19.阿蘇を走る
3月24日(木)晴。このホテルでの朝食は外運河に面してテラスが張り出した明るく、上品なインテリアのレストランで摂った。ビュッフェスタイルではなく、決められたメニューの中から選択するスタイル。客も二組ほどしかおらず、静かに落ち着いて英国風(大陸風は簡素だが、英国風は卵やベーコン、ハムなどがつき、やや重い)の食事を楽しんだ。
チェックイン時は荷物預かり所で手荷物やキャリーバッグから自由になれたが、チェックアウトはそうはいかない。駐車場までは巡回バスで向かうことになる一番南端のフォレストヴィラを廻ったあと、北端のフェアウェルゲート(出口)付近をかすめて駐車場到着は9時少し前。
この日は最後の九州走行日。ルートは一般道を北上佐世保大塔ICで西九州道に入り、武雄JCTで長崎道に合流、あとは熊本ICまで21日走った道を逆走する。その前に大塔のエッソSSでガソリン補給。ここでの補給量は49.2ℓ、21日知覧で給油してから516km走っているから燃費は10.5km/ℓ、起伏の少ない自動車道の標準値と言える。
鳥栖JCTで九州道に入ると内陸部を走る平坦な道が続き、運転の面白味は全くない。山川PAで一休み。時間は11時少し前。熊本ICで下道に下りて国道57号線(豊後街道)を東に向かう。2週間後の熊本地震で思い起こされた、菊陽町、益城町、阿蘇くまもと空港、阿蘇大橋などの表示を辿って晴天下の走行が続く。この道は大分方面と結ぶ主要道路のようで、片側2車線だが交通量が多い。しかし大津で57号線と別れ旧豊後街道(県339号線、ミルクロード)に入ると嘘のように空いた道になる。上り勾配が始まり、いよいよ阿蘇の山岳道路に入ったのだ。よくある山道と違うのはほとんど木立が無く、左右は枯れ草に覆われた草原、あまり見晴らしはよくない。ところどころにサイロや牛舎のような建物が現れるが牛の姿を目にすることはなかった。
12時少し過ぎナビにセットしてあったかぶと岩展望台に到着。ここは阿蘇外輪山の西端になる。休憩所の前に4,5台車が止まっているが人影はちらほら。駐車場にクルマを止め、展望台(と言ってもやや小高い小さな丘)に上ると、眼下に広大な盆地が広がり、その中には集落や道路が走り、遥か南東に阿蘇山系の山並みが望め、外輪山に囲まれた平地の規模が世界的なものであることを実感する。
昼食時間ではあるが休憩所の周辺は閑散としているし、目当てが無いわけではなかった。それは長者原ビジターセンター付近にある農家レストラン“べべんこ”である。かぶと岩を過ぎると道の番号は県12号線、県45号線(阿蘇スカイライン)と変わり、通称やまなみハイウェイの県11号線にぶつかり、ここを北に向かうとハイウェイの最高地点(1333m)を経て長者原に達する。この間相変わらず道は空いており、快適なドライブを楽しめる。ビジターセンターから数分、予定の“べべんこ”に到着。“べべんこ”とは大分方言で子牛のこと、ここはもう大分県九重町。時刻は1時半に近い。ちょっと遅い昼食は豊後牛のステーキ丼にした。
(写真はクリックすると拡大します)
(次回;阿蘇を走る;つづく)
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