2011年3月16日水曜日

決断科学ノート-63(東北・関東大震災-2)

 昨日原発緊急事態に関する政府の発表が、“小出し”であることを危惧する意見を書いたが、ますますその感を深めている。現実に生命の危険がないとしても、最悪のケースを想定した防止・避難対策を早目に準備する必要があるのではないか?
 ドイツではメルケル首相が「日本政府は事態を隠蔽している」と批判しているし、ワシントンポストの電子版は「防止策をあきらめたようだ」と報じている。
 政府の説明は、いわば前大戦における大本営発表と同じであるが、前回はミッドウェイ敗戦を隠し、今回は過少評価で、マスコミも確り報道管制を布かれているような気がしてならない。と言うよりも当事者の東電と設備を建設した業者以外、保安院や学者も含めて“ほとんど現場の実態を理解できていない”状態なのではなかろうか?官房長官の報告を聞いているとそんな気がしてならなし、初めてメディアの前に現れたとき冒頭「想定外」を口にした東電社長を信ずるわけには行かない。
 外国の震災救援隊員にも被爆者(軽微なようだが)が出ている現在、国のプライドもあろうが、IAEAをはじめとする、海外の専門家を現状説明の場に入れて、実態を明らかにして、適切な対策を講じてもらうことが切に望まれる。

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