11.大内宿へ
旅行の見所として、歴史のある街並みは我が国に限らず、欧州、そして歴史の浅い米国にもある。城下町、門前町、市場町そして宿場町。今回の大内宿もその一つ、随分以前から写真(特に雪に埋もれ深閑とした)などで見ており、2012年奥只見から樹海ラインを走ったとき、立ち寄りたいと思ったが、時間に余裕がなく端折ったいきさつがある。今回はここを紅葉観賞と並んで、観光のメインに据えた。
ナビで観光案内所の電話番号をセットすると、何故か会津鉄道に沿って南下する国118号(下野街道→日光街道)を先ず選んできた。これだと大内宿へは直行せず、一旦南へ下ってJターンすることになる。計画していたのは“大内宿こぶしライン”と呼ばれる県131号である。次候補を何度か試してやっと所期のルートが見つかる。会津若松市内通過がやや面倒なためこうなるらしい。
鶴ヶ城出発は11時50分、確かに広域農道のような所を走らされたから、この地方の主要道の一つである日光街道の方がお薦めなのかもしれない。しかし、こちらの第一希望は地方の峠道、広域農道風の突き当りT字路に“大内宿こぶしライン”の大きな立て看板が現れ、そこへ踏み込むと上りの九十九折れになり、前後に全くクルマはいない。路面もやや荒れてきて、通行量の少ないことがうかがわれる。しかし、道幅はそこそこあり、走るのに難渋することはないので理想的な山岳ドライブを楽しむ。高度が高まるにつけて木々は美しく紅葉し、明るい陽射しがそれを際立たせる。谷を挟んだ向かい側の色模様も素晴らしい。時々駐車スペースを見つけては、写真を撮る。
やがてこの道筋最高峰1019mの六石山で大内峠を越える。相変わらず、行き交うクルマはほとんどない。すると前方右手が急に開け、広い湖面が見えてきた。湖畔の道をしばらく進むと広い駐車場があり、そこに案内図が掲げてある。読んでみると、Jパワー(電源開発)の大内ダム建設で出来上が
った人工湖であることが分かった。
ここからしばらく下って行くと、大内宿が近いことを示す案内板があり、右側に未舗装の広場と一見古い民家風の蕎麦屋が在る所へ出た。しかし、駐車しているクルマは4,5台、人もほとんど見かけない。下調べでは宿場の南端に公営の駐車場が在ることになっていた。どうもそれではなさそうだ。蕎麦屋の駐車場だと困る。一旦停止してさらに南へ向けて進んでいくと、にわかに人の往来が激しくなる。どうやらこの先に観光拠点がありそうだ。読みは正しかった。何とガードマンが出て、周辺の交通整理・誘導をしている。その前で停止すると、先へ進めて指示する。駐車場に入りたいのだと手で意思表示すると、誘導灯と手を交差させて満車であることを示す。平日でもこんな状態とは想像もしていなかった。やむなく来た道を戻り、先ほどの未舗装駐車場に戻り、そこに止めて様子を見ると、どうも蕎麦屋専用ではなく、ここから宿場の北端に通じる近道があることが分かる。下の賑わっていた所は宿場の南端だから、それほど観光に不便な場所でないのでホッとする。到着時刻1時。
駐車場の裏手からあまり整備の進んでいない道を進んでいくと、突然大内宿の一番高い位置に行き着き、はるか下方が見渡せ、道に溢れる人々に先ず圧倒される。こんなところによくこれだけの人が集まってきたもんだ!
(写真はクリックすると拡大します)
(次回:大内宿)
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