2010年8月22日日曜日

奥の細道ドライブ紀行-10(山寺)

 今度の旅の観光の目玉は、角館の武家屋敷、それに芭蕉の“閑さや巌にしみ入る蝉の声”が詠まれた山寺(立石寺)である。この句を読んだのは陰暦では同じ5月だが、陽暦では7月。ちょっと季節は異なる。初めて山寺を見たのは40年以上前、蔵王にスキーに行った帰路。奥羽本線が不通になり、仙山線経由で上野へ戻る途中、山寺駅に停車した時だった。車窓から見上げる雪山の中に佇む僧房は、いかにも俗界と一線を隔す存在で、厳しく清々しい感じが印象に残った。いつの日か訪ねたいとの思いがやっと実現した。
 初めて明るい日の射す朝だった。今日は家へ帰るのであまり時間は気にする必要が無い。朝風呂に浸かり、銀山温泉を離れたのは9時15分頃。県道29号線経由でこの地方の動脈、国道13号線に東根(ひがしね)で達してしばらく南下する。天童で山寺街道(県道111号線)に分かれ東に向かうと、10時半には山寺駅近くの駐車場に到着していた。
 ガイドブックに依れば、1015段の階段を往復する所要時間は1時間半~2時間とある。昼食は降りてから摂ることにして、取り敢えずお茶のボトルを買って、鎌倉時代に建てられた山門をくぐり、階段に取り付いた。途中にあるお堂や洞で一休みしながらゆっくり登って行く。幸いここへ着いてからは薄曇となり、汗をかくほどではない。今日は土曜日、休日なので人出は結構ある。降りてくる人、追い越していく人、こちらも時々追い越すこともある。どうやら中国人の団体も混じっているようだ。彼の地の水墨画にも似た風景をどう感じているのだろうか。見所への分岐路もあるのだが、奥の院まで達する時間が読めないので、一先ずそこへ直行することが先決だ。スタートから40分位、いくつかの僧坊が並ぶチョッとした広場に出た。ここが奥の院の在る所、皆記念撮影やお参りに余念が無い。しかし、最も眺望が良いのはここではなく、少し下にある五大堂と呼ばれる清水寺のようは張り出し舞台を持ったお堂で、そこからは真下に山寺駅が見え、狭い谷間の向こうにも山々が見える。秋の紅葉はさぞ素晴らしいだろう。
 下りはかなりの部分別ルートになっているが、むしろ上りより歩き難い。用心しながら12時過ぎに何とか、取り付いた山門まで帰り着いた。
丁度お昼時、前夜旅館で夜食として用意してくれた、混ぜご飯のおにぎりとここの名物、力こんにゃく(丸いこんにゃくを三個串に差したもの;本来登るためのエネルギー補給用というのが主旨らしいのだが)で昼食とした。
 再び幹線路13号線に戻る道の両側は、観光用のさくらんぼう農園が広がっているが、少しシーズンには早かったようで、農家の人たちが手入れをしていた。
 13号線の天童バイパスモービルでこの旅二回目の給油、家からの距離は1016km、給油量は43.5L。酒田からここまでの距離は462kmだから、10.6km/Lは山間部ドライブとしては悪くない燃費だ。ここからいよいよ最後の山岳ドライブ、蔵王エコーラインに向かう。
(写真はクリックすると拡大します

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