-八幡平・十和田・奥入瀬・八甲田・白神山地・鳥海を駆け抜ける-
13.そば街道を経て(最終回)
法体の滝駐車場で次の目的地としてナビにセットしたのは、羽州街道(国道13号線)が最上川と並行して尾花沢に至る道筋の西側に在る大石田町のそば屋“きよ”である。この一帯に何軒かあるそば屋の一つで、ガイドブックで“遠方のファンも多い”とあったことから決めた。法体の滝からはおよそ120km位のところに在るから2時間半位はかかると読んだ。
出発したのは10時半過ぎ、到着予定時刻は1時。昼食に良い時間である。矢島街道(国道108号線)へ出るまでの道は、山間部を通る地方道、畑地や小集落が現れるが、ほとんど道路標識が無いので専らナビ任せで走る。本荘と山形市を結ぶ矢島街道はこの地方の準幹線道路のはずだが交通量は少なく長い松の木トンネルを抜けると13号線に合流。さすがにここは幹線道路、道路の整備が進みかなりの部分は自動車専用道に変わっているが全通していないこともあり、無料である。尾花沢北ICで専用道路から下り、西へ向かって最上川を渡ると、その支流に沿う狭い田舎道を南に向かう道に何軒か家はあるものの、商店街ではない。そんなところにポツンとそば屋が現れた。しかしここは“きよ”ではなく、ナビもさらに先へ進むよう指示する。しばらくすると“目的地周辺です”で案内が終わった。確かに駐車場があり道路を挟んで“きよ”が在った。しかし昼時だと言うのにクルマは一台も駐車していない。店の前まで行って分かったことは“定休日”!ガイドブックをよく確かめると、確かに木曜日は休みとなっていた。仕方がないので先ほど通り過ぎたもう一軒の所へ戻ってみた。10台くらい止められる駐車場に1台だけ空きがある。ナンバーは皆地元のものだ。これなら間違いないだろう。
“なんば”と言うこの店は、座敷へ上がるスタイルでほぼ満席になっていたが、1時近くなのでピークは過ぎている。直ぐに空き席が出来た。メニューには幾種類かあるのだが、周りを見るとほとんどの人はもりそば(板そば;箱の中にそばが盛られる)を食べている。もりだけではチョッと物足りないので、それに“げそ天”を付けたものを頼んだ。地元のそばで出来たそれはこしも弾力も確りしたもので、この一帯(寒河江辺りまで)がそばで知られていることに納得した。
そば屋出立は1時40分頃。次にナビにセットしたのは13号線沿いに在る道の駅“むらやま”、お土産調達が目的である。この後は13号線をさらに南下、天童のモービルSSに寄って最終の給油。前回(弘前)からの距離は494km、給油量は41.8kl、燃費は11.8km/L、白神や鳥海の山道が多かったことを考えればまずまずの効率と言える。
山形北ICで山形自動車道にのったのは3時頃、ここは2010年5月反対方向(酒田に向けて)に向けて走ったことがある。山間を適度にワインディングした道は空いており快適に飛ばし、村田JCTで東北道に合流。さすがに首都圏と東北を結ぶ幹線道路、平日遅い午後の上りは久しぶりに交通量が多くなる。国見SAで小休止、あとは260kmばかり一気に走り、首都高へ入る前の休憩は蓮田SAでとり、江北→小菅→葛西を経て湾岸に入り自宅最寄り出口の幸浦で下りて、自宅到着は19時50分。4日間、約1800kmのグランドツーリングを終えた。
総括;
先ず走路としては八幡平アスピーテラインが第一番。道路・高低差・ワインディング・交通量どれも走りを楽しむ条件は抜群だった。惜しむらくは山頂付近が濃霧だったことである。
景観ナンバーワンは何と言っても奥入瀬。ドライブウェイとしてよりも散策できたことで高得点。それに続く八甲田山を巡るドライブも好天に恵まれ快適だった。白神山地も訪れて良かったとは思うが景観は今一つ。白神ラインを日本海まで抜けられれば評価も変わったかもしれない。
宿泊・食事はフォレスタ鳥海。スタンダードの部屋だったが、周辺に建物が無く、鳥海山が見えるのが良かったし、レストランの雰囲気と食事内容、温泉全てに満足した。ここは通過点として宿泊するより何日か滞在するスタイルの利用が良さそうだ。
5月の東北ドライブは2010年の酒田→角館→乳頭温泉→鳴子→銀山温泉→山寺→蔵王に次いで2度目になるが、“ドライブ旅行”の視点で最も好ましいのは、自動車専用道も含め道が空いていることである。今回も首都圏周辺を除けば思いっきりスピードとハンドルさばきを堪能した。大震災から復興途上にある三陸方面は未踏破地帯、今度は紅葉のシーズンに出かけてみたい。
(写真はクリックすると拡大します)
-完-
長い間ご覧いただき、ありがとうございました。
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