14.旅を振り返る(Summings-up of the tour)
長崎市内は2014年2泊してめぼしい見所は廻ったが空港とは無縁。それがどこにあるのか全く知らなかった。バスは港を16時半出発、前回訪問時記憶にあるトンネルを前にした長崎ICを入ると薄暗がりの長崎自動車道を1時間弱疾走、降りたのは大村IC、市内を西に向かい、関空同様の長い連絡橋の先にある人工島に到着、ここが長崎空港だった。
ANA670便の出発時刻は19時20分、搭乗開始時刻は19時、それまでは自由時間だ。つまり夕食はツアーに含まれていないので各自随意にということ。幸いカードが使えたのでラウンジを利用、ミネストローネ・缶ビール・げそ天・パンで軽く済ませる。便の使用機は往路同様B-787、座席は34Aで左窓側、定刻にゲートを離れ、大阪湾・伊勢湾・東京湾を形取る光を暗闇の中で確かめ楽しむ。羽田ゲ-ト到着予定時刻は21時15分、2分前の21時13分に着地したがそれから時間がかかり、これで予定が狂ってしまう。直ぐにゲートを出られれば21時37分羽田第2ターミナル発逗子・葉山行き京浜急行エアポート急行で金沢文庫駅到着22時24分、休日の最終バス(22時35分)に間に合うはずだったがそれは不可、タクシー帰宅となり最後に今回の旅唯一想定外が生じてしまった。
今回の旅の最大の眼目は“島”にある。過去訪れた島は、佐渡、大島、淡路島の3島、佐渡は中学生の時だし、大島・淡路は会社のレクリエーションだったから、船は記憶に残っても“島”を意識した観光ではなかった。多くの島を持つ日本、それぞれに地理・景観、歴史・文化、産物・産業に特色や課題があるはずだ。少しでもそんな視点で観光してみよう。これがツアー参加の目的だった。
景観;2000万年前大陸から切り離された低地、そこに火山の噴火があってできた島々。海岸線の複雑さや小島とそれらを挟む瀬戸の多さが特徴。島の中央部は福江島の鬼岳を除けば、土地の佇まいは本土の地方と変わらぬが、植生は明らかに異なり南国風。
産業;複雑な海岸線や小島で成る地形は、随所に優れた自然の船溜まりを形成・育み、現在も漁業や水産加工業が主要産業となっている。水田や川を見かけず、サツマイモの加工品が特産品になっていることから、農業には厳しい土地と推察する。名物のうどんの原料は何処産なのだろう?いずれにしても観光業振興は欠かせぬ産業政策だろう。
歴史;観光では、専ら隠れキリシタン・潜伏キリシタン関連が主体だったが、複雑な島々や入り江は古来から風待ち潮待ちの船溜まり、あるいは暴風雨避難の適所、中国本土や朝鮮半島、さらには南方との関係が深かった歴史も見逃せない。
注;隠れと潜伏の違い;隠れは、仏教徒を装いながら密かにキリスト教を信仰、禁教が解けてもカトリックに戻らず独自の信仰形態を維持した教徒。潜伏は、禁教期間中、厳しい弾圧下カトリック信仰を続けた人々。一般的認知度は前者、学術的には後者が使用される傾向にある。
残る旅の関心事は二つ;第一は海の幸を食すること。3泊目の民宿えび屋で供された夕食はその点で期待以上だった。それに比べると2泊した福江島コンカナ王国は和洋折衷、2回の差も感じないようなメニュー構成。いっそのことイタリアンかスパニッシュのシーフード料理がリゾートホテルの経営形態に相応しいのでなないか、こんな思いが残った。
食に次ぐ第二は乗物。双発プロペラ機、ジェットフォイル船、ジェット噴流高速船、いずれも滅多に体験できぬ乗物だけに、大いに楽しんだ。
総括で欠かせぬのが費用、総額21万円、この出費は同じ旅行社(クラブツーリズム)が提供する“ベトナムの旅7日間”や“ベトナムとカンボジャ5日間”とほぼ同額、海外はチョッと辛くなった高齢者はともかく、普通の体力と時間があれば後者を選ぶのではなかろうか?
本報をもって“五島列島観光”報告を終わります。ご覧いただいた方々に感謝いたします。ありがとうございました。
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