2013年11月24日日曜日

フランス紀行 南仏・プロヴァンス・パリを巡る-(15)



13. 石造り重畳、ゴルド
929日、南仏旅行も三日目、今日は日曜日だ。「フランスは何と言っても田舎ですよ」と何人もの人から聞いた。その田舎はプロヴァンス地方を意味する。アルル、アヴィニヨンあるいはエクス・アン・プロヴァンスなどが観光の拠点となる大きな町だ。空港ホテルを840分に出発、ゴールはアヴィニヨンだが、その前に、ゴルド、ゾルグなど特色のある見どころに寄ることになっている。
この地方の今日の天気予報は時々雨を報じていたが、出発の時点では晴れ間もあり、まずまずの天候が期待できそうな朝だった。ホテルを出るとすぐに北上する自動車道A7に乗り、最初の目的地、ゴルドを目指す。西側には塩水湖(ヨーロッパ最大)が広がり、その先の丘には石油タンクが沢山見える。エクソンのリファイナリー(フォス製油所)の一つがこの地方にあることは知っているが、それはさらに西の湿原地帯の中と聞いているから別の石油会社のものであろう。
道の両側はときどき石灰岩が露出しているやせた土地、オリーブなどの灌木や、ブドウ畑が続く。走る道は明るいがはるか先の北の空には黒雲が広がっている。出発20分くらいすると、運転手がワイパーを稼働させる。やがてシャワーが断続的に発したかと思うと土砂降りの雨になり、稲妻さえ光るような悪天候に急変した。バスは自動車道を降り、東に向かう一般道を進む。ブドウ畑、ラベンダー畑やさくらんぼう、桃などの果樹園が広がり、防風林のプラタナスの並木が延びる道は、明るい太陽が輝いていたらさぞ心和む景色を見せてくれただろう。
やがて道は上りになり、幅も狭くなってくる。とても大型バスがすれ違うことはできない。ところどころに待避所があり、時々車窓から見える山肌には随所に白い岩が露わになっている。添乗員(今日はガイドはいない)のOSNさんがバスの運転手に何か話すと、少し先の開けたところでバスを止めた。そこは展望台だが、大型車は止められないので、往来の少ないことを見越してしばし停車することにしてくれたのだ。見ると前方の雨に煙る山中に石造りの家が幾重にも重なり頂上に至る異様な光景が現れる。ゴルドの町だ。
慌ただしく写真撮影などして直ぐにバスに戻り、さらに山頂を目指して上っていくと町の広場に達する。到着時刻は⒑時。これから50分ほどここを見て廻るのだが、雨は依然かなり激しく降っており、皆とりあえずインフォメーションセンター(観光案内所)に駆け込んで、善後策を検討する。
ゴルドは一番高いところに小さな古城(16世紀)がある町で、いまではこの石積みで出来上がった景観がこの地方を代表する観光スポットとして人気を集めている。天気が良ければ石畳の道を巡り、小さな美術館やお土産物屋をひやかして50分くらいは直ぐ過ぎるだろうが、この天気ではそうもいかない。ツアー・メンバーは三々五々トイレと最小限の町巡りをして、早々にインフォメーションセンター引き揚げてきた。
次に向かったのは直下の谷にあるセナンク修道院、12世紀創建のものだ。周辺はラベンダー畑で、シーズン(7月上旬)には大変美しく、観光ポスターにもなっているが、すでにシーズン・オフ、外から写真を撮って次の訪問地、ゾルグへ向かった。
幸い雨は止み、青空が見えてきた。
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(次回;骨董の街、ゾルグ)

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