計画検討当初から、この日(7月10日)の予定ははっきりしていなかった。前日の釧路湿原で過ごす時間が読めなかったのと、帯広を中心とする十勝平野の見所が、紫竹ガーデン以外絞りきれなかったからである。もし前日湿原で充分時間が取れなければ、翌日午前を費やしてもいいようにしておいた。宿泊先もはじめは帯広駅付近を考えたが、魅力に乏しい。せめて美味しいものでもと思ったが、名物“豚丼”の写真は見るだけで食欲を殺ぐ。そんな中で見つけたのが、帯広と富良野の中間にある新得(しんとく)のラム料理を売りものにする農場ペンションだった。こうしてこの日のゴールだけは予め決まっていた。
当日は朝から好天、湿原は前日堪能できたので、フルに帯広・十勝観光に使える。朝食前に手持ちのガイドブックで、急遽プランを検討。分かってきたのは紫竹ガーデン以外にもこの地方に多くの庭園や森林公園があることだった。何と、ここから富良野、旭川に至る“北海道ガーデン街道”の七つの名物庭園のうち五つがルート上にあるのだ(他の二つは既に訪れた富良野の“風のガーデン”、これを作った旭川の“上野ファーム”)。これらの庭園・公園を巡ることにこの日を費やすことにした。
事前調査では釧路から紫竹ガーデンまで約150km、5時間弱かかることになっている。しかし道内を走った実績から、おそらく4時間くらいで達することができると読んだ。一ヶ所で見学に1時間かかるとして5時間。そこから新得までが60km弱、これもNAVITIMEの予想では2時間だが1時間半で行けるだろう。それでもトータル10時間半。8時半に出ても到着は夕方7時になる。予約した夕食時間は7時なので何かあるとチョッときつい。そこで訪問個所を4ヶ所に絞ることにした。落としたのは植木を中心とする真鍋庭園。訪れるのは東から西へ、十勝ヒルズ→六花の森→紫竹ガーデン→十勝千年の森である。
釧路からの道路は富良野を経て道央の滝川まで通じている国道38号線、先では7日・8日に走った花人街道(237号線)とも重なる道だ。出発は9時になったが、日曜の朝で空いている。ここから帯広までは海岸沿い・平野部を進むので高低差は極めて緩い。根室本線と併走するので時々集落が現れ、速度制限が変わる。生活のための車(主に軽自動車)とも行き交うので、昨日のように唯我独走と言うわけにはいかない。幕別で国道を離れ、地方道を南西にしばらく進むと、広々とした農地につながる緩やかな小丘陵が見えてくる。その頂一帯が十勝ヒルズであった。
大きな門柱の先に広い駐車場があるが車は一台もいない。高い生垣の先が庭園のようなのでそこまで行ってみると、生垣の裏に小駐車場があり十台位駐車している。“Welcome to 十勝ヒルズ”(写真上)。到着は11時過ぎだった。
十勝ヒルズは個人が経営する観光庭園。この丘の上から北西方面が開けており、そこにお花畑や庭園が広がる(写真中)。遥か先には帯広の町、更にその先に十勝連峰の山並みが望める。庭園全体は幾区画かの小庭園に整理されており、季節によって約1000種の草花が楽しめるようになっている。しかし、基本は自然と景観とのマッチングを重視するイングリッシュガーデンの系統で、整然と区切られたお花畑然としていないところが好ましい(写真下)。結論を先に言ってしまえば、四つの庭園・公園の中で最も自分の好みに合っていた。
(次回予定;六花の森・紫竹ガーデン・十勝千年の森)
(写真はクリックすると拡大します)
2011年9月10日土曜日
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