4. 四季の森ホテル
ドライブ旅行の宿泊先はオーベルジュスタイル(レストランを売り物にする小ホテル)を第一選択にしている。最初にその良さを知ったのは12年前の新潟十日町方面を経由してこの地(女神湖)に泊まった時だった。宿泊先は“コロシアム イン”。それ以来先ずそんな宿を探すようになったが、今年7月の道北ドライブでは残念ながら適当なところがすべて埋まっており機会を逸した。それもあって最終ドライブとなる今回は何としてもこの種のホテルに泊まりたかった。そこで見つけたのが“四季の森ホテル”である。
部屋が12室(+コッテージ3棟;ペットや子連れ用)と少ないがツインの部屋もあり、レストランはフレンチである。写真で見る森の中の佇まいも年代を感じ安普請のペンションとは一味違う。温泉露天風呂が無いのはいささか不満だったが、希望する日にちに空き部屋があったので即予約を入れた。出発の数日前、現地での過ごし方を検討するため、付近の施設の稼働状況を調べていてその理由が見えてきた。二日目はたっぷり時間があるので、八ヶ岳を始めこの付近の山々をロープウェイやケーブルで巡ってみたいと思ったのだが、11月4日(月;振替休日)で休業に入るところばかりである。冬のシーズンを控え長期定期整備にかかるのである。紅葉は色づいても秋のシーズンはほとんど終わりなのだ。
夕闇迫る頃落ち葉の積もる駐車場に到着。荷物を降ろしていると年配のおばさんがやってきて案内してくれる。二重扉の玄関を入ると目の前は小さなフロント、おばさんが中に入り今度は受付係に変身。左手に比較的広いレストラン、右手にはこれも小規模な談話室(休憩室)になっている。建物は2階建てで我々の部屋は1階の白樺の森に面したテラス付でき、広さも充分。バス・トイレはユニット型だがアメニティは揃っているし、男女別の大浴場(と言っても洗い場3人分)が別にあるので設備に不満は無い。共用の乾燥室やジャグジー(要水着)が在るのはスキー客のためだろうか。6時半のディナーまでには1時間以上あるので、浴場でひと風呂浴びしばらくベッドでまどろむ。とにかく静かだ。
予約時刻レストランに赴くと先客は一組我々よりはやや若いカップル。軽く会釈してウェイターに案内された席に着く。近くでは薪ストーブが燃えているが、それだけでは十分でないのか石油ストーブも点火されている。先ず飲み物だがワインは各種用意されているもののビールは地ビール一種とアサヒの瓶ビールしかない。またグラスワインは赤・白の信州ワインがこれも一種のみ。あとはボトルである。家人がアルコールを全くやらないこともありハーフボトルも病み上がりにはチョッときつい。結局信州ワインの白で始めた。極めて若くブドウそのものの味がする。「ちょっとな~」の気分。料理はフルコース、前菜から始まりスープ・魚・肉・デザートと続く。味はまずまずだが歳とともに量をこなすのがつらくなってきているので分量はやや多めだ。肉料理が始まると赤に変えてみる。白にくらべればこちらは悪くない。1時間半ほどを要したが、最後まで客は二組と給仕するウェイター一人。静かなディナーがこうして終わった。翌日のディナーでは初めに地ビール(オラガビール)途中から信州ワイン赤にした。料理は食材・調理法こそ変わったもののフレンチ、相客は同じだった。
朝食はイングリッシュブレックファーストに近く結構豪勢だ。飲み物は地産の牛乳かジュース。蓼科牧場もあるくらいだから本来は牛乳を選ぶべきなのだが、前夜のディナー重みが朝まで残りジュースにした。
このホテルの基は明治期に博多でオーベルジュ“共進会”を開業したところにあるとのこと。今のJR九州で当時珍しかった食堂車の運営も行っていたようである。2食付きで一泊一人1万5千円はかなりコストパフォーマンスが良い。満足のオーベルジュだった。
(写真はクリックすると拡大します)
(次回;蓼科を走る-1)
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