3.穂高を目指して
宿泊先確保の都合で、出発日は5月30日(火)となった。数日前の天気予報では最終日6月2日(金)の名古屋に傘マークがあったものの、初日の長野は晴、二日目の金沢も太陽に雲、三日目の福井も同じだった。移動計画作成では、いずれの日にも観光スポットに必須とオプションを用意して、天候を含めた状況変化に臨機応変に対応出来るようにしておいた。特に気がかりだったのは山の天気、つまり5月30日と31日の飛騨地方がどうなるかである。家を早く出て昼頃山へ登るケースとゆっくり出て翌日午前の早い時間に上がるケースの選択である。私は先々の予定も考え早朝出発案を第一選択にしていたが、家人は穂高の天候をこまめにチェックして「気温が上がりそうだから、午後からだと雲がわいて展望が良くないのではないか?」と疑問を投げかけてきた。そうなると30日はゆっくり出立し、安房峠を旧道で超える山岳コースをとり夕刻福地温泉にたどり着くことが適当と考えた。しかし、前日(29日)夕刻ロープウェイ周辺の予報をチェックすると31日の午前が曇りに変わっていることが分かり、30日午後山に登ることにして、早朝出発(6時過ぎ)に決めた。
5月30日朝横浜は晴、結局あれやこれやしているうちに出発は6時半なる。西へ向かう時のいつものルートは横々道路の堀口能見台から自動車道に入り、あとは横々→保土ヶ谷BP→東名横浜町田IC→海老名JCT→圏央道→八王子JCT→中央道と進んでいけばいい。ここまでの幸いどこも渋滞するところはなかった。東京と山梨の間は山が迫り自動車道としては走りの楽しみが味わえる区間だ。談合坂SAまで一気に走り、ここで小休止(7時45分着、55分発)。甲府盆地に入ると遥かに南アルプスや八ヶ岳方面が見えてくるがやや霞がかかった感じで景観は今一つだが、東名と比べてトラックが少なく運転は楽だ。難なく岡谷JCTに達し、長野道に入る。少々勘違いをしており「次は梓川SAで休憩」と考えていたがその前にナビが「まもなく松本ICです。左車線を走ってください」と言ってくる。
ここから一般道の158号線(野麦街道)に下り、松本と上高地方面をつなぐ松本電鉄と並走しながら西へ向かう。この道も、片道1車線だがさほど混んでおらず、快調に流れていく。鉄道の終点新島々駅を過ぎると道は上りになり、カーブもきつくなってくるが、こんなところこそミッドシップ車の本領発揮コース、ハンドルさばきとアクセル・ブレーキ操作を存分に楽しめる。「ボツボツ休みたいな」と思っていたところで“風穴の里”なる道の駅が現れる。ここで本日2度目の休憩(9時55分着、10時5分発)。この先の選択肢は安房峠越え、旧道の山道を行くか?それとも安房トンネル道路を一気に抜けるか?旧道は先年高山から松本に向かって走っている。トンネル開通でほとんどこの道を通る車はないが、かなり厳しい運転を続けることになる。それはそれで面白いのだが、今日のメインエヴェントは新穂高ロープウェイ。天気も良いので一刻も早くそこへ達したい。トンネルルート選択を決する。
このトンネルを通るのは初めて。総延長約4.3kmの有料道路である。上高地と高山方面の分岐点でトンネルに入りわずか5分程度で平湯に出てしまった。旧道の山越えなら30分くらい要するから750円は決して高くない。
平湯に出ると直ぐに158号線と別れ北上する471号線に道をとり、栃尾で475号線を東にしばらく行くと新穂高ロープウェイの駐車場に行きついた(11時5分着)。目の前に峩々たる雪を抱いた山々。こんなに早く着けるとは思ってもいなかった。おまけに空は快晴だ!
(写真はクリックすると拡大します)
(次回;新穂高展望台)
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