11.民宿えび屋(Private inn Ebiya)
申込み前に見た、この旅行紹介パンフレットに、3泊目は「民宿えび屋またはそれ相当」とあり、“民宿”に表記に大手旅行社の用意する宿泊先として、いささか違和感を覚えた。現役時代の職場レクリエーションや海の家ならともかく、それなりの参加費でおまけに1人部屋加算料金を払って一体どんな所に泊ることになるのだろう。一週間前に送られてきた旅程表にも、「洋室または和室※バス・トイレ無し」と注記がある。心配になりこの宿泊先をネットで調べると、小ぎれいなシングルベッドの洋室があることが分かり「多分こんな部屋だろう」と一先ず安堵した。
“民宿”が在ったのは、漁港を前に道路を挟んだ所、横長の大衆旅館といった佇まい。玄関を入ると右に畳の大広間、左は土間でその先は炊事場、帳場はその一画で直ぐにはそれと分からぬ簡単なもの。確かに旅館よりは民宿が相応しい。何度か改築・拡張したらしく二階の自室まで案内が必要だった。部屋は期待通り洋室シングル、漁港側で前が開け気持ちが良い。トイレ・洗面は共用だがいずれも新しく清潔、数も十分ある。一階の風呂場も5,6人は入れる広さ(ただし朝はシャワーのみ)、旅行社が選ぶだけの設備を備えている。
部屋に在ったこの民宿紹介の小冊子によると、もともとはこの地の網元、1970年代初期に民宿を始め、今日に至ったとある。割烹料理店を兼ねており、その名物は伊勢海老料理、屋号はそこからきているのだ。女将さんは中年女性、先代の転業あるいは兼業といったところだろうか。島の主要産業は漁業のだが、拡張を繰り返しているところをみると、先見の明があったわけだ。
手早く風呂を済ませ、18時15分から夕食。場所は玄関横の大広間だが、ここも四角ではなくクランク型に奥に延びている。私たち一人組の席は炊事場に近い場所、サービスの段取りがいい最高の位置だ。
旅程表に書かれた夕食キャッチコピーには、「五島近海の海の幸満載「会席大漁旗膳」」とあり、その通り“五島牛すきやき”を除けば、すべて地産魚介類。調味料はだし醤油・お刺身醤油・ゆずポン酢などが揃い、メニューの裏に使用法が書かれる親切、どれも美味しくいただいた。しかし、問題はその量。昼食の五島うどんと海鮮丼は優に二食分、すべてを片付けることは出来なかったのは残念!
翌朝、朝食前に付近を散策してみた。民宿の位置は深い入江の最奥部、東へ向かうと複雑な形で外海につながっている。それはそれでなかなかの景観だ。朝食は無論海産物ばかり、“民宿えび屋”を満喫した。
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