2015年9月19日土曜日

魅惑のスペイン-18


10.マドリッド-3
611日(木)深夜からの驟雨は朝まで続いている。今日は古都トレド訪問だが、当地に来て初めて本格的な雨に会う。時間的な順序からすれは、今回はその雨のトレド紹介となるのだが、このトレド観光の後の自由時間を利用したマドリッド散策を前2回の続きとして先行させる。
幸い雨はトレドで昼食を摂った後は上がり、3時半ホテルに帰着した頃には、アンダルシア同様夏の陽気に変わっていた。今夜はディナーも各自おのおの好みに任されているので行動時間はたっぷりある。前回書いたように、予め考えていたのは、私が考古学博物館を見たいこと、家内はデパートで土産物など当たってみたいということだけだったので、先ずその2件を片付けて、あとは成り行き次第とした。ただ私は出来れば市民戦争の歴史を留める場所を訪問したかったので、解散前に現地ガイドのKMRさんにこの件を質してみたが「フランコ時代徹底的に市民戦争の跡を消し去ったので、マドリッドには何も残っていない」とのことで諦めることにした。その際もう一つくぎを刺されたのは「地下鉄を利用しないこと」、その代り「タクシーは安全で安いから是非それを」とのことだった。ホテルで一休みする間に、小さなカードに行先を書き、それを運転手に見せる用意をした。
道の先が一方通行となるため、ホテル前の通りを向かい側に渡りタクシーを拾う。クルマはスペイン国産のセアト(フォルクスワーゲン傘下)、外観もきれいだし内部も清潔だ。“Museo Arqueologico Nacional(国立考古学博物館)”のカードを見せると、運転手は頷き、直ぐメーターを倒す。しかし、どうも道を正確に知らないようでカーナビでなにやらチェックしている。チョッと心配になったが、10分位で正門前に着き、メーター料金通りお釣りもくれた。ここで観たいのは“アルタミラ洞窟(旧石器時代の多色壁画)”のレプリカ、本物は北スペイン海岸近くにあるのだが、そこは入場制限され待ちは数年、通常はこのレプリカで我慢するしかない。そのレプリカは博物館本館前庭の片隅に特別に設けられた半地下式の特別展示室に在る。坂を下った入口受付前を入ると一気に真っ暗闇。しばらくすると足元が仄明るくなり、洞窟を模した天井にはバイソンが数頭描かれ、それを狩る人間や弓矢が見えてくる。この疑似洞窟体験は10分程度だがそれなりの臨場感は楽しめる。本館にはギリシャ、ローマ時代の遺物が数多く展示されているがそれらはザーッと見て終わる。
次はダウンタウンの中心地“太陽の門広場”これもカードで示し、タクシーで難なく到着。広場の中央に在る地下鉄入口付近にたむろする若い女の子にデパート名(イングレス)を告げると「あそこ」と言って指で指示してくれる。デパートは本館ばかりでなく専門(スポ-ツ用品、書籍など)分館もあり、衣料・子供用品の売り場を見つけるのにやや手間取るほど規模の大きなものだった。しかし、完全に現地向けでお土産に相応しいものはみつけらなかった。
そこから今度はCalle Mayor(大通り)を西に向かう。この通りは銀座の並木通りと言ったところか。比較的高級なファッション製品を扱う店が多い。そんな店を何軒か冷やかしてみる。途中朱塗りの建物で囲まれたマヨール広場に寄って土産物を探したが、これはと思うような物は見つからなかった。さらに西下マドリッド市庁舎まで行き、同じ道を戻ってサン・ミゲル市場に入ってみる。海から遠いのに意外に海産物が多い。生ガキなども扱っており、それを肴にワインを楽しんでいる人もいる。「私も一杯」と思ったが、飲んで日差しの強い中を歩くにはどうも不安があり我慢する。
結局この周辺を更に散策しタクシーでホテル戻った。今度のクルマは何とプリウスだった(パリにも多かったが、ここもプリウスタクシーが沢山走っている)。時刻は7時前、しばし仮眠をして夕食へ。アトーチャ駅近くのバルで冷たい生ビールとシーフードを食してこの地最後の観光を仕上げた。

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(次回;トレド)


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