2016年1月4日月曜日

四国山越え海越えドライブ-10


9.道後温泉
四国4県の県庁所在地で最も出かけているのは松山。徳島も数回しかないし、高松と高知は46年前のドライブで一度訪れただけ、今回高知はICから市街中心部は通らず桂浜直行、高松も屋島への通過点に過ぎない。一方で松山は菊間に製油所が在る太陽石油がお得意さんである他、新居浜が発祥の地である住友化学も大事な顧客、加えて帝人、大王製紙なども工場がありIBM主催のローカルな装置工業セミナーの講師なども務めたりしていたので、チョッと思い出せないほど来ている。そんな折市内や道後温泉を観光する機会もあったので、ある程度土地感も出来ていた。しかし、肝心の由緒ある道後温泉本館は外から見たことはあるものの、中へ入ったことはなかったから、出来ればそれも試みたいと思っていた。従って宿泊先選びも本館に近いことが必要条件である。こうして見つけたのが客室数19の純日本旅館、“朧月夜”である。
実はここを見つける前は、この地を訪れたことのある人が薦めてくれた、砥部焼を売り物(食器や花器ばかりでなく洗面や浴槽まで)にする“夢蔵浪六”と言う旅館を第一候補にしていた。その理由は本館の目の前に在ったからである。しかしよく調べると、それゆえか自館内に大浴場が無く、4階建てなのにエレベータは無いようだし、駐車場も事前予約が必要だった。また口コミによれば内部の造りが「凝り過ぎ」との批判があり、候補から外した。
朧月夜の予約には少し工夫が要った。予約検討時期は9月、予約2か月前。通常は楽天をよく使うのだが、ここを予約しようとすると10月分までしかできない(他の宿泊先はかなり先までできるのに)。そこで最近知ったreluxと言うサイトのメンバーになり、そこから当たってみたら11月の予約が可能になった。多分業者間の支払い条件が違うのだろう。部屋や食事はそれほど選択肢が無かったので1階庭付きのプランを選んだ。
道後温泉本館の北へ徒歩で23分上がった所にそれは在り、薄茶色の漆喰壁で囲われた駐車場はセキュリティが確保され、広さも充分ありとめやすい。自動車旅行ではこれも大事な評価点である。外からは2階建てに見えたが、中は3層構造、駐車場から直結する玄関・ロビーは実は2階、1階は一つ下の階になる。部屋は玄関と板の間(トイレ付き)・和室・和風ベッドの寝室・ソファーが置かれたリビング・二つの洗面台を備えたユーティリティコーナー・内湯と露天風呂、その先に庭が広がる。周辺のホテルは高層だが軒が長く出ているので、室内や露天風呂は外からは見えない。広さは充分、落ち着ける良い部屋だった。
食事は1階の個室で供される。夕食の内容は予約の際指定するようになっていたのでメインは伊予牛のしゃぶしゃぶを指定、料理は一部地場の食材が使われているようだが、典型的な懐石料理、味・量ともに満足した。予約情報にはアレルギーなどに関する問いもあったので「甲殻類の殻」と書いたところ、朝食の際これがキッチリ配慮されており、小エビの佃煮の様なものが私だけ別のものになっていいた。この辺りのきめ細かいサービスは大変ありがたい。
さて“湯”である。夕食の前に館内の大浴場で今日一日の難行苦行ドライブ行の疲れを癒し、それから夕食で生ビールを2杯も飲むと、近いとはいえ雨のそぼ降る道を温泉本館まで出かける気分にはなれず、結局その日は就寝。翌朝早く目が覚めたが依然小雨が降っている。今度は部屋備え付けの露天風呂で済ませ。朝食までの時間、宿の傘を借りて温泉本館の周辺を観光するにとどまった。旅館も気にいったしもう一度訪れ、今度は本館でゆっくり温泉に浸かりたい。こんな思いを残した道後温泉である。

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(次回;しまなみ海道)

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