2017年3月6日月曜日

台湾一周鉄道旅行-17


14 .台北へもどる
1124日(木)、いよいよ台湾一周も今日の乗車で完結する。朝例のトイレの大きい窓から外を眺めるとどんよりした曇り空。前半は外れてくれた予報も昨日今日と言う仕上げ段階で見事に当たり、冴えない気分にさせられる。それでも太魯閣行きのバスが駅前広場に列をなしている。このホテルは太魯閣観光のためにJTBの用意したものとは異なる所に変えてもらった。その際「朝食を摂る場が近くにないのでお弁当ですがいいでしょうか?」と問われ、さらに「中・洋どちらにしましょうか?」と確かめられ「中で」と答えておいた。前夜夕食から戻った際「朝食弁当はロビーに用意してあります」と言われていたので、8時頃受け取りに出かけた。朝食ボックスは思ったより大きく温かい。今日の出発は10時過ぎなので車内で摂る必要はないので、部屋で片付けることにする。小籠包(と言ってもかなり、の大きさ)が2個、油條、中華スープ、搾菜、豆乳、果物、デザートなど。朝食としては多過ぎる量だ。小籠包2個と果物や菓子は残してひと箱に詰め替え、あとで食べることにする。
9時半チェックアウト駅舎に向かい、売店で土産物など見てみるが適当なものがない。10時前改札のアナウンスでホームに向かうと彰化行きの自強号が入線してきた。台北止まりではなく、低ペイを出た後海岸線を彰化まで南下するのだ。列車は昨日のディーゼルとは大違い、新幹線スタイルのモダンな編成である。我々の席は6号車の一番後ろ進行方向右側(海側)だ。
今までの列車は車室の手前に荷物置き場があったが、この車両にはそれがない。大型キャリーバッグを持った観光客が多く、皆網棚に載せているが、何だか危なっかしい。幸い我々は最後部だから座席のうしろにそれを押し込む。1013分定刻通り出発、15分も走ると車窓には大断崖が見えてくる。急峻な山が迫りトンネルが続く。通路を挟んだ反対側にはやはり観光帰りと思しき夫婦が座っている。座席のうしろには同じようにスーツケースが2個押し込まれている。それが車両の揺れで通路に飛び出してきた。咄嗟に受け止め注意を促すと「自分たちのものではない」と動作で示す。それがきっかけで、通路側の旦那と英語で話を始めることになる。
台北市内に住む70歳の引退した航空会社の技術者で、米国(30回以上)を始め諸外国を巡っており、お互いよく知った土地もあり話が弾む(英国に2か月)。日本にも7回出かけと言う話題にも惹かれ、景色を楽しみたいと思う反面、今まで現地の人と親しく話す機会がなかったこともあり、結局列車が海岸線を離れるまで話し込んでしまった。「今回は台湾の鉄道旅行を楽しみに来た」と打ち明けたところで「それは済まなかった」と解放してくれる。
景色を楽しむ機会を失したが、鉄道旅行にはいろいろな楽しみ方がある。今度は地図と磁石でどこを走っているのか探り、現在位置が分かったら、地図の上を走行するのである。そうこうするうちに松山空港も近い松山駅で彼らは「良い旅を!」と言い残して降りていった。次の停車駅は台北。1226分定刻着。今度は在来線の地下ホーム、例によってまたまた地下道で道に迷い。ホテルチェックインに20分もかかってしまう。おまけにチェックインタイムにはしばし時間があり(規定は2時)、ここでもしばしロビーで時間をつぶすことになる。しかし、指定された部屋(10階)は同じ料金だがグレードアップされており、広々しており大いに満足させられた。昼食を朝弁の残りで済ませて、夕刻の九份観光まで蒋介石を崇める中正記念堂に向かった。

写真はクリックすると拡大します


(次回:中止記念堂)

0 件のコメント: