許証の切れる来月末には手放すことを決めている。その時はどんな心境になるのであろうか?涙でも流すことになるのだろうか?チョッと心配である。

(写真はクリックすると拡大します)

-完-

2019年12月17日火曜日

最後のグランドツーリング-8


  
6. 昇仙峡
117日(木)今朝も空は明るい。いよいよ宿泊を伴うドライブも最後の日を迎えた。この日の行程は計画段階からあれこれ悩んだ。最初の案は諏訪湖から天竜川沿い左岸を佐久間ダム経由で浜松方面に下るルートだった。相当な難路だが紅葉を楽しむ山岳ドライブとしては魅力いっぱいに見えた。しかし、この地方(飯田を中心とした)を知る知人から、見所は天竜峡と佐久間ダム以外は無いと言われ、同乗する家人のことも考え、止めることにした。結局最終的に選んだのは昇仙峡である。
山梨県へは、このクルマで山中湖・河口湖周辺や忍野へは何度も出かけているが、宿泊したことは無い。見所は沢山あるのだが通過・立ち寄り地帯に過ぎなかった。そして今回も同じように帰路の立ち寄り地点となる。行ったことのない場所として浮かび上がったのが昇仙峡である。首都圏近郊の観光地として名前は知っていたが、県庁所在地の甲府市内と言うこともあって、何か俗っぽい印象があり、今まで避けてきていたが「ラストチャンスかもしれない」と思い訪れることにした。
ホテルから白樺湖を経て諏訪ICへ出る道は平日の午前と言うこともありスムーズに流れ、1時間足らずで中央道に乗る。ホテルを出る時セットしたナビのルートでは韮崎ICで降りて、そこから先は甲府市内に西から入り昇仙峡の南側に達するものと思い込んでいた。と言うのも昇仙峡に沿う県道7号は、土日は通行禁止、平日は南から北への一方通行になっていたからだ。しかし、中央道を降りてからナビが案内するのは北東に向かう県道27号(韮崎昇仙峡線)、ボッチ峠を経て昇仙峡の上流に至りそこから南下するルートだった。通称昇仙峡ラインとも呼ばれるものの、昇仙峡に沿う部分は最上流部と最後の一部、後は狭隘な山岳道路である。私自身はこんな道を走るのも楽しみのうちだが家人には何の楽しみもない。しかも見所までの時間が余計にかかる。やっと難路を抜け目指す県営駐車場に着いたが既に満車状態。やむなく北上しかできない県27号の東側を走る迂回路を南下、昇仙峡南端の市営駐車場まで下り何とか駐車スーペースを見つけることが出来る。時刻は11時時少し前。
昇仙峡観光の出発点長潭橋(ながとろばし)から散策を始める。延々と続く散策路の左(西)側には奇岩が連なり特徴のあるものはそれぞれ名前が付けられている。亀石・大砲岩・猿石・ラクダ石・猫石・熊石(パンダ石の方が相応しい)のように。確かに一見の価値がある面白い峡谷である。散策路の三分の二くらいまで歩いて30分程度、その先もあるのだがそこから引き返す。駐車場に戻ったのが12時丁度。周辺に飲食店はあるが何か野暮ったい感じなので次の訪問地“笛吹川フルーツ公園で昼食を摂るべくさらに東へ進んだのだが、これが大失敗。公園到着は1時前レストランへ入ると「申し訳ありません。1時からは貸し切りになっています」とのこと。
やむなくさらにフルーツラインを東進して“甲州勝沼ブドウの丘”で何とか昼食にありつけたが時刻は既に2時を回っていた。当初はこの後信玄ゆかりの恵林寺、河口湖への山岳路御坂峠越えを計画していたのだが、遅れに遅れた昼食でその意欲は消散、ここから中央道・圏央道を経由して自宅へ直帰することにした。

写真は上から; 昇仙峡入口付近、中ほど2葉、熊石、ブドウの丘から甲府盆地を俯瞰

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(次回;最終回;総括)

2019年12月13日金曜日

最後のグランドツーリング-7



5. 蓼科を走る-3
車山周辺を離れたのは3時少し前。ホテルへ戻るにはまだ早いし天気も良い。暗くなる5時前で時間は充分ある。「どこへ行くか?」しばし考えたが結局宿の近くの女神湖を散策することに決定。湖畔の駐車場に着いたのは丁度3時、陽気も暖かいので湖畔を歩いて一周することにする。
ここは12年前、20087月に来ているのだが、その時は蓼科山のリフトを利用して中腹に在る湿原を巡っただけで、湖の周りは観光していない。駐車場はレストハウスやスワンボート乗り場と一体になっているが、数台の車が駐車しているものの、閑散としている。ボートに乗るにはチョッとひんやりし過ぎているからだろう。
この湖はもともと農業用のため池(人工湖;周囲長約2km)。ビーナスラインが出来て白樺湖とつながったことで一気にリゾート化し、前回は湖を見晴かすオーベルジュに泊まった。そんな施設や別荘が湖畔に点在しているがどこも人の気配は全く感じられない。紅葉と気候は申し分ない時期なのだが、やはり観光シーズンの切り替わる端境期なのだろうか?とにかく静かな散歩を1時間ほど楽しんだ。
途中にガラス天井の教会が在ったので立ち寄ってみるとそれはリゾートホテルの付帯設備で、ここで結婚式を挙げるために設けられたようである。しかし、本体のホテルは休館状態だった。こんな時つい現役時代に戻り「こう言うところの経営も大変だろうな~」とついつまらぬことを考えてしまう。
駐車場に戻り、レストハウスでおやつでもと思ったが、昨晩のディナーを考えるとここで何かを摂る気にはならない。と言ってホテルに戻るにはまだ早い。
出がけにもらった「信州立科町まるごとガイドブック」を調べるとホテル上方蓼科山中腹に「御泉水(ごせんすい)自然園」なる森林公園があることがわかったのでそこへ行ってみることにする。もう夕日も傾きかけていたが薄暮の中山岳道路を駆け上がる。
自然園の駐車場にはクルマが23台。入口受付の建屋で作業をしている人が居るものの、受付は閉じられ、114日でここも長期休業に入ったことが記されている。しかし、先行していたクルマに乗っていた人達が構わず中に入って行くので、我々もそれに続くことにする。本来は有料なのだが、建屋の中にいる人も咎めない。さらに、若い女性がもう薄暗くなりかけている森の中を、我々を追い越してどんどん進んでいく。「皆で入れば怖くない」の心境で彼女の後を追う。
着いた先は運休中の蓼科山ロープウェイの山頂駅。駅の下に広がる傾斜地にいくつか椅子が置かれており、彼女はその一つに座って、前に広がり夕日に映える山々を眺めている。絶景独り占め。我々もそれにならってしばし暮れゆく山容を楽しむ。こうして静かな蓼科の一日が終わる。
入口に戻る途中気がついたのだが、ここは12年前訪ねた湿原と蓼科山への登山ルートの中継点で、その時は下からここまでリフトで上がり、そこから歩いたのだった。全く意図していなかったことだけに、最初と最後の長距離ドライブ立ち寄り点が同じことに何か運命的なものを感じた。「このクルマとの別れに相応しい」と。

写真は上から;女神湖-1、同-2、ガラスの教会、自然公園入口、山頂リフト駅からの眺め

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(次回;昇仙峡)

2019年12月11日水曜日

最後のグランドツーリング-6



5. 蓼科を走る-2
横谷峡乙女の滝周辺を散策して駐車場へ戻ったのは12時少し前。峡谷入口付近にホテルや飲食店・民芸店もちらほら散在するが人の出入りはほとんどない。平日はこんなものなんだろうか?昼食は宿泊先で薦められた蓼科湖畔の蕎麦屋「しもさか」を目指すことにする。与えられた地図は「白樺高原周遊マップ」で蓼科湖は記載されていないが、それにおばさんが鉛筆描きしてくれた位置が頼りである。出がけの説明では、蕎麦屋は湖の直ぐ右上(北東)に在るような印象をうけた。ナビで場所を特定する住所も電話番号も無いので「しもさか」と入れてみたが、数が多く判別不能なので取りあえず蓼科湖の駐車場を目標にしビーナスラインを走る。
駐車場は湖に隣接してかなり広い。湖畔の紅葉が美しい。道路を隔てた所に観光案内所が見えたのでそこで店の在り場所を確認すると、来た道を相当戻った分譲別荘地内であることが分かる。「分岐の目印は64番。そこを右へ入ってください」とのこと。指示された64番で未舗装路に分け入るが見つからず、反時計方向にひと回りして元の広い道路に戻り、再度64番を目指すと左側に「しもさか」と書かれた地味な看板を見つけやっと辿着く。
未舗装の駐車場は4.5台のスペース、そのかなり先に山小屋風のその店が在った。入口もはっきりせず外をうろうろしていると女性が出てきて招じ入れてくれた。靴を脱いで店内に入ると、昼時だが先客は二組しかおらず、直ぐ席に着くことが出来た。調理場の一隅が見え中年の男性が一人調理を担当、先ほどの女性が客の対応をするこじんまりした店だ。メニューは、普通と大盛があるがせいろ蕎麦のみ、普通は1600円である。有機農法で育てた蕎麦を石臼で粉に挽き、つなぎは使わず水だけで練り上げたそれは確かに旨かった。我々が店を去る時間になると、既に満席になっており、店内に待ち行列もできている。「知る人ぞ知る」所なのだろう。
午後をどうするかは全く決めていなかったが、車山のリフトが動いていればそこに登り白樺湖や霧ヶ峰方面の展望を楽しむことが出来る。ビーナスラインで白樺湖畔に達し、そこから車山方面に向かう。空はよく晴平日の道は空いており快適なドライブが続く。車山リフト乗り場前の駐車場に着くとかなり車が止まっている。これならリフトが動いているのかも知れないと思ったが、どうも様子がおかしい。駐車場の一部にリフトの座席部分が大量に並べてある。止まっていた車は設備メンテナンスの人たちが利用するものだったのだ。やはり114日(文化の日の振替休日)で運行は停止されていたのだ。ここからさらに霧ヶ峰・美ヶ原へと進むことも考えたが、何度も走った道なので、それほど意欲もわかず、ホテル近くへ戻ることにする。

写真は上から; 蓼科湖畔、蕎麦屋への分岐、「しもさか」、白樺湖と蓼科山

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(次回;蓼科を走る-3

2019年12月6日金曜日

最後のグランドツーリング-5



5. 蓼科を走る-1
116日(火)晴。部屋にはパネルヒーター、灯油ストーブそれにソファーとTVがある一画は床暖房になっている。ただ寒さはそれほどでもなかったから灯油ストーブは消して寝たが運転の疲れと久しぶりのアルコールで熟睡した。しかし、温泉旅館と同じと思い6時半頃大浴場に行くと、やや湯がぬるく髭を剃るだけで早々に退散した。部屋で利用ガイドを見ると7時からとなっている。7時半に朝食。内容は先に紹介したように“イングリッシュブレックファースト”でかなり重い。クレープの上に載った目玉焼き。厚目のカリカリベーコン、ソーセージ、サラダ、無論パンも種類が異なるものが2個(おかわり可)それにジュースとヨーグルト。最後はコーヒーだ。食事のあと玄関から外に出て、寒さの程度を確かめる。予想していたよりも暖かく、散策はセーターか薄手のジャンパーで充分な程度だ。
本来この日の午前は北八ヶ岳ロープウェイで山頂に登り、付近を散策予定だったが、出発前日確かめたところ116日から長期運休に入るとあった。それでも今年は暖かかったからもしやと思いフロントのおばさん(経営者)に確認したところ電話をしてくれ「やはり今日から運休です」との返事。他のロープウェイやゴンドラリフトも長期整備に入っていることが分かった。
このシーズン蓼科を選んだのは紅葉を楽しむことにもあった。高低差があることからどこかできれいな紅葉・黄葉が見られるに違いないと期待したからである。そこでおばさんに「この辺で今見ごろの紅葉はどこですかね?」と尋ねると「横谷狭(よこやきょう)です」との答えが返ってきた。ドライブガイドにも紹介されているので一応調べてあったので「やっぱり」の感。ルートを確認するとともに適当な昼食場所を教えてもらう。蓼科湖に近い「しもさか」と言う手打ちそばがお薦めとのこと。ホテルを中心とした簡易地図にその場所を記入してくれる。
ホテル出発は9時半。蓼科山の西麓を走る県40号・県192号をつないで、当初予定していた北八ヶ岳ロープウェイ駅の下を過ぎ “横谷狭”の道標に従って進むと道路の両側は高い木々の黄葉。やがて道路は行き止まりとなり、かなりの広さの駐車場になる。停めてあるクルマは34台。駐車場の奥には案内所兼休憩所、幸いメンテナンスの担当者が来ており、その人にここの見所を聞く。分かったことは、ここは峡谷の東の端で一番の見所は王滝と言う滝だが、そこまで降りるにはかなりあるとのこと、そこから西端の乙女の滝までが散策路だが、ここに駐車すると戻るのに相当時間がかかるので、少し先に在る東屋(展望台)から王滝を見下ろし、クルマで西端に向かいそこから乙女の滝周辺を観光することを薦めると助言してくれた。これは当に正解だった。東屋まで行きそこから王滝に降りる道の前に立て看板があり、「この道は散策路ではありません。登山道ですからそのつもりで」と注意書きがある。高度はそれほどでもないが確かに谷は急角度で落ち込んで谷底は暗い。王滝の写真を上から撮って西端の駐車場に向かう。
ここも平日の午前とあってスペースは充分ある。そこから狭いなだらかな坂を15分ほど登ると、峡谷に降りる散策路が現れそれを下って行くと乙女の滝の前に出た。ここで写真撮影としばしの休憩。そこからさらに峡谷に沿う散策路に分け入ろうとしたところ、「この先は水害で土砂崩れが起き通行止め」とある。仕方なく駐車場から登ってきた道に出て、さらに反対側に進むと横谷温泉の旅館街に出て道はそこで行き止まりとなっていた。まずまずの紅葉は楽しめたものの、散策は出来ずじまいで終わった。


写真は上から;横谷峡への道-1、-2、王滝、乙女の滝への道、乙女の滝、横谷狭散策路

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(次回;蓼科を走る-2

2019年11月23日土曜日

最後のグランドツーリング-4



4. 四季の森ホテル
ドライブ旅行の宿泊先はオーベルジュスタイル(レストランを売り物にする小ホテル)を第一選択にしている。最初にその良さを知ったのは12年前の新潟十日町方面を経由してこの地(女神湖)に泊まった時だった。宿泊先は“コロシアム イン”。それ以来先ずそんな宿を探すようになったが、今年7月の道北ドライブでは残念ながら適当なところがすべて埋まっており機会を逸した。それもあって最終ドライブとなる今回は何としてもこの種のホテルに泊まりたかった。そこで見つけたのが“四季の森ホテル”である。
部屋が12室(+コッテージ3棟;ペットや子連れ用)と少ないがツインの部屋もあり、レストランはフレンチである。写真で見る森の中の佇まいも年代を感じ安普請のペンションとは一味違う。温泉露天風呂が無いのはいささか不満だったが、希望する日にちに空き部屋があったので即予約を入れた。出発の数日前、現地での過ごし方を検討するため、付近の施設の稼働状況を調べていてその理由が見えてきた。二日目はたっぷり時間があるので、八ヶ岳を始めこの付近の山々をロープウェイやケーブルで巡ってみたいと思ったのだが、114日(月;振替休日)で休業に入るところばかりである。冬のシーズンを控え長期定期整備にかかるのである。紅葉は色づいても秋のシーズンはほとんど終わりなのだ。
夕闇迫る頃落ち葉の積もる駐車場に到着。荷物を降ろしていると年配のおばさんがやってきて案内してくれる。二重扉の玄関を入ると目の前は小さなフロント、おばさんが中に入り今度は受付係に変身。左手に比較的広いレストラン、右手にはこれも小規模な談話室(休憩室)になっている。建物は2階建てで我々の部屋は1階の白樺の森に面したテラス付でき、広さも充分。バス・トイレはユニット型だがアメニティは揃っているし、男女別の大浴場(と言っても洗い場3人分)が別にあるので設備に不満は無い。共用の乾燥室やジャグジー(要水着)が在るのはスキー客のためだろうか。6時半のディナーまでには1時間以上あるので、浴場でひと風呂浴びしばらくベッドでまどろむ。とにかく静かだ。
予約時刻レストランに赴くと先客は一組我々よりはやや若いカップル。軽く会釈してウェイターに案内された席に着く。近くでは薪ストーブが燃えているが、それだけでは十分でないのか石油ストーブも点火されている。先ず飲み物だがワインは各種用意されているもののビールは地ビール一種とアサヒの瓶ビールしかない。またグラスワインは赤・白の信州ワインがこれも一種のみ。あとはボトルである。家人がアルコールを全くやらないこともありハーフボトルも病み上がりにはチョッときつい。結局信州ワインの白で始めた。極めて若くブドウそのものの味がする。「ちょっとな~」の気分。料理はフルコース、前菜から始まりスープ・魚・肉・デザートと続く。味はまずまずだが歳とともに量をこなすのがつらくなってきているので分量はやや多めだ。肉料理が始まると赤に変えてみる。白にくらべればこちらは悪くない。1時間半ほどを要したが、最後まで客は二組と給仕するウェイター一人。静かなディナーがこうして終わった。翌日のディナーでは初めに地ビール(オラガビール)途中から信州ワイン赤にした。料理は食材・調理法こそ変わったもののフレンチ、相客は同じだった。
朝食はイングリッシュブレックファーストに近く結構豪勢だ。飲み物は地産の牛乳かジュース。蓼科牧場もあるくらいだから本来は牛乳を選ぶべきなのだが、前夜のディナー重みが朝まで残りジュースにした。
このホテルの基は明治期に博多でオーベルジュ“共進会”を開業したところにあるとのこと。今のJR九州で当時珍しかった食堂車の運営も行っていたようである。2食付きで一泊一人15千円はかなりコストパフォーマンスが良い。満足のオーベルジュだった。

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(次回;蓼科を走る-1

2019年11月20日水曜日

最後のグランドツーリング-3



3. 白糸の滝・朝霧高原・白州
115日朝天気は晴れ、今回は一日の走行距離が200km前後だから、出発は8時過ぎで良かった。西へ向かうルートはいつも同じ。横々→保土ヶ谷BP→横浜町田ICで東名道に乗る。昨秋の山陰ドライブ以来だが、良く知った道だから時間も読めていると思ったが、何故か保土ヶ谷BPで東名への流れが悪い。あとで分かったが、保土ヶ谷BPから国246号を跨ぐ陸橋への車線に東名への車線が1車線割かれており、2車線から1車線に減じていた。何故こんなことを?!お蔭で30分以上予定が遅れ、これがあとあと効いてくる。東名の西行きも三連休明けのためか流れが悪い。やっとの思いで足柄SA到着。しかし空は清み冠雪した富士山が目の前にくっきり。これでかなり気分が晴れる。
先ず目指すは白糸の滝。ここは前回一人で日帰りドライブをしているので勝手が分かっていたつもりだが、前回(4年前)の時は新清水ICで降り、身延山→本栖湖→朝霧高原→白糸の滝と時計方向で廻ったが、今回は新富士ICから逆方向に廻る。おまけに白糸の滝は電話番号が無いので凡その住所でナビのゴールを設定したので何度か道を間違える。ここでまた時間を余分に使い、到着時刻は11時になってしまう。ただ午前中と言うこともあり、駐車場はガラ空き、案内人も居らずノートに車番を記帳して料金箱に300円を投入するだけ。滝へ降りるとそこそこ観光客は居るものの、前回とは比較にならぬくらい見学者は少ない。以前は道沿いに何軒か休憩所や土産物を扱う店もあったが、今回は皆無。いささか寂れた雰囲気である。ここでも富士山をバックに写真を撮る。
30分ほど過ごし次の目的地、朝霧高原に向かう。ここは本格的にはハイキングをするといいのだが、そうするには半日を費やすことになるので、当初予定は高原の乳製品でも味わって一休みと考えていた。しかし、自動車道での渋滞の遅れで丁度昼食時になってしまったので本来本栖湖で摂る予定だった昼食をここで摂ることにする。選んだのは麦とろ。確りした粘り気のあるそれはなかなかのものだった。
前回書いたように、本日の最後はサントリ-白洲蒸留所見学、ここはいろいろな見学メニューがあるのだが、工場内を見学するのはすべて有料で予約が要る。ウィスキー博物館見学だけのコースだけは無料だがこれも予約要、ホテルのチェックイン時刻を5時と伝えてあったので2時半~3時半の時間帯を前日予約しておいた。
昼食を終えた朝霧高原の道の駅を出発したのは1時前、時間に余裕があるので本栖湖・精進湖を経由する一般道で行くことにする。これなら甲府の手前て峠道を楽しめるからだ。しかし、最近主要一般国道(国道20号線のような)を長時間走ることが無かったので、少々勘が狂っていた。国20号線は車線変更と信号が多く予想外に時間がかかり、蒸留所到着は丁度2時半。何とか間に合う。先ずウィスキー博物館へ。7月の道北ドライブではニッカの余市蒸留所を見学している。あそこではレストランや試飲所と一体になっていたが、ここでは博物館は4階まである独立の建屋、展示も白洲に限らず、ウィスキーの母国スコットランドやアイルランドのウィスキー作りを丁寧に解説しており、博物館としての中身はこちらの方が充実している。また、余市は街中に在るのに対し、ミネラルウォーターも生産しているここ八ヶ岳を間近に自然環境が格段と優れている。ただ、余市の場合は無料見学者も各工程の工場をガイドは付かないが自由に廻ることが出来たが、ここでは博物館・ショップ・レストランのみ可で工場地区に立ち入れないのは残念だった。
4時前に白洲を出発、一般道で白樺湖の北を経由して蓼科山麓のホテルに向かう。到着は予定通り5時前だった。

写真は上から;足柄SAから見た富士山、白糸の滝と富士山、道駅朝霧高原の富士山、白洲蒸留所駐車場からの八ヶ岳

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(次回;ホテル四季の森)