4.草津温泉
関東地方に住んでいて何故かこの有名温泉地に縁が無かった。周辺に在る伊香保、万座、菅平、軽井沢辺りは、スキーやドライブで何度も来ているのだが・・・。だから「今年の春ドライブは近場にしよう」と決めると、真っ先にここが選ばれた。草津に泊まるなら、是非源泉を分配する湯畑の近くに宿をとりたいと言うことで、徳川8代将軍吉宗とも縁のある老舗旅館奈良屋を投宿先とした。
八ッ場を発つときナビでこの旅館をセットすると、40分位と答えてくる。時刻は1時40分だから少し寄り道をしても3時前には着いてしまう。チョッと早い到着になるが、明るいうちの温泉巡りも良いかと考え出発した。道は来た時と同じ145号線を西に走り長野原で志賀高原へ向かう292号線を北上する。つまり温泉街へは南から入っていくのだ。
町の入口に「茶屋公園」道の駅があり、ここから道は国道と別れ、ナビの指示に従って、狭い一方通行の下り坂を進んで行くと広場に出る。ここが湯畑らしい。しかし中心部に近づくほど人の往来が激しくノロノロ運転を強いられ、交通整理の警備員が駆け寄ってきてクルマを止められる。何事か?と問うと、「熱(あつ)乃湯のリニューアル開所式テープカットをやっているのでしばらく待ってください」とのこと。確かに目の前に「熱乃湯」の看板があり、その前に花輪が飾られお歴々が並んでいる。あとで分かることなのだが、ここは“湯もみ”場でそのショーを見せるところであった。広場の中心には湯畑があり、その周辺で人々が式の進行を眺めていたのだ。警備員に宿の在処を訊くと、すぐ先を左に少し上ったところだと言う。やがて通行が許され教えられた道(と言うより路地)に入ると、ここも一方通行、奈良屋の玄関前は一台駐車する余地があるだけだ。駐車場は別の所に在るとのことでカギを渡してチェックインする。
到着は2時半夕食の6時までには時間があるので、部屋で一休みした後直ぐに名所巡りに出かける。無論最初は湯畑である。この地最大の源泉から流れ出る湯(毎分4000ℓ、50°C)が、ここで幾路にも別れ、熱湯を冷まし、湯ノ花(硫黄)を回収し、各旅館・温泉施設に分流供給するところである。硫黄のにおいがたちこめ中、ここを囲むようにカフェや土産物店が軒を連ね、休憩所や足湯も在る。アジア系外国人がしきりに写真撮影をしている。何故“畑”なのか?それは年に何回か、掃除を兼ねて湯ノ“花”を収穫するからである(これを販売する)。
次は直ぐ西側に在る白旗(しろはた)源泉。頼朝開湯伝説を持つ草津最古の源泉であり、奈良屋の湯は湯畑ではなくここから引かれ、敷地内で一旦寝かせてから浴槽に注がれているとのこと。横には共同浴場の「白旗の湯」がある。
一旦湯畑に戻り今度は西のはずれにある西(さい)の河原に向かう。狭い西の河原通りを時々車が通る。両側はびっしりお土産物屋や飲食店が続く。昼間から飲み屋も開いている。温泉街を取り巻く外環道?を横切ると、景観は全く異なり、渓流に沿って緩やかな上りの散策路に入る。ここは車両進入禁止だ。建物も野天風呂、茶屋風の休憩所、ビジターセンターなど限られたものしか許されていない。渓流は別れたり、合流したりしながら流れているが、流れによっては高温のものもあり、注意書きが書かれ、立ち入り禁止区域もある。西の河原は賽の河原でもあるのだ。草津が他の有名温泉と異なるのは、このように温度が高く豊富な湯量の源泉が、間近に多数(6ヵ所)存在することである。結論から言えば草津の価値はここに在るとも言える(逆に、景色も、街の佇まいも、食べ物もここより優れたところは沢山ある)。
宿へ戻ると「湯もみショーはご覧になりましたか?」と問われたので「観ていない」と答えると「今日はオープニングで無料(通常は500円)ですから是非」と薦められ例の“熱乃湯”に向かう。混んではいたが何とか写真が取れる位置でそれを観ることが出来た。
(写真はクリックすると拡大します)
(次回;草津温泉;つづく)
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