2016年4月2日土曜日

九州遠征超長距離ドライブ(1)


1.九州旅行への思い
仕事で何度も九州へ出かけているが、福岡(博多・北九州)が圧倒的に多く、あとは数回大分を訪れているものの、観光の機会は全くなかった。個人旅行では1972年義妹の結婚式が博多で行われ、その帰途鹿児島と宮崎を駆け足で回っただけである。一方で中学生時代から長崎に一度行ってみたいとの思いがあり、それは今に持続していた。最大の理由は欧州や大陸との特異な歴史にあるが、歌謡曲の影響もあるような気がする。何ともロマンチックなイメージなのである。大学3年生の春休み工場見学旅行でこの地の企業を訪問する計画があり、そのために積立貯金をしてきたのだが、実施直前翻意しその金を自動車運転免許取得に振り向けることにしてしまった。“九州か自動車か”の選択である。この選択は今でも正しかったと信じているが、爾来“自動車で九州を”が、いつも長距離ドライブを構想する時に去来し、昨秋四国一周を敢行したあとは「いつやるか」に変じていた。その機会が突然やってきたのである。
家内の両親は101歳(父)と97歳(母)の誕生日を前に数年前相次いで亡くなった。彼らの出身地は鹿児島で数代前からの墓は鹿児島市内に在る。しかしそこには近親者が居住していないため、墓をどうするか残された者はしばし思案していたが、一昨年末結局鹿児島に納骨することにした。その墓参りを我が家一族(子・孫を含む)で行いたいと家内が言い出し、今年の新年会で3月の連休実施の内諾を皆からもらったのである。基本案は23日、往復空路。これなら現役世代(学校を含む)も休みを取らずに参加できる。こうして図らずも長年の念願であった九州ドライブの道が開けたわけである。
四国ドライブの時もそうだったが、助手席にひたすら長時間座り続けることはかなり退屈なことらしい。あの時もどこかの空港で合流・別帰することを提案したが、3本の橋に惹かれて全行程同道となった。しかし、さすがに今度はそんな気はさらさらなさそうだったから、鹿児島空港合流案が問題なく決まった。
皆と合流以降のルートはともかく、鹿児島空港まで単独行となると、かなり自由度はある。この際本州で今のクルマ(ポルシェ・ボクスター)の轍の後を残していいないところは出来るだけ走破しておきたい。石川県・鳥取県・島根県・山口県がそれらである(いずれの県も半世紀近く前の和歌山工場勤務時代に走っているが)。この内石川県はかなりの迂回ルートになるし、別途ゆっくり出かけたいところでもあるので外すと山陰3県がその対象になる。これに合流までの九州ルートで福岡・大分・宮崎の3県を駆け抜けるのが、単独ドライブ行程の骨子として固まった。
合流後は空港から鹿児島市内に出て墓参、その日は市内に泊まり、翌日は主に鹿児島市内観光、午後遅く指宿に向かいここで二泊目、最終日は知覧の特攻記念館を訪れて、そこで解散し、家内を除き空路組は空港へ戻り、我々はここから九州他県の観光をスタートさせる。欠かせないのは何と言っても長崎、それに阿蘇を巡るやまなみハイウェイである。また帰路も全行程陸路はつらいので、大分港から神戸港へフェリーを利用する案を第一選択することにした。
最初に検討したことは、鹿児島空港合流までに何泊するかである。1300kmくらいの距離だから2泊で可能だが、これではほとんど観光が出来ない。そこで3泊する案をベースにした。山陰3県を廻るとすると、中国道・米子道・安来道・松江道を使うのが良さそうだ。訪れる観光スポットは境港、松江と宍道湖、出雲大社などが浮かんだが、境港を除けば昔一度観ている。それにこれだけ廻ろうと思うと二日目の行程が結構きつそうだ。そこで思いついたのが安来郊外に在る足立美術館、関東からツアーが出るほどの人気スポットである。ここ一か所をじっくり観てあとはひたすら自動車道を走れば2泊目を門司港にして、そこでの夕方の観光が可能になる。では1泊目はどこにするか?足立美術館が決まり米子道を採ることから中国道の中堅都市津山がビジネスホテルを何軒か備えていることや、自宅からの距離(約630km)が適当なこともあり選ばれた。一度も訪れたことの無い町だが、姫路と新見を結ぶ姫新線は本籍の龍野(父の代までここが本拠)を経由して津山も通ることから何となく親近感を持っていたことも、ここにした理由の一つと言えなくもない。

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(次回;九州旅行への思い;つづく)

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