36.休日割引を走る
5月23日、日曜日。朝ホテル7階の食堂から見下ろす道路は雨に濡れている。しかし、道を行く人は傘をさしていない。今日はこの半島を去る日。一気に横浜まで走る予定なので、酷い雨だけは勘弁して欲しい。そんな願いはどうやら叶えられそうだ。
帰路のルートをどうするか?このグランドツーリングの重要課題だった。例の休日高速料金割引の適用を最大限利用し、かつ出来るだけ走りを楽み、さらに運転時間を短く、と言う条件をバランスさせなければいけないからである。
高速割引を最も享受出来るルートは、阪和道→阪神高速→名神→東名と言うルートだが、阪神高速と名神のインターチェンジがある吹田は渋滞の名所、そこから名古屋までも何ヶ所か渋滞多発地帯がある。それに大阪市内を高速で抜けるのも難儀だ。何度か過去に走ったが景色も町も滋賀県内を除けば気分が和むような所は無かった。新名神にはチョッと惹かれるが、次案である東名阪と亀山で合流するので、それならショートカットの名阪中心のルートの方が早い。
次案はそのショートカットコースである。阪和道→阪神高速までは同じだが、阪神高速を大阪環状手前、松原JCTで西名阪に分岐しその終点天理で名阪道につないで、亀山まで走って、東名阪に乗り四日市JCTで伊勢湾自動車道→豊田JCTで東名に入る案である。和歌山在住時代紀ノ川沿いの道から大和高田を経て亀山へ出るルートは実家との往復で何度か利用しているが、既にその時代名阪自動車道は天理・亀山間が完成しておりその変わり様を見てみたい気もした。しかし、このルートは休日割引に関しては問題があった。それは名阪自動車道が自動車専用道路ではあるが一般道路(無料)なので西名阪を出たところで一旦高速割引が切れ、亀山で東名阪に乗るところから再び高速料金体系が適用されるため名神-東名ルートより割高になることである。ただ絶対的な料金の差は数百円なのでこのルートを走ることにした(休日の高速料金割引は旧道路公団の道路;今回の検討対象の場合、名神、東名、阪和、西名阪、東名阪、伊勢湾に適用され、阪神高速は適用外。旧公団道路はぶつ切りされ、いずれのルートでも1000円で走ることは出来ない)。
8時半ホテルを出た時には雨は完全に止んでいた。紀勢線のガードをくぐり数分走ると阪和道和歌山IC入口にモービルのSSが在ることを調べておいたのでそこで満タンにした。40.13lだった。前回の給油からの走行距離は420km強、10km/Lは山道を走った事を考えれば上出来である。この燃費ならあとは無給油で家まで帰れる。
阪和道を自分の運転で走るのは初めてである。日曜の早朝、上り車線は空いている。注意するのはパトカーだ。松原JCTへは堺を越えて大阪市内に入るが混雑は無い。カーナビが西名阪へと導いてくれる。今日は長丁場になるので適度な休憩が必要だ。最初の一休みは大和高田の北に位置する香芝PA、駐車場には家族づれのミニバンが多い。
天理までが有料道路の西名阪、そこから国道25号線になるがこれは自動車専用道路なので、走りに変わりはない。渋滞は無いが休日の家族ずれで道は走行車線、追い抜き車線とも切れ目無く続いている。天理を過ぎると景色が変わり起伏が出てくるのと、周囲が山林や田畑に変わる。空が明るくなって陰影がはっきりしてくるのも好ましい。走りを楽しむ区間だ。次の休憩を亀山PAでとった。
ここから再び有料道路の東名阪に入る。昔は、自動車専用道路はここまでだったので、四日市を経て国道1号線に入り幾つもの街中を通ったが、今はその煩わしさはない。東名阪から伊勢湾道路に入ると木曽川を始め大きな川が集中するので橋の連続だ、丁度湾岸道路を東京方面から横浜に向かって走り鶴見のつばさ橋からベイブリッジへつながる感じと似ている。幅がたっぷりあるし走る車も多くないのでついスピードが出てしまう。ちょっと複雑な豊田JCTも難なく通過、東名に入る。浜松SAに着く頃には天気も完全に晴れ絶好の行楽日和。あの広い駐車場がほとんど埋まっている。食堂の混雑は凄まじいばかりだ。
休日なので東名名物の長距離トラックは少ないが、初夏の快適な気候、とにかく自家用車(ワゴン車、ミニバンが)はこの割引を最大限享受しようと走り回っている感じだ。次の休憩地、足柄SAの混みようも同様だった。それでも道路の流れはまずまずで、横浜・町田ICで新保土ヶ谷バイパスに降り、横々道路を経て3時半には自宅に帰り着いた。
通行料金は総額3250円、休憩を含めてかかった時間は約7時間、走行距離558km、翌朝満タンにしたガソリンの量は44.64L、燃費12.5km/L!驚異的な数値であった。
次回は最終回、“グランドツーリングを終えて”をお送りします。
(写真はダブルクリックすると拡大します)
2009年12月29日火曜日
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