15.長崎へ
旅行全体を検討した際、知覧から長崎へのルートは3案あった。最も走ってみたいのが海路を中心に天草から島原・雲仙に抜ける案。次は熊本港まで陸路を行き、そこからフェリーで島原に上陸する案。第3が天候や時間の制約が少ない九州自動車道・長崎自動車道を行く案。
第1案は走行距離が最短(約270km)、キリシタンにまつわる歴史と海に長い時間接する過疎の地を行くドライブにも惹かれる。一方時間の不確実性が最も高い。九州本土から二つの島(長島、天草)を経由するため2度フェリーを利用しなければならないのだが(本土と長島は橋でつながっているので、フェリーは長島・天草間と天草・島原間)、このフェリーの利用が時間を大きく狂わせる可能性があるのだ。他にも悩ましい選択がある。出来れば知覧から一般道だけ使って、鹿児島本線に沿うように長島付近まで北上するのが面白そうなのだが、時間的には自動車道で串木野ICへ出る迂回ルートの方が早いのだ。どちらを選ぶか?
第2案はフェリーの不確実性を減らす案として検討したが、天草ほど見所が無いように感じたし(島原には若干あるが、先を急ぎたくなる時間帯になる)、意外と熊本ICから市街を抜けて熊本港までたどり着くまで距離があり、道取りも難しい感じがしたので、優先度は一番低かった。
第3案は全く観光を犠牲にし、移動時間の確実性を維持するための案。走行距離は最も長く(約400km)かつ大幅な迂回路になる。ただ全行程ほとんど自動車道を行くので、5時間程度で長崎市内に達することが出来る。
知覧観光が順調に進み、早目の昼食を皆で済ませ、12時前に解散できれば第1案、ダメな場合は第3案と決めていたが、現実には解散は1時少し前、ひたすら自動車道を行く第3案を採る結果になった。
先ず予め調べてあったゼネラル知覧SSで給油、給油量は33ℓ、前回宮崎からの距離はほぼ300km、霧島の山岳コースと鹿児島市中走行のため10km/ℓを切っている。しかし、これからのコースは比較的平坦な自動車専用道、長崎までは充分持つ。
市内を抜けて知覧ICで指宿スカイラインに入る。これは県の公社が経営する道で片道1車線、分離帯はないので一般道と変わらない。比較的山間部の高いところを走るので見晴らしは良いが特に印象的な景観は味わえない。空いているのが取り柄だけの道だった。この終点、山田ICはそのまま九州道の鹿児島ICにつながっている。そこからしばし19日に走った道を逆走、空港ICを経てえびのJCTで、東へ向かう宮崎道と別れ北上する。人吉ICを過ぎた山江SAで一休みして3時に出発。熊本に近づくにつれ連休帰りと思しき車が増えてくるが順調に流れている。ここら辺の風景は日本のどこにでもある山と平野が交互に現れ特に印象に残るようなものではない。少々自動車道に食傷気味になってくる。八代JCTで南九州自動車道と合流、これから先は3週間後大地震で知られることになる、御船、嘉島、益城などの地名が続くが、その時は知る由もない。南関で福岡県に入ると久留米あたりから混雑が激しくなり、鳥栖JCTを抜けるのにずいぶん時間がかかった。しかしそこから長崎道に入るとそれまでが嘘のように空いている。ここで家内の携帯電話が鳴る。何と長女からの連絡。近くの川登SAに飛び込んで聞くと小型機の着陸失敗で鹿児島空港が閉鎖、息子夫婦は九州新幹線で帰阪したが、孫ふたりを連れて横浜までの鉄道の旅は無理、明日の飛行機を予約し、この日は鹿児島中央駅のホテルに泊まるとのこと。最後にとんでもないトラブルに巻き込まれていることが分かったが、我々にできることは何もない。
川登SA出発は5時半、途中で佐世保道に迷い込み戻るのに時間を要し、さらに市内中心部で路面電車用の信号に戸惑いながら、この日の宿泊先長崎ビクトリア・イン隣接の駐車場到着は6時40分、何とか予定時刻7時前に無事ゴールイン。運転は退屈の極みだったが、時間的には陸路選択は正解であったようだ。
(写真はクリックすると拡大します)
(次回;長崎)
0 件のコメント:
コメントを投稿