平等院は高校の修学旅行が最後である。駅周辺の記憶は無いが、高架駅で駅前広場も広々と整備されていることから、当時とは全く違っているはずだ。道々KWBさんとMRNさんが少年時代の思い出を語っている。宇治川の源流、琵琶湖畔の瀬田から川沿いにここまで歩いたことがあるようだ。
平等院の境内に入ると先ず目に付いたのは一本の幹から広がる巨大な藤棚。植木屋が裸の枝を剪定している。シーズンには見る者を圧すること必定である。十円硬貨に採用されている鳳凰堂の見学は時間制で案内がつく。しかし、開始時刻は9時半。少し時間があるので、池の周りを散歩などして時間を過ごす。寒い!
黒いスーツを着た女性の案内は、中心部の中堂の中で行われる(撮影禁止)。ここには金色に輝く国宝の阿弥陀如来が収められ(光背・天蓋を含む)、その周辺の壁には雲の中を飛んでいる52体(これも国宝;一部は博物館蔵)の菩薩像が取り付けられている。柱や梁の一部には色褪せた朱色が残り、往時の華やかさが偲ばれる。
宝物の一部は、鳳凰殿の景観を壊さぬようその背後の小山に半地下式で作られた博物館(鳳翔館)に収められているので、そこも見学。その後これも国宝の鐘楼をみて、南門から出た。そこから宇治川を渡りこれも世界遺産の一部である宇治上神社を詣でて京阪宇治駅へ向かった。
京阪宇治駅から中書島駅まで5人一緒だが、ここで枚方に居る弟さんを訪ねるSKIさんと別れ、残りの4人は京阪本線に乗り換えて、京都方面一駅目の伏見桃山駅まで行き、伏見巡りを始める。最初に訪れたのは薩摩藩士が同士討ちをしたり、竜馬が襲われそれをお龍さんが逃すことになる寺田屋。観光バスが行き交う、何やら下町ぽい場所にそれがあり、今でも“旅籠”寺田屋の看板がかかっていた。
次いで出かけたのは伏見の造り酒屋の並ぶ一帯。川の複雑な流れとそこに穿たれた運河に沿って倉庫や酒作りの作業場がある。ここら辺はMRNさんの散歩コース、一段と案内に熱が入る。月桂冠の本社近くに来たとき、向こうの方からやけに背の高い男がゆっくり歩きながら、お供二人(男と女)とやってきた。昨年日経新聞に“私の履歴書”を書いた会長である。男は露払い、女性は背中を支えている。書面から感じた覇気は全く無い。
昼食の予定はこの月桂冠の経営する「月の蔵」の予定だった。しかし、今日は有志参加ということになっていたので予約をしていなかった。どうやら観光コース人気スポットのようで、大分待たなければならない。幸い酒蔵を改築した食事場所はここだけではない。MRNさんは直ぐに近くの、焼き鳥を売り物にする店へ案内してくれた。美味しい伏見の新酒を味わいながら、身体を暖めこの旅の総仕上げをした。
(冬の京都を巡る;完)
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