2013年10月24日木曜日

フランス紀行 南仏・プロヴァンス・パリを巡るー(6)


6.ニース観光
空港には現地ガイド(日本人中年女性)と50人位乗れそうな大型バスが待っていた。これに添乗員とガイドをいれて11人だから、おもいおもいの席に座れる。出発は9時半頃。無論こんな時間にホテルへチェックインは出来ないから、市内観光に向かう。とは言っても美術館なども開場は10時だから、先ずはホテルやカジノが並ぶ海岸プロムナード(プロムナード・デザングレ;イギリス人の遊歩道)をユックリ走り、この世界的リゾート地の触りから案内が始まる。人口は50万人、フランスでは5番目に多い町、ホテルの数はパリに次いで2番目だと言う。そのホテル群は海岸に面して延々と続くが高さが揃い、看板も抑制されて美しい。海岸だけ見れば熱海や伊東も決して見劣りしないが、この辺りの統一性が日本とは違う(これは今回の旅で、随所で痛感させられた)。
海岸通を中ほどまで行くと、バスは市の中心部からセレブ達の別荘が点在する山側に進路を変える。市街の公園広場には巨大な、四角い顔面を持つ石の彫刻が現れる。それを過ぎると住宅地に入り道は狭く、運転手の腕の見せ所となる(思わず「上手い!」と言いたくなる)。辿り着いた先は国立シャガール美術館。ニースにはここで没したマティス美術館などもあるが、おそらく“国立”ゆえにここが選ばれたのだろう。この美術館が出来たのは1970年代初め、懇意だった文化相のアンドレ・マルローが国に寄贈された作品を展示するため、シャガール永住の地となったここに設立を決めたのだと言う。いままで写真などで知ってはいたが本物を見たのは初めて。チョッと児童画のような絵やステンドグラス、壁画を楽しんだ。美術館の向かい側は高級住宅地、最近大型バスの進入・駐車禁止の動きがあるらしい。このような話を他でも聞いたが、住民の立場に立てば分かる気がする。
次いでバスは市街中心部に戻り、しばらくはバスを離れ、昼食時間まで徒歩で繁華街を巡る。高級ランド店が軒を連ねる通りや、観光客で賑わうカフェなどがある十字路。やっと町がそしてフランスが身近に感じられる。自転車でパトロールする警官がまるでツール・ド・フランスの選手のようないでたちで、「さすがフランス!」とその粋な姿?に感心する。
昼食はこの繁華街の路地を入った所にある、小さなそしてカジュアルなレストラン“La Casita”で鶏料理だった。互いの家族が紹介しあい、赤ワインやロゼで楽しむ。初めてのフランスでのきちんとした食事。まずまずと言えた。
食後は海岸通へ出て、集合時間と場所を決めて、自由行動。美術館を出てから空は晴天に変わっているので、プライベート・ビーチではまだ泳いだり、日光浴をしている人も居る。海岸はワイキキや沖縄のような砂浜ではなく、小石である。チョッと和歌山御坊の煙樹が浜に似ているが、あれほど粒は大きくなく、波も穏やかなので音はしない。そここで本格的な装束で走るサイクリストを見かける。今週の週末はここでトライアスロン・レスーが行われるとのこと。モナコ・グランプリ同様、華やかな雰囲気の中でのレースは一味違ったものになるだろう。
ニース“観光”はディナーを除けばこれで終わり。本来は何日(何週間)か逗留して分かるリゾートの楽しみは残念ながら分からずじまいだった。
写真はクリックすると拡大します


(次回;モナコ観光)

0 件のコメント: