-八幡平・十和田・奥入瀬・八甲田・白神山地・鳥海を駆け抜ける-
11.フォレスタ鳥海
最終の日行程を考えると、3泊目は秋田・山形の県境に近いところにしたかった。酒田は一度泊まっているから他の場所が良い。翌日は少し山道を走りたい。ここから鳥海高原がクローズアップし、適当な宿として猿倉温泉のフォレスタ鳥海を見つけた。“全室から鳥海山が見える”とリゾートホテルとして口コミの評判が良かったからである。林の中に一棟だけポツンと在るのも気に入った。
夕刻ホテルに到着したが、少し離れた駐車場にはほとんど車が止まっていない。玄関前も広々としたスペースがあり、どこでも止められる。近い方がいいので適当な所に駐車してフロントへ。平日のせいかロビーにも土産物コーナーにも客は見かけない。
4階の部屋はスタンダート・ツインだが昨日のビジネスホテルと違って広々している。窓の下から裾野にかけてはブナ林が広がり、謳い文句のように西日が射しこむ窓の先には逆光の中に暗くなってきた鳥海山が迫る。申し分ない部屋だ。
部屋にユニットバスもがあるが、ここは当然温泉大浴場だ。早速出かける。床・壁は全て石造りで山側はガラス張り、外には無論露天風呂。誰一人いない大きな湯船に浸かると、チョッと大げさだが「日本人に生まれて良かったなー」と言う気分になる。これだけは海外旅行では先ず味わえない。
部屋で、ビールを我慢して一休み。夕食は7時から1階のレストランで摂る。床・天井は木造り、庭に面したガラス壁を通して、ライトアップされた木立に囲まれている。客は総て二人連れ、4,5組しかいないので、適度に席も離れて静かだ。料理はシニア向けの“美味少量「奥郷懐石コース」プラン”と言うのを事前予約しておいた。しかし、席について“お献立”を見ると洋食のフルコース以上に品数がある。「大丈夫かな?」と一瞬心配なる。先ず食前酒で前菜を始める。次いで刺身・山菜あんかけ茶碗蒸しで生ビールに移る。やはり長距離運転の後はこれが一番。千畳敷で昼食を摂っている時、グループ旅行者が飲んでいるのを見て以来「着いたら」の思いがやっとかなう。2杯目は赤ワインに切りかえる。実は今日は44回目の結婚記念日なのだ。家内は飲まないが乾杯する。ポークのアスパラ巻き、魚のグリル、和牛ステーキ、どれも上品な味付けで量も適量。最後の当地名物稲庭うどんも確り片付けられた。“美味少量”看板に偽りなしの内容であった。
朝食も他の宿泊先と違いバイキングではなく、キチンと洋食が供される。新鮮な高原産の牛乳が美味しい。
朝食の後ロビーを徘徊していると壁に掲げられた写真にフッと目がいった。それは皇太子ご夫妻がここにお泊まりになったことを記念するものだった。今回は八幡平とここ2ヵ所でご皇室の方々と同じ所に泊まったことになる。良い想い出が出来た。
29日は朝から晴天。駐車場であいさつを交わした若いカップルは、これから山歩きをするのだと言う。新緑や残雪の残るこのシーズン、本来は何泊かしてリフレッシュする所なのであろう。もう一度今度はゆっくり過ごしに来てみたい所であった。
(写真はクリックすると拡大します)
(次回;鳥海から天童へ)
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