2013年11月9日土曜日

フランス紀行 南仏・プロヴァンス・パリを巡るー(11)


11.マルセイユ観光
マルセイユ観光の始めは先ず昼食から。場所は定かではないが、大きな交差点の近くでバスを降りて片道一車線程度の道に至るとそこにはカフェ、レストランや個人商店が軒を連ねている。案内されたレストランは日本の都会のように入口が小さなドアーで内部はあまり窺えないようなスタイルではなく、両開きのドアーをいっぱいに広げている。迎えてくれたおばさんも普段着。いかにも大衆食堂という作りだ。表に面した外壁には“Brasserie Les Allees Restaurant”とある。このあと随所でこの“Brasserie”を見かけることになるので意味を質してみると、比較的カジュアルなレストランのことらしい。しかし、それに近いものに“Bistro”もあるのでその違いは必ずしも明確ではなかった(帰国後調べると、Brasserieは“白い”メニューやナプキンがあることに語源があると書いてあった。Bistroにはそれが無いらしい)。Alleeは(これも後で知る)“遊歩道がある公園”の意、確かに前の道はプロムナード風であった。“レストラン庭園亭”である。
店には地元の人と思しき客も居て、観光客相手専用のレストランではないことが分かり、取りあえずホッとする。グループと言っても添乗員を入れて10人、6人と4人に分けてテーブルが用意されていた。しかし、奥にも部屋があり、大勢の場合はそこを使うらしい(あとで中国人の団体が案内されてきた)。
メインディッシュはブイヤベーズ。本場のそれに皆の期待が高まるのを見透かしたように、添乗員のOSNさんが「日本のブイヤベーズとは違いますから」と念を押す。皆「?」と言う表情。前菜はシュリンプカクテル、冷えた白ワインとパンとの組み合わせはなかなか良い。お昼時でもあり、店は直ぐに満席、断わられる客も出てくる。客の入りから見て、流行っているのだろう。昨日と違い日本人だけ隔離された感がないのも嬉しい。
10人分のブイヤベーズを用意するには些か時間もかかる。少し待たされてからいよいよそれが出てきた。「エッ こんなにいっぱい?!」一人ひとりに配られた大きなスープ皿に具がいっぱい。ムール貝・エビ・白身の魚が溢れるほど入っている。スープそのものはシンプルな薄塩仕立て。「ブイヤベーズはもともと漁師の食べていたもの。海から上がり獲ってきたものをあれこれ鍋にぶち込み浜でたべる。マルセイユのブイヤベーズは言わばそのオリジナルを今に伝えるものです」OSNさんの説明に一同「納得」であった。都会のレストランでは高級シーフード料理の一つも元はそんなものだったのだ。そう言えば日本の漁村でもそんな料理?を漁師が食べているのをTVで観たことがある。
食事がデザートに移った頃、金髪の中年女性がOSNさんに話しかけ、二人はしばし席を離れる。戻ってくるとOSNさんが、彼女が今日午後のガイドであると紹介してくれる。前回書いたように、この日はマルセイユで大掛かりな催し物があり、日本語を話せるガイドは全て通訳として動員され、払底しまったのだとのこと。この人はもともと英仏通訳。日本人観光客が多かった時代(1990年代)日本語学習を始めたが、その後急速に日本人ブームが去り、結局日本語をモノには出来なかったのだが、“日本語と関わったことのある人”として今回リリーフ役を観光社から依頼されたらしい。案内はOSNさんとは英語で行い、OSNさんが日本語で我々に説明する形になるとのこと。チョッと手抜きの感無きにしも非ずだが、そのときまでにこの地に強いOSNさんのベテラン添乗員振りを確り見てきたこともあり、不満を訴えるほどのことではなかった。
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(次回;マルセイユ観光;つづく)

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