2024年1月11日木曜日

一人参加の三陸ツアー(5)


5.島越駅(Shimanokoshi railway station struck by tsumami


久し振りの旅行再開トップに三陸を選んだのにはそれなりに理由がある。先ず、リアス海岸としては我が国の代表、そこを一度は訪れたいと昔から思っていた。次に、この特異な地形を走る三陸鉄道リアス線に乗りたかったことがある。いずれも観光である。加えて、あの大震災の跡と復興状況をこの目で確かめたいとの思いも年々高まっていた。これは、決して物見遊山ではない。ツアー訪問地にあの“一本松”で有名な陸前高田があったことから、そこに期待した。しかし、それ以前に被害とそこからの復旧過程を確かめられたのが島越 駅とその周辺である。


北山崎の駐車場を発ったのは16時近い。バスは県道44号線を南下する。紅葉がきれいだが日差しは山で遮られ暗さを増していく。波高25mの津波が襲い2km先まで遡って130人近い死者を出した田野畑村を抜ける途上、先ず見えたのが三陸鉄道田野畑駅、線路は流失したものの駅舎は残った。しかし、駅周辺に真新しい家屋が十数件あるものの人っ子一人いない。標識に“鵜の巣断崖”が現れる。ここもリアス海岸の見所だがバスは先を急ぐ。いくつかトンネルを過ぎ、海岸レベルに道路が下りとこんな所に何故と思われるような高さと厚みのある防波堤が現れ、もう作業はしていないものの重量のある建設機械が何台か置かれている。ここで県道から逆U字型の新設道路を登り切った正面にこんな場所に全くそぐわないピンクの洋館が在る(wikipediaから)。これが新設なった島越駅の駅舎であった。到着1630分。


旧駅はここから100mほど南のコンクリート製高架橋上に在ったが、駅舎・ホーム・線路とも流失、諸方面からの寄付を基に2014年現在の位置に新駅が再建されたのだ。ホームからは先ほど見た強固な防波堤が見渡せた。規模は小さいが、津波の脅威を今に伝える景観であった。

 

(つづく)

 

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