山陰ドライブ1800km-8
-因幡・伯耆・出雲を走る-
8.宍道湖落日
昨晩の鳥取は遠距離ドライブで到着時刻に不安があったのでビジネスホテルにした。明日の宿泊は大山、この地方を代表する景勝地、山腹に在るこじんまりしたリゾートホテルで料理も評価の高い所を見つけた。そんなわけで間に挟まる松江の宿泊先選択は最後になった。条件は前二者とは趣の異なる温泉と和風旅館。ウェブで当たっているどうしても玉造温泉が優先的に出てきてしまう。悪くはないが、境港からはチョッと距離もあるし、翌日の出雲・足立美術館観光に際し、同じところを行き来するような感じになる。それに松江市内の名所めぐりは是非したい。あれやこれや考えた末に宿泊先は、次回紹介する、宍道湖東北湖畔に在る古い旅館に決めた。
予定は倉吉で1時間オーバー、境港を発ったのは4時半、日はかなり西に傾いてきている。ナビでセットしたのは島根県立美術館駐車場、美術館テラスから見る宍道湖の夕日は随一とガイドブックに書かれていたからだ。所要時間は1時間弱、案内ルートを地図上で確認すると、予定していた江島大橋を渡るように見えた。「何とか間に合ってくれ」とスタートしたのだが、ナビの音声指示をどこかで間違えた。今回はこの種のミスが多い。クルマは中海と外海をつなぐ水路に架かる橋を渡り、この汽水湖の北岸を西に向かって進む。交通量は少なく道の右(北)側は山、左は浅い湖岸、右斜め前方から低い西日が強く目を刺す。山陰に入るとその光が断たれ、日暮れ時の薄暗さになる。高齢者にとって、この明暗の急変ほど怖いものはない。島を経由し橋が続く道ならばこんなことにはならなかったのにと悔やむことしきり。やがて道は水辺を離れ、交差点が時々現れるようになり、交通量も増えてくる。松江市内で働いている人たちの帰宅時間なのであろうか。
何ヵ所がそんな交差点を通過したのち大きな交差点を左折する。松江市内へ向かっているのだ。想像していたより松江の中心部は広い。ただ道路はわりと碁盤の目状で、ナビの案内が混乱することはなく、何とか目指した駐車場に入ることが出来た。一応有料の無人ゲートがあり、薄暮の中に10台程度がパラパラと停められている。到着時刻5時15分。そこから美術館までは少し距離があるのだが、駐車場につながる地下道があり、そこをくぐって湖岸方面に出ると、目の前に美術館、横に沿ってテラスにつながる遊歩道がある。とにかく急ぎ足で、湖を見渡せる場所に出た。夕日はほとんど落ちていたが、湖上水平線はピンク色に染まり、何とか見事な宍道湖落日を目と記憶に留め、それを写真に収めることが出来た。
駐車場に戻ったのは20分後、日は既にとっぷり暮れ、黒い愛車がよく見えない。出口ゲートで駐車券を差し込むと、駐車時間なのか時刻なのか不明だが、料金を請求されることもなく、バーは上がった。道は帰宅ラッシュ、近いはずの旅館をナビ頼りに探すのに、それなりに苦労した。
写真;宍道湖落日
(写真はクリックすると拡大します)
次回;皆美館
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