5.ニースへ
9月26日(木)22時10分AF-0277便はパリ・シャルル・ドゴール空港(CDG)に向け離陸した。こんなに遅い出発はチョッと記憶にない。機種はB-777-300、アエロ・フロートやJALでは何度か乗ったことのある飛行機だ。座席数は303。CDG到着が現地時間の午前3時50分にもかかわらず席はほとんど埋まっている。乗り継ぎで欧州各地へ飛ぶ人が多いのだろうか。
今回初めてプレミアム・エコノミー・クラスを選んでみた。4年前のイタリア行きのときは無かったクラスである。ビジネスが2+3+2の配列に対して2+4+2(因みに、エコノミーは3+4+3)となるので幅が少し狭くなるが、私の体ではビジネスとさほど変わらない感じだ。前後の間隔は詰まっているが、リクライニング時前のシートが後ろへ倒れ込む方式ではないので、圧迫感はない。この機体の場合位置は丁度主翼の上で、28席あり、ビジネス、エコノミーとはカーテンで仕切られ、専用のトイレがあるのも評価できる。
遅い出発にもかかわらず夕食が用意されており、給仕されたのは23時頃、選択肢は和洋2種あり洋を選んだが(食器類は本物を使い一応ビジネス並みだが、内容はエコノミーに近い)、こんな時間はあまり食べないで飲んで寝るに限ると、シャンパン、赤ワイン、コニャックと飲み続けたら(これは全て無料)、期待通り本を読んでいるうちに寝付いていた。目が覚めたのは日本時間の5時半頃だったから、いつもの睡眠時間とそれほど差はない。
CDGの到着は3時50分、離陸が20分遅れたが到着は予定通りだ。時差が7時間あるので正味飛行時間は12時間、まだ夜は明けていない。さすがにこんな時間の到着便は限られており、我々が入国審査を受けた時、開いている窓口は一つしかなかった(機外へ出たところで、初めてのメンバー顔合わせがあり、入国窓口へ最後に到着)。ツアーなので何ひとつ問われず、パスポートを見せるだけで通過した。荷物はニース受け取りなので、携行カバンのみ。国際線ターミナルから延々歩いて国内ターミナルへ移動。当然ながらこんな時間に飛ぶ国内便はないから、セキュリティも閉まっている。1時間くらいしてようやくオープン、しかし、ニース行きいは7時25分発だから、店も開いておらず、ガラーンとした搭乗ゲート前の待合スペースで3時間近く時間を潰すしかない。6時半頃になると吹き抜けの下の階にあるカフェがオープンし、コーヒーのにおいが漂ってくる。こちらはCDG到着1時間前に卵料理とパンの朝食を済ませており、今度の便でも機内で朝食が用意されるので、上から眺めていると、ほとんどの人が飲み物とパン(クロワッサンなど)だけのコンチネンタル・スタイル。アメリカのように卵やベーコンなどを摂る人は見かけない。
7時過ぎやっとAF-7700ニース行きに搭乗。今度の機種はエアバスのA-320、3+3で165人乗り。他国のグループツアーも何組か見かけるし、ビジネス客も多く満席だ。離陸は滑走路が混雑しているのか25分遅れ。飛び立ってしばらくすると機内食の朝食が配られる(当に“配る”という感じ。回収も袋に投げ込む)。ジュース、コーヒーそれに冷たいクロワッサン。典型的なコンチネンタルであった。
機は豊かな農業地帯の上をひたすら南下する。青い空に飛行機雲が幾条ものびている。やがて雪を頂いたような山が見えてきた。このシーズンにもう雪か!フランスアルプス?しかしそれほど高い山ではない。あとで分かったことだがこれは山頂にむき出しななった石灰岩だった。フランス南部の地質が圧倒的に石灰質であることは、コート・ダジュール、プロヴァンスを陸上移動中随所で見かける岩山で教えられることになる。
ニースに近づくにつれ雲が広がり下はほとんど見えなくなる。着陸の警告が発せられると機は雲中飛行になり、抜けたと思ったら下は海、残念ながら、海は空を映し鈍色、あの地中海ブルーではなかった。9時丁度にニース空港にタッチダウン。タキシングする機から駐機場を見ると小型自家用ジェット機がやけに多い。世界の富豪が集まるこの地ならではの光景だ。スーツケースをピックアップした後、ポーターがツアー全員の分を一括して大型台車で運んでいく。通関のチェックは全く無かった(チェックポイントも無い)。このシステムならEUに何でも持ち込めてしまう。何ともあっけないフランス入国であった(入国手続きはCDGで済んでいるが)。
(写真はクリックすると拡大します)
(次回;ニース観光)
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