16日の台風18号は昼日中だったのでTVでその凄さを実況体験した。特に、びっくりしたのは京都嵐山・桂川の渡月橋を洗う濁流である。一昨年1月桂離宮を見た後、嵐山口駅からあの中州を歩き、橋を渡ったところの茶店で休んだだけに、“まさか!”の思いでTVに釘付けになった。
3連休の最終日、観光客にとっても、夏休みの外国人も含めて、大変な一日であったろう。別のシーンで新幹線運転再開を待つ人々が、その知らせを見て「ウォーッ」と一斉に声を上げるところで、2007年7月半ば英国での体験が思い起こされた。
その年は今年の日本同様、英国もしばしば異常豪雨に見舞われ、ウィンブルドンは中断、名物のアスコット競馬では正装した紳士・淑女がずぶ濡れになっているのをTVで目にした。
渡英2ヶ月、スコットランドとの西部国境に近いランカスターの町(湖水地帯に近い)に滞在していた私は、旧友を訪ねてイングランド南西部の工業都市ブリストルを訪れ、その後コッツウォルズの村々を巡る旅に出た。
ブリストルで2泊しで四半世紀ぶりの再会を楽しみ、そこでレンタカーを借りて、コッツウォルズに向かった。初日は天候にも恵まれ、チッピングカムデン、モートン・イン・マーシュ、バイブリーなどの美しい村々を廻った後、バフォードの旅籠に投宿した。
翌日は雨、チャーチルの生家、ブレナム宮殿訪問がこの日の主目的。宮殿内の見学が中心だから雨でもあまり差し障りは無かった。しかし、昼食後バフォード経由でブリストルへ戻る道は想像を絶する状態になっていた。雨で冠水した道路、その中で立ち往生する車、こちらも道を間違え、雨の中を右往左往したが、何とかブリストルのクルマ返還場所に帰り着いた。あとは駅に行き、予約した列車はとうに時間が過ぎているが、まだ帰る列車はある。駅で切符の変更を求めると「今日は大雨で英国中の列車は全て止まっています!」「英国中!?」。それほどの広域豪雨だった。
ブリストルで2泊しで四半世紀ぶりの再会を楽しみ、そこでレンタカーを借りて、コッツウォルズに向かった。初日は天候にも恵まれ、チッピングカムデン、モートン・イン・マーシュ、バイブリーなどの美しい村々を廻った後、バフォードの旅籠に投宿した。
翌日は雨、チャーチルの生家、ブレナム宮殿訪問がこの日の主目的。宮殿内の見学が中心だから雨でもあまり差し障りは無かった。しかし、昼食後バフォード経由でブリストルへ戻る道は想像を絶する状態になっていた。雨で冠水した道路、その中で立ち往生する車、こちらも道を間違え、雨の中を右往左往したが、何とかブリストルのクルマ返還場所に帰り着いた。あとは駅に行き、予約した列車はとうに時間が過ぎているが、まだ帰る列車はある。駅で切符の変更を求めると「今日は大雨で英国中の列車は全て止まっています!」「英国中!?」。それほどの広域豪雨だった。
何とかブリストルで泊まったホテルに一部屋とることが出来、そこで観たTVは当に16日の日本と同じ。鉄道は止まり、道路は寸断、空港も閉鎖。
翌朝は晴れていたがTVの伝える交通情報は悲観的なことばかり。それでも駅に向かった。駅は当然混乱状態、案内に問い合わせると「ランカスター方面の直行線は冠水で使えない。可能性のあるのは、先ずロンドン(ブリストルからは東になる。2時間弱)へ出てそこから島の東側を走る線で北のヨークまで行き、そこから西へ向かう線を利用するのが唯一の解決策」「Long Wayになるね」とのこと。
ロンドンにはいくつかのターミナル駅がある。ブリストルからの到着はパディントン駅。ブリストルでの案内は、そこで地下鉄に乗りキングズ・クロス駅に行きヨーク方面へ向かう列車に乗れと言うものだった。しかし、前回ロンドンを訪れた時、ランカスターからの列車はユーストン駅が終着だった。もしかするとこの線が動いているかもしれない。パディントン駅の緊急対応案内者にこのことを確かめたが、「ユーストン発の北行きは動いていない」との答え。それでも迂回線はあまりにも遠回りだ。ダメもとで取りあえずユーストンで下りてみた。やはり列車は動いていなかったが、大勢の人が出発表示板を見つめている。しばらくすると「ワォーッ」と言う声が上がった。プレストン・グラスゴー方面の列車が表示されたのだ!ランカスターはその途上にある。何とか明るい内にアパートに帰りつくことが出来た。
前回ドイツ鉄道のいい加減さを書いたが、英国の鉄道に関する限り、大規模なトラブル時の利用客対応はそれほど日本と違いが無かった。それにしても、英語がほとんど通じない日本で、16日の台風に遭遇した外国人観光客は、私の苦労どころではなかったろう。
(本件については、本欄「滞英記-号外編:9と10の間」に詳述しています。
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