-磐梯・吾妻・奥只見を走る-
9.只見川に沿って
今回のドライブ行は“只見線に沿う252号線を走ってみたい”ことがメインテーマである。いよいよその252号線に向かうのだ。喜多方のラーメン屋を出発する前にセットしたのは、会津若松から一本になっていた国道49号線(越後街道)と252号線(沼田街道)分かれる会津坂下(ばんげ)に在るゼネラルのSSである。これ以降は当分E/M/Gのガソリンスタンドは無いので、ここで満タンにして、次はほとんどSSの無い352号線の取っ掛かりに在るシェルを予定している。
ラーメン屋を出る再度459号線を旧米沢街道に戻り、市の中心部を南下して、喜多方駅をかすめて、県道21号で会津坂下へ向かう。地形は平坦、市街地を離れると畑の中をしばらく行く。面白味の無い道だが、交通量が少ないのがいい。やがて国道49/252号線に突き当たり、4車線の道を少し西へ進むとスタンドが見つかった。満タンでも17.35Lと僅かだが、これからの山岳路ドライブへの安心感が違う。
ここからさらに数キロ西行、49号と分かれて左折し252号に入る。道は片道一車線ずつになるが、思ったより高低差は無く、道路に沿って小集落が続き、秘境イメージには遠く、チョッと拍子抜けだ。しかし、前を中型トラックが走っているだけで交通量はめっきり少なくなり、ときどき只見線と並行するが列車を見かけることも無い。それどころか人の気配さえほとんど感じることがないので、その点では過疎地であることを痛感させられる。沼沢湖手前でトラックと別れるとあとは単独行。その先の会津川口にはやや街の雰囲気があったものの、そこから先は何も無い。道はいたるところで昨年夏の集中豪雨からの復旧工事で、時限信号や交通整理人による片側通行になり、地上高の低い車では腹を擦るのではないかとハラハラさせられる。それに加えて雪囲いの暗い洞門、只見川に接する断崖が続く。標高がそれほど高くは無いので紅葉もまだ“色づき始め”。曇天下ではその僅かな色模様もさっぱり冴えない。
そんな走行を続けて只見ダム横の展示館に着いたのは3時。受付には若い女性が一人だけ。見学者は我々以外誰もいない。発電所も見学できると言うがそれほど時間の余裕はないので、田子倉発電所ダム下の発送電設備越しにダムの写真を撮り、宿泊地・銀山平を目指す。ダム下から道は急な上りになり六十里越と言う福島と新潟を分ける峠に達する。この辺りの走りでようやく期待していた山岳路ドライブになるが、辺りは3時というのに暗くなり始めているので、ひたすら小出に向けて走る。
小出周辺に達すると道が錯綜、交通量も一段と多くなる。田子倉を出た時、次の目的地を湯之谷温泉郷入口のシェルSSにセットしており、それを頼りにようやく352号線に出ることが出来た。ここから再び山道を小一時間走らなくてはならない。何とか明るい内にチェックインしたい。シェルのスタンドは直ぐに見つかったが、明かりが消えて、何と休業中!幸い燃料計の指示はまだ半分にも達していない。明日の難所を越えてスタンドの在る所まで走れそうだ。次のセットを奥只見山荘にして走り出すと、ナビの案内は352号線を外れて、妙な方向に誘導する。直ぐに解ったが、それは352号に並行して走る奥只見シルバーラインであった。この道は奥只見ダム・発電所開発のために作られた道路で冬期でも建設車両が走れるよう、そのほとんどをトンネルを穿って作られている。どうやら今ではこちらが銀山平へのメインルートになっているようなのだ。道路はダム建設完了後有料であったが今は新潟県のものになり、無料開放されている。ただ路面の保守が大変なのか、結構荒れている。そこを大型観光バス(奥只見湖観光)や352号線復旧工事のダンプが走るので、暗く狭いそして長いトンネル内走行は極度に神経を使う。
そんな走りを10kmほど続けるとトンネル内に信号があり左側へ抜け出る分岐点に達する(直進すると奥只見ダムに達する)。ここが銀山平へのトンネル出口なのだ。薄暗くなった道は352号線につながっており、そこから少し戻るとナビは352号を離れて、高い雑草が生い茂る草原に導いていく。建物も明かりも見えない。何か間違いではないのか?そんな気持ちになった時、ログハウスが一つ二つと見えてきた。奥只見山荘はそのロッジ村の中に在った。到着は5時。今日の走行距離はおよそ240kmであった。
(写真はクリックすると拡大します)
(次回;銀山平)
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