2018年6月22日金曜日

ドイツ周遊3000km-7



-バス、鉄道、船、乗り物三昧の9日間-


6.ライン河を下る-2
リューデスハイムは古くからのラインワインの集散地かつ数多くあるライン下りの起点と前回書いた。いずれの観光案内書にもそうあるから相当大きな町かと思ったが、船着き場は郊外電車の踏切の先にちょこっとした桟橋が在るだけ。そこから町を見上げると、周辺はすべて葡萄畑、いわゆるラインガウ(Rheingau;ライン右岸地方;Gauは小国の意)である。ガイドブックにはドロッセルガッセ(つぐみ小路)と呼ばれる飲み屋街?が有名とあり、バスもこの近くに停車して我々を降ろした。午前8時、おまけに祭日の飲み屋街はいくらワインの町と言っても開いている店は全くない。しかし、観光客はアジア人が幾組もおり(中国本土は無かったが、タイ人や中国系と思しきグループが居た)、ここで記念撮影に余念がない。船の出発時刻は915分。船着き場前集合は9時だからその間この界隈で時間を潰すことになる。
ガイドに案内されたのは飲み屋街を少し東に向かって上った所にあるワインセラーPROST。日本人が経営し、旅行会社とタイアップして、我々のような日本人観光客対象に商売をしている店である。昔はこういう店は避けたものだが、最近のツアーでは飲食物に関しては、気軽に試食・試飲できることから、逆に積極的に利用するようにしている。
今回も早朝から地下の酒場がオープンしており。ふんだんに試飲が出来、日本人店員(ソムリエ?)が丁寧に対応してくれる。ドイツの白は甘口が優れていると言われるのだが、白に限らず甘口は好みでないので専ら辛口を飲ませてもらう。自分の好みとあの人この人とお土産を渡す人を思い浮かべながら、中辛口のカビネット(Kabinett)というブランドを注文した。実はこのワインは既に長野県上田に大量保存されているらしく、帰国を待って直ぐに届いた。
時間があればワインにまつわる見所がいろいろあるようなのだが、それほど余裕はない。観光客以外はまだ眠っているような街をしばらく散策し、9時に乗船口に並ぶ。船はここが始発。上流に頭を向けて舫ってある。細かいところまで行き届いた説明がある紅山雪夫著「ドイツものしり紀行」によれば、景観を楽しみそれを写真に収めるには前方右の船端に席を取ることを薦めている。ツアーの仲間は添乗員の案内で何故か後方のオープンデッキに向かうが、我々はガイドブックに従うことにする。既に最前方はアジア人グループに占められていたが、幸い良い位置に自分で持ち運びできる椅子をセットすることが出来た。
桟橋を離れた船はひとまず上流に向かい、河幅と行き交う船のタイミングを見てUターンする。河中から町を見れば葡萄畑の中の一角にすぎないほどの規模だ。河から緩やかに北へ上る南斜面はすべて葡萄畑。これに河面から反射する太陽の光と熱でワインに適した葡萄が育つのだと言う。遥か山頂には1871年のドイツ統一を記念して建てられたニーダーヴァルト記念碑が遠望できる。
のどかな陽光と適度な微風の下いよいよライン下りが始まった。

写真上から;飲み屋街入口、ワインセラー、購入ワイン、早朝の街、船から見た町、葡萄畑

(写真はクリックすると拡大します)

(次回;ライン河を下る;つづく)(メールIDhmadono@nifty.com


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