2015年10月6日火曜日

魅惑のスペイン-21


12.帰途につく
今回の旅の最大の問題点は、朝の早いことだった。連泊の2泊目は夜フロントで翌朝の朝食ボックスを受け取り、あとは自室か移動中(結局これやった人は居なかった;一部を後で食べた人は居たが)摂るのだ。マドリッドもバルセロナと同じ。夜フロントで受け取るシステム。中身も同じようなもの;サンドイッチ・果物・ジュースパック・ヨーグルト・菓子;である。5時のモーニングコールでスーツケースも出すので、それ以前に起きて身繕いをし、それから部屋でこのボックスを片付ける。6時にはホテル出発。外はまだ暗い。1時間弱で空港に着く。
バルセロナ同様、マドリッド国際空港も他の欧州巨大都市の空港と違い、清潔で親しみやすい感じが良い。チェックイン手続きでは前の黒人(アフリカ人)二人連れのチケットに問題があるらしく、我々夫婦だけしばし取り残されたが、それも何とかクリアーして出国へ。セキュリティは相変わらず厳しいが、イミグレーションはただ通るだけ。スタンプも押してくれない。昔インドを出る時これで失敗したことがあり(最終搭乗カウンターから戻された)、心配になって添乗員に確認したが、「何も問題ありません」とのこと。
免税店で自分用土産として、当地に来る前から考えていたシェリー酒を求める。実は本場はアンダルシアの南西部へレスでセビーリャがその近くだったから、ここで買って日本直送を考えていたが、旅行社にも宿泊地にもそのようなシステム無かった。直送できれば1ダースくらいまとめ買いして友人たちに配ろうと思っていたのだが、機内持ち込みは3本まで、残念ながら息子と婿への分しか求められなかった。店で目立つのは専らスペインワイン、意外とシェリーは少ない。あっても味わいの区分が分からない。店員に聞くと「ドライ?」と聞き返されたので「そうだ!」と答えると「これだ」と指さして教えてくれた。ただ他のシェリーと比べ値段が極めて安い。チョッと心配になり周辺を探してみると値札に“Dry”と書かれ、価格が他のものとあまり変わらないものがひと種類だけ見つかったので、それを求めた。しかし帰国して飲んでみると現地で飲んで気にいったものよりは甘く(日本で一般的なシェリーと同じ味)、あの時店員が薦めた物が正解だったかもしれないと思ったりしている。
マドリッドからロンドン(ヒースロー)まではイベリア航空、8時半の出発だからパンとコーヒー位は出るかと思ったが、飲食物は総て有料とのこと。LCCとの競争が激化している欧州の空路はいまや単なる移動手段と考えた方がよさそうである。
ロンドンでは乗継に十分時間はあるのだが、セキュリティ上の配慮から搭乗ゲートは直ぐには表示されないので広大な空港内の移動を考えると分岐路ハブエリアからあまり離れるのは適切でない。早めにそのエリア行き、チョッとコーヒーでも飲みながら本でも読んで待とうと思いゲート近くのスタンドに行って行列に並び、順番が来たのでオーダーをする際ユーロ札を出したら「お釣りはポンド・ペンスになりますが良いですか?」と返事が来た。そーか!この国はユーロではないのだ、と気がついた。近々英国に来る予定はないので、ここでしか通用しない硬貨の処分は出来ないわけだから、バカ高いコーヒー代を払うことと同じなのでやめにした。
帰りの便も往きと同様英国航空のプレミアム・エコノミー、往きと違い帰りは窓側の並び席だったから、トイレへの出入りで他人を煩わせるとことが無く、やっと払っただけの価値を獲得できた。6139時予定通り成田着。

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(次回;旅の総括;最終回)

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