2018年6月19日火曜日

ドイツ周遊3000km-6



-バス、鉄道、船、乗り物三昧の9日間-


6.ライン河を下る-1
ドイツ旅行への期待は、乗り物、ヒトラーの史跡・戦跡、冷戦の跡、次いで建造物、の順である。この日(521日(月))は、いきなり第一希望、アウトバーン初体験とライン河クルーズがある。両方ともあれこれ楽しむ策を練ってきた。朝食は6時半から、ホテル出発は715分と早いが、連泊のため荷物のパッキングは不要、日常とさほど変わらぬペースで朝の時間を過ごす。昨日は移動の疲れと頑張って夕刻の散策もしたので、時差ボケもなく爆睡した。そしてこの日の天気は快晴、湿度も低く爽やかな陽気、当に観光日和そのものである。今までのツアー2回は20名足らずだったので概ね一人で2座席利用し、自由に選べたが。今回は31名もいるので、前2列は3組のカップル(6人)の指定席となり、日によってこれを変えていく方式。どうやらツアー申込順のようで、この日それに選ばれたのはラッキーだった。アウトバーンとはいかなるものかをつぶさに観察できるからである。
予め用意したのはミシュランの道路地図と磁石である。全ドイツを裏表一枚で表すためいささか大まかではあるが、大都市中心部を除けば、路線番号やインターチェンジ(IC)番号がきちんと記されているので、どこを走っているのかすぐわかる。この地図と前方に広がる風景を眺めながら、ドライバーの操作を観察していると、自分がアウトバーンを疾走するように気分に浸れる。ただ、いくら前が空いていても、右端車線(右側通行)が開けていると必ずそこを走る。右端のみが走行車線で左側は2車線あっても追い越し車線なのである。因みにバスは真っ赤なベンツのダブルデッカー、パワーは充分で追い越しに無理がない。運転手は三か国語(ポ・独・英)を操る中年のポーランド人。運転技術は見事なものだった。このクルマとドライバーは、途中他の交通機関を利用する時や時間外を除き最後まで同道することになる。
バスは定刻7時にホテル前を出発、直ぐに66号線に入る。ホテルが市街の西郊に在ったこともあり、直ぐになだらかに起伏する緑一面の畑地や牧草地がつづく田園地帯を西に向かって進む。月曜だと言うのに車の量が極端に少ない。片道3車線をまるで独走していようだ。と思っていたらそれを見透かしたように前の席に座る添乗員のFSMさんが「今日は聖霊降臨祭の日です。従ってトラック輸送は(日曜・祭日)禁じられているので、道が空いているのです」と車内放送で説明してくれる。「日本でこんなシスレムを(働き方改革で)採用したらどうなるだろう?」 しばらくすると道路表示板に“Mainz”が現れ、道は42号線に変わり、さらに西進する。看板の類が一切ない晴天の下の緑野を進む気分が心地よい。この辺りから案内を現地ガイドのITOさんと言う中年女性が担当。これから向かうリューデスハイムについて説明がある。先ず、ライン下りの起点であること(実際にはかなり上流からライン下り観光は各種あるのだが、最も人気のある部分はここから発してローレライの岩の先まで)、昔からワインの取引で栄えてきた町であること、船の出発まで1時間くらいあるので、(観光としては)早朝ではあるが町を散策すること、我々のためにワインセラーが開いておりそこに案内すること、などが伝えられる。このワインセラーや飲み屋街の件は、ツアーの募集案内や第2回で紹介した「ドイツものしり紀行」にも載っていたので、来る前から「試飲できるならここでお土産のラインワイン(白)を調達しよう」と考えていた。
バスがアウトバーンを離れ一般道に下りて船着き場前に着いたのは8時。1時間足らずの短いドライブだが、ドイツの道の感覚がつかめたような気がしてきた。

写真上から、ミシュラン地図、走った道の一部、アウトバーン

(写真はクリックすると拡大します)

(次回;ライン河を下る;つづく)(メールIDhmadono@nifty.com


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