2009年2月1日日曜日

滞英記-16

Letter from Lancaster-16
2007年9月10日

 7日から大変センセーショナルな報道が始まっています。この地に到着時ニュースを独占していたのは、マドレーヌと言う4歳の幼女が、ポルトガルの避暑地(英国村のような所)で行方不明になったことでした。国中がこの事件に関心をもち、ランカスターの街中でも写真を配るボランティアがいたほどです。ベッカムもTVで協力を呼びかけていました。それが、6日ポルトガル警察が母親を“Suspect(被疑者)”として取調べ(非拘束)を始めたというのです。容疑は“意図せぬ事故死に関与”だそうです。TVで涙ながらに娘を語る彼女の姿が、皆の同情をひと際ひきつけただけに、“なに!?”と言う感じです。
 大学はまだ始まってはいませんが、大分学生が出てきています。留学生が多く、最大のエスニックグループは中国人だそうです。そんな中で、先週のゼミの帰り、大学内のバス停で日本人母子に会いました。子供が突然日本語で話し始めたので分かったのです。サバティカル(大学教員の研究休暇)で来ている家族のようで、4月から市内に住んでいるそうです。少し話をしたかったのですが、来たのが二階バス、私は一階に席を占めましたが、子供は当然二階、残念ながらお母さんとの会話もバス停で終わってしまいました。
 残すところ一ヶ月、ボツボツですが引き揚げ準備にかかっています。不動産屋とチェックアウトの日時を決め、やり方の確認をし、市役所にも出向いて最後の税金の確認、転出届用紙の入手、など始めています。借りた部屋は割と良い物件のようで、早くも次の希望者が下見に来ました。直ぐに次が見つかると、先払いの家賃が幾ばくか帰ってくるとのことです。ユーティリティーの締めは個人でと言われていましたが、チェックアウトの当日不動産屋がメーターを確認し、精算はデポジットの中でやってくれることが分かり、銀行口座の無い私はホッとしました。ただ、電話は依然個人ベースなので、少し早めに(多分9月20日頃)こちらからかけるのは、メールを含めストップする予定です(固定料金は11月まで先払いしてあるので、10月初めに来る請求書で全て精算が済むように)。
 英国出発は、チェックアウト二日後マンチェスターからなので、二晩ホテルで過ごす予定でいましたが、Mauriceが「お金を使うことは無い!うちに泊まれ。ベッドルームが四つもあるから(ただバスルームは一つだけどね)」と言ってくれています。バーバラ夫人に話す前の好意ですから思案中です。
 先週お送りした<世相点描>に関連して、英国の環境問題対応についてご質問がありました。実は、チェックアウトとごみ処理と言う身近な問題もありますので、今回はこの国の環境問題を<英国、環境先進国?>と題してお送りします。

 研究の方は、「Britain’s SHIELD(英国の盾)」を読み終えました。内容は、瀬戸際で英国が持ち堪えた、1940年5月から始まり10月に勝敗が決した、独空軍と英空軍(戦闘機軍団)の戦いを、レーダー開発を中心に、防空対策を“システム”として捉え、これ(システムしての完成)へのORの貢献を掘り下げたものです。チャーチルの一言「これほど少数の人々に、これほど多数の人間がお陰をこうむったことが、歴史上有っただろうか?」と戦闘機パイロットを称えたことから、真の勝利の貢献者“防空システム”の正しい評価が陰に隠れてしまったことを糺す初めての書と言えるものです。
 この書物からの収穫は、①防空システム完成に至るORの役割、②防空システム開発・構築を、信念を持って推進した、空軍省防空委員会(ティザード委員会)を主宰したティザードの考え・行動、③軍の側でこれを支え、戦いに勝利した戦闘機軍団長、ダウディングの人となり(最大の貢献者が、大事な意思決定の場で如何に判断を下したか、最後に左遷に等しい処遇を受けた背景・理由など)、を体系的に理解できたことです。
 先週もチョッとご紹介した次の資料は、空軍省(後に国防省に統合)のORに関する公刊史「The Origins and Development of Operational Research in Royal Air Force」(Mauriceが研究のためにフォトコピーした)です。今までの資料と違い、かなり味気ないものです。しかし軍の組織や軍人の地位・役割が明解なこと、データ・情報の信頼性が高いこと、軍側から科学者を見るという視点、他の軍(陸海軍のOR)との関係など、今までのものにないユニークなものです。そこで従来頭から読んで整理したものを、少しやり方を変えようと思っています。例えば、特定(公史に残る)の人間に着目しその人物がどの局面に現れるか(試しに、“ORの父”と言われるブラッケットをこのやり方で整理してみると、OR適用の嚆矢となる“バトル・オブ・ブリテン(英独航空戦)の具体的なOR活動に全く出てこないことが分かりました。そこでMauriceに「ブラケットは防空システム開発・運用には表立って活躍していないね?」と問うと、「その通りだ」との答えが返ってきました。これによりブラケットのOR活動を、どこからスタートすべきかが整理できます。もう一つは、作戦策定・推進の責任者(軍人)とその科学アドバイザーとの関係を整理することです。特に、個々の“職務と人間関係”が如何様だったかが見えてくれば、“ORと意思決定の関係”が“非数理的”なものと“数理的”ものの組み合わせパターンとして整理できるのではないかと思っています。第三は、前項と関係しますが、官僚機構の中の処遇(階級や職権)に焦点を当て、建前上如何なる扱いを受け、それが意思決定にどう影響したかを考察したいと考えています。
 さらに次の資料が来ています。「The Effect of Science on the Second World War;Guy Hartcup著」です。第二次世界大戦時陸軍に所属した歴史学者の書いたものです。10章から構成される中にORに一章が割かれ、“New Science”として書かれている他、戦時における科学者の組織上の位置づけなどの章があり、かなり私の研究に新たな情報を与えてくれそうです。ユニークなのは“医薬”に関する章で、これにより負傷兵の回復・戦場復帰が如何に高まったかを記述しています。戦争をこういう角度から見ることの重要性は、実はバトル・オブ・ブリテンにもあるのです。英仏海峡で撃墜されたパイロットを救済するシステムまで備えて戦った英国は、士気の面でも、効率の面でもドイツを圧倒できたわけです。
 それにしても次から次に面白い資料が出てきます。意思決定の結果がはっきり出る“戦争と科学の関係”を多くの人が研究し、それを著していることにびっくりします。ここへ出かけてきたのは大正解でした。“戦争と道楽だけは真剣にやる英国人”に感謝です。

<英国、環境先進国?>
 “ロンドンの霧”は映画や歌でお馴染みです。推理小説の舞台にも欠かせません。しかし、これは英国特有の風物を作り出し、メリーポピンズでは重要な仕掛けになる、あのチムニー(煙突)から排出される暖炉からの煙と冬の天候が作り出した、いわば排気ガス公害だったのです。とにかくこの小都市ランカスターでも、ものすごい数のチムニーです。今は全てが使われているわけではありませんが、全盛期はあそこから石炭(田舎では薪ですが)を燃やした煙が、色はともかく(英国の石炭は良質で、無煙炭が多かった)、CO・CO2を煤塵も一緒にモクモクと冷えて湿った大気の中に排出した結果、スモッグ(Smoke+Fog)が発生したわけです。
 家庭だけではありません。産業革命(基本的には動力革命)はこの地から発しましたが、動力の基は蒸気、蒸気を作り出すエネルギーはやはり石炭です。今とは絶対量が違うものの、都市も工場地帯も大気はドロドロに汚染されていたのです。
排出ガスから汚染物質をとり出す技術の無かった当時、唯一の解決策は緑を確保することです。都市に集中する人口が無秩序にスプロールするロンドンで、遠大な緑化計画が始まったのは1938年成立のロンドン・グリーンベルト法以降ですが、その努力が実り環状高速M25の外側に見事な緑地帯が広がっています。
 日本が高度成長期にある時(’60年代)、TV番組で、都心から見渡す限りつづく低層住宅の写真を見て、英国人の都市問題専門家が「Terrible(酷い)!」と叫び、その後にロンドンのグリーンベルトが出てくるシーンを観たことがあります。私も“Terrible”に納得しました。
 このように、英国は環境保全に異常な熱意で取組む国、との思いを抱いてここへ出かけてきました。“家を借りる際、これで苦労しないと良いがな”と。

 今年の“Summer Flooding(洪水)”は私自身も、コッツウォルズで体験しましたが、記録的なものでした。今でも多くの人がトレーラー・ハウス暮らしです。また、あの口蹄疫も、今週明らかにされたところでは、動物伝染病研究機関か隣接する動物向け医薬(ワクチン)研究所の排水施設からリークしたウィルスが、大水で拡散した結果と報じられています。
 この洪水は何処に原因があるのか?多くの専門家が“地球温暖化説”を開陳しています。東南欧の猛暑、特にギリシャの山火事、も“地球温暖化説”と関連付けて話題になっていました。
 ロンドン・ヒースロー空港は欧州でも一、二を争う多忙な空港です。発着便の遅れは常態化しており、私も当地到着時、乗継便が離陸出来ずマンチェスター入りが大幅に遅れました。BAA(British Airport Authority)は滑走路の新設を発表していますが、当然反対運動が起こっています。その中で最も過激なのが“地球温暖化防止”派で、空港の一部を占拠し、家まで作ってしまっています。
 ただ、メディアでの環境関連報道は決して多いとは言えませんし、特集のような番組にもお目にかかっていません(犯罪が多い)。大体、上に書いたような大きな事件との関連として出てきているように感じます。
 政府の取り組みも、メディアで観る限り熱心に取組んでいるようには思えません(大きな政治課題として“Green Tax(環境税)”の問題があるのですが良く理解できていません)。
 製造業が弱いことが幸いして、他の国ほど深刻ではないのかな?と皮肉な見方までしてしまいます。

 さて、それでは身近なところはどうでしょうか?
1)自動車
 自動車の数は、ほぼ一家に一台。タウンハウスが並ぶ街は、道路の両側にびっしり車が並んでいます。みなよく車に乗ります。スーパーではお婆さんが一人で買い物に来ているのを見かけますが、大体車を自分で運転しています。休みの日には、車で出かけるのを楽しみにしている人も多く、いろいろな装備(特に、自転車やキャンピング)を着けて走っています。高速道路もトラック走行規制があるので走り易く、都市の中心部(平日)と観光地の駐車場周辺(休日)を除けば渋滞など殆どありませんから、ドライブを趣味にする環境が整っています。人口は日本の半分ですが、自動車数×走行距離は同じかそれ以上でしょう。
車の種類に、日本および欧州大陸と著しい違いが、それぞれ一点づつあります。
①日本との違い 小型ハッチバック車が圧倒的に多いこと。殆どの家庭が持つ車は、日本ではマーチ、ヴィッツ、フィットに相当する車です。ルノー・クリオ、プジョー207、ボックスホール・アストラ、フォード・フェスタ、VWポロなどが好まれ、エンジンの排気量は1000ccから1400cc程度です。日本では圧倒的にミニバンが多く、エンジン排気量も2リッターを超すものが多くなってきています。この点では英国の方が、環境に優しい自動車の持ち方・使い方をしていると言えます。
 それにしても、ミニバンの異常な普及とエンジン大型化は、自動車先進地域の欧州から見た場合、かなり異形(奇形)な自動車文化と感じます。
②欧州大陸との違い 欧州大陸に出かける機会の少なかった私に、決定的なことは言えませんが、自動車雑誌からの知識や一昨年暮のオランダ、ハンガリー出張での経験に基づけば、小型車の普及に関しては英国と大陸に違いはなさそうです(ドイツは少しドンガラもエンジンも大きい気がしますが)。しかし、全く違うのが、ディーゼル乗用車の少なさです。タクシーを除けばほとんど走っていません。だからと言ってハイブリッドエンジン(BBCで一度プリウスの紹介が短時間ありましたが)や電気自動車に関心が集まっているわけでもありません。

 世界の大きな流れの一つ、小型ディーゼルに何故英国人は関心が薄いのか?は大いに気になるところです。“楽しい走り”は、実用エンジンに関する限り未だガソリンエンジンに分があります。楽しみを取るか、環境を取るか? どうも前者にウェートがかかり、“あまり環境問題に関心が高くは無いのではないか?”と感じているのです。
 英国がイニシアティブを持つF1は依然ガソリンエンジンですが、フランスで開催されるルマン24時間レースはディーゼルに有利なレギュレーション。今年はアウディ(ドイツ)がディーゼルで圧勝しています。「奴らがディーゼルなら、こっちはいつまでもガソリンだ!」頑迷な英国人の声が聞こえてきます。
 でも、ガソリン代がおよそ日本の2倍ですからその面で、当然消費に歯止めはかかっているはずです。
注:ディーゼルが何故環境に優しいか;乱暴な言い方ですが、燃料利用効率がガソリンより良いからです。技術(特に電子制御とコモンレールといわれる混合気圧縮技術)進歩で騒音・振動も著しく改善されています。

2)水道料金と環境問題
 自宅の光熱費すら知らない私ですから、ここでのそれを絶対的な基準で比較することなど出来ません。また水、電気、ガスを同一尺度で比較することは不可能です。そこで、今まで支払ってきた光熱費を相対的に比較し、そこから環境問題に触れてみたいと思います。
 光熱費の支払いは固定部分と使用量比例部分から成ることは請求書からみてとれます。全体に使用量比例部分が大きな割合を占めます(電話は固定部分が大きい)。水代は下水処理を含みます。請求は基本的に四半期ベース(3月末、6月末、9月末、12月末で締め、翌月初めに請求)です。ただ、ガス代は私の手違いで6月末の請求が来ず、8月末と言う中途半端な時期に請求書を受け取っています。
 期間を均して請求金額を単純に比較すると、水:電気:ガス=6:3:1くらいになります。
先ずガスですが、炊事と風呂が主体です。洗濯物の一部を乾かすためや寒さが堪らず短時間生かすことがあります。電気は照明が主で、洗濯機週二回、電子レンジを毎日、掃除機週一回、電気オーブンは月一回くらいです。水は、風呂(バスタブ)に毎晩入っています(多分これは英国人と大きく違うところでしょう)。シャワーが別のバスルームにありますが使いません。他に洗面、トイレ、炊事、洗濯で使います。水代が一日約2ポンド(500円)もかかっています。基準が無いので分からないのですが、これはかなりかかっていると感じています。
 水利用が種々制約をうけていることと料金が高いことは、ガイドブックや滞在記で目にし、実感もしています。特に、ホースによる洗車と庭の水撒きです。どうやらこれは禁止されているようです。先日フラットに、“自動車クリーニング屋”が来ていました。バンに一切の仕掛けを積み、水を外に流さず車をきれいにしていくのです。家庭からの水質汚染と省水資源はこのような制約で、かなりコントロール出来ていると推察します。
 この国には大きな川は流れていません。緑野には木がほとんどありません。牧草地の下は石灰岩です(だから簡単に石材が取り出せる)。つまり表層を除くと、土地にほとんど保水力が無いのです。雨は年間を通じれば先ず先ず降るのですが、牧草地に絶え間なく水撒きをしているような調子で、ドカッと貯めておけるような降り方をしません(貯水地はありますが)。逆に“水に流す”と言う環境が無いとも言えます。そんな訳で、水質汚染に関する環境問題は今度の洪水まで表に出てこなかったようです(炭鉱に関する問題はあったようですが)。大水対策(排水が悪く、汚染が酷かった)はこれから始まる課題です。
 “水と安全はタダ” (日本人とユダヤ人;イダヤ・ペンダサン著)と思い、面倒なことを“水に流す”日本人とは根本的に“水思想”が異なるのはここだけでなく、大河が多くの国を貫く大陸でも共通で、水が資源化する時代、請求書を眺めながら、日本の自宅での、水の浪費を大いに反省しています。

3)ごみ収集とリサイクル
 フラットを借りるとき、一番気になったのはごみの収集です。日本でも最近は分別収集が細かく決められる方向にありますが、その先駆者はドイツです。TVなどで紹介される、分別収集とリサイクリングをみると“よくここまでやるなー”と感心します。  英国も欧州だから同じレベルにあるのだろう。だとするとルールをしっかり理解しておかないといけないが、誰がどのように説明してくれるのだろう?これが最大の心配事でした。下見の際、不動産屋の案内者(おばさん)に「ごみを捨てるのは何処で、どのようにすればいいのかな?」と問うと、「? ごみ?」「あぁ そこのごみ用のビン(ゴミ箱)に何でも一緒に捨てればいいのよ」、とフラットの外れに設けられたごみ箱コーナーに案内してくれました。そこには大きな緑色のゴミ箱(私の背の高さでは底が見えない)が3個置かれ、その中に黒い袋(これは市指定の一般家庭用)やスーパーの買い物用ポリエチレン袋に入ったごみが沢山放り込んでありました。帰りに別の棟のゴミ置き場を見ると、何と!ソファーがごみ箱に入らず、外に置かれています。退居者が捨てていったもののようです(これはさすがに後で問題が出たようで、自治会(?)から警告が出ていました)。
 週に1回(水曜日)、大型のゴミ収集車がやってきて、ごみ置き場近くに後部から接近すると作業員(運転者を含め3人)が、ビン(下部に4つのキャスターが付いており、ごみ置き場から道路へ引き出せる)を車の後部に運びます。それを特殊なクレーンで吊り上げ、逆さまにすると中身が収集車の中にドサッと取り込まれます。空になったビンを元に戻して終わりです。全部で3分位でしょうか。アッという間です。この後の処理は分かりませんが、TVなどで観ていると、野原の広大なゴミ捨て場に、袋に入ったまま捨てられ、ブルドーザーで土を被せていました。
 これは我が家のごみ処理の現状ですが、既にランカスターでも分別収集が始まっています。7月末このフラットの住民宛にその計画書が回ってきました(ただこの計画書はタウンハウスを含む個人住宅向けで、集合住宅に住む我われにはそのまま適用できないと思います)。それによると各家庭にキャスターの付いたグレーの比較的大きなビンを配り、その中にリサイクルごみを入れる、三種類の蓋つきの小型ボックスを入れておく、というものです。小型の三種類は多分、プラスチック、金属、壜用でしょう。そしてグレーの本体にその他のごみを入れることになると思います。これ以外に庭のごみを処理する緑色のビン(グレーと同サイズ)を配るから、希望者は申告するようにとなっています。これらの容器は8月中旬から配られ、分別開始は9月17日からとなっています。そして、近所の個人住宅には既にこのビンが配られます(我が家の周辺のほとんどの個人住宅は、グレーと緑の二つ)。この大きさのビンをフラット各世帯に配ると、自宅内に納められる大きさでは無いので前の道が大変なことになります。何か別の容器が用意されるのではないかと推察します。しかし現時点では何も配られていないので、出来ればチェックアウトが終わってから始めて欲しいと願っています。
 この配布文書によると、リサイクル率は2002年度の6%から現時点で25%に達し、“Huge Success(大成功)だ”と言っています。よく買い物をする、Sainsbury’sと言うスーパーでくれる買い物袋には“This bag is made from 33% recycle material”と印刷してありますし(軽い罪悪感とともに、これにごみを入れ “みんな一緒”にビンに投げ込んでいます)、たまごのパックも紙のリサイクルです。
 田舎の中小都市ということもあるのでしょうが、繁華街を歩いていて道路に目立つごみが捨ててあるのを見かけません。ゴミ箱は何種類かあり、上記の分別基準に従っているようです(ただ、“その他”のゴミ箱に分別すべき物などが見え隠れしていますが)。食べ物の残し方もアメリカほど酷くありません。アメリカの事情を知っている人は、皆あの乱雑な残飯の話をします。食べる物は不味くても、後始末はきちんとしています。アングロサクソンと一括りにされることに抵抗もあるようです。私も、生活感覚は我われと意外に近い感じがしています。

 このレポートを、ラグビー・ワールドカップ;オーストラリア:日本戦を観ながら書いています。初めて、こんなに長く日本人をTVで観られ感激です。残念ながら勝負は一方的です(91-3!)。体格が違いすぎます。大人と子供の戦いです。しかし、体の小さいことはあらゆる資源の節約に繋がるはずです。環境問題が厳しくなればなるほど、我われに有利な世界が出現する可能性を期待しましょう。
以上

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