13.長崎港へ(To Port Nagasaki)
五島列島観光帰路は、有川港から長崎港へ海路で至り、そこからバスで長崎空港に移動、長崎空港から羽田に飛んで解散となっている。14時20分定刻九州商船シープリンセスはもやいを解いた。私の席は9A、前部左舷の窓側だ。福江港から奈良尾港への航海と違い乗船率は半分以下、隣も前後席も空席だった。旅程表には高速船とあったが、水中翼船ではなく、水を前部からポンプで吸い込み後部へジェット噴射するウォータジェット推進方式である。
シープリンセスの仕様は以下の通り;全長34m、全幅6.3m、総トン数123t、航海速度30ノット、旅客定員140人。ドイツMTU社のV12気筒エンジンを搭載、三菱重工下関造船所で2012年に建造された船だ。
有川港の東側は細く長く延びる半島がありその先端は昨日訪れた頭が島に橋でつながっている。この橋の下は友住瀬戸と呼ばれ、橋の上から早瀬のような流れがはっきり見える。定刻有川港を出た船はこの瀬戸の中を東に向かって抜けていく。噴射推進なのでこんな浅いところを進むことが可能なのだ。フェリーなどは頭ヶ島の北側を廻るようだが、このショートカットでかなり時間を短縮できる。
瀬戸を抜けしばらくは穏やかに進んでいた船が速度を上げ始めると、一昨日のジェットフォイルに比べ速度で10ノット遅いにもかかわらず、波に突き上げられ振動が激しくなるとスピード感はその比ではない。シートベルト必着だ。沖へ出ると波頭も白くなり、突進する船の前方は水しぶきで視界が効かないほど。ドーン、ドドーンと上下左右に衝撃が加わり、乗り物酔いしない者には痛快この上ない。ときに内航貨物船や客船と行き交うが、同行船はアッと言う間に追い越してしまう。こんな状態が長崎港入口まで1時間弱。
長崎には10年前、熊本地震直前にクルマで来ており、その時はグラバー邸のある丘の上から港の全景を見渡したが、船は今回が初めて。両岸の丘がやけに高く感じる。船溜まりとしては絶好の場所、ここに早くから外国船が寄港・逗留したことがうなずける。北岸は三菱重工の造船所、何隻ものステルスタイプ護衛艦が係留されている。艦名・番号は曇天・夕刻もあり手前の艦の6がかすかに識別できるていど。艦名は消去、番号も低視認化されているのだろう。
近隣諸島航路の船が付くのは湾の深奥部、観光用の帆船が隣に係船されていた。16時10分下船、ほぼ定刻通りの到着だ(時刻表には16:03と記載)。ターミナルビルの広さ・人の多さは地方空港をはるかに上回る。
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