いよいよ道内最終日(7月11日)。夕刻5時頃には苫小牧港に着いていなければならない。計画段階では、この日は特に観光スポットを決めていなかった。この辺りの山岳ルートを走り、かつての炭鉱の町夕張に寄って、道央自動車道で苫小牧に至る道などを一応想定していた。しかし、今回のドライブでファーム富田を除けば、期待はずれだった花人(はなびと)街道がどうしても気がかりになっていた。8日網走のホテルに着き、忘れ物の件でフラノ寶亭留と電話でやり取りした時、新得と富良野が極めて近いことに気付かされた。「一層のこともう一度富良野へ行くか?」 これに草花を愛でるのが目的でこのドライブ行に同道した家人が賛成しない訳がない。こうしてパノラマロードとパッチワークの丘を足早に(本来ならそれぞれに一日要する)廻る案が決まった。
当日早朝の新得は晴天だったが、出発する頃(8時半)には大分雲が多くなっていた。ルートは38号線を北に向かえば南富良野で花人街道(237号線)に合流する。少し先には十勝連峰の山々が横たわり、重連の蒸気機関車が雪原を進む雄姿で有名だった狩勝峠が控えている。山に近づくにつれ雲は厚く低くなり霧に変じていった。ヘッドライトを点灯して慎重に進む。残念ながら峠越えは濃霧の中、標識が辛うじて読める程度である。幸い霧は平地に下ると晴れていた。
7日に給油したモービルのSSに再び寄り、見どころとルートを確認するが「あそこは言葉では説明しにくいなー」と地図をくれそれで説明してくれる。此処からはパノラマロードが先になり、美馬牛(びばうし)の駅が当面の目標だと言う。花人街道から分け入ってたどり着いた駅舎はまるで納屋のように小さい(写真上右)。
その駅前の地図看板で、SSお薦めの三愛の丘と四季彩の丘を確認。先ず三愛の丘を目指す。道は緩やかな丘陵地帯をぬう農道でいたる所で分岐、ナビ無しではとても走れない。しかし高みに上るに従いだんだん風景が開けていき、展望台からは東西北の三方に、波打つような畑地がどこまでも続く、雄大な景色が一望できる。期待していた“北海道”がそこに在った(写真上左)。 次に訪れたのは四季彩の丘。此処への移動も複雑に走る農道の中だ。確かに「言葉では説明できない」に納得だ。広い花畑が傾斜地に広がるのが売りの有料庭園。遥かに望む緑の丘と色とりどりの花々のコントラストが美しい(写真下二葉)。海外からの観光客も多いようで、中国語や韓国語が飛び交っている。広い園内を、トラクターが牽引する客車に載り見学するツアーも人気があるようだ。ただ、8日見学したファーム富田に比べると景観は優れているが、何か落ち着かない。商売臭が強すぎるのだ。入り口辺りの密集を如何に避けるかがこういう施設の雰囲気を分ける鍵と感じた(ファーム富田も商業施設はあるが、いくつかに別れ、入場無料のため、出入り口とも重ならない)。
パノラマロードは他にも見所が多々あるのだが、スケジュールの関係で端折らざるを得なかった。時間があれば、どこかに車を止めて、ゆっくり歩いて廻るのが正解なのだろう。(次回予定;パッチワークの丘)
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