2025年8月27日水曜日

満洲回想旅行(15)


15.長春観光-2


官庁街車窓見学のあとは長春駅の西に位置する青浦路(この辺りは来たことが無い)に在る「峰記小油餅老菜館」(小油餅;揚げパンを意味するがクレープのこと推察。老菜館;昔ながらの料理を出す食堂の意)という春巻きレストランで昼食となった。春巻きというので中華でよく出てくる、油で揚げたパリッとしたものを想像していたが、その予想はまったく違っていた。基本的にベトナム料理の生春巻きと同じ。違うのはベトナムはクレープ(薄い巻き材)に米粉を使い、ここは小麦粉であることだ。さらに、この店のクレープは薄手と厚手の二種類あり、具材との組合わせを楽しむのが、美味しく食べる秘訣とのこと。率直に言って、私にはその差は分からなかったが、昼食としては軽くて、今までで最も好ましいものだった。


食事が終わったあとしばらく時間があったので、ガイドの艾(アイ)さんと話す機会があった。その際「昔の記憶を思い起こすにはもう少し時間が欲しかった」と語ったところ、「次回は是非個人旅行で」と名刺を渡してくれ、このメールアドレスに日本語で連絡してもらえば万事整える、との返事が返ってきた。大いに惹かれる提案だが、「もう無理だろうな~」が率直なところである。


長春最後の訪問場所は新京駅前に在る旧ヤマトホテル(春誼賓館)、ここは瀋陽同様現役として営業している。バスから下車し、ロビーを中心にしばらく見学の時間があった。子供の時分(就学前)何度か訪れているが、宿泊や会食では無く、動物園や公園(多分大同公園)で過ごした帰路、一休みするためロビーに隣接した喫茶室で飲食した程度である。何故か緑色のクリームソーダがショーケースの中にあったことを覚えている(飲みたいと思ったが注文してもらえなかった)。しかし、ロビーと喫茶室の位置関係が記憶と異なっており、単なる勘違いかとも思ったが、艾(アイ)さんにそれを確かめてみたところ、ロビー周辺は改築されており、それ以前は私の記憶した配置とほぼ同じだったことが分かった。食事にまつわることは、他のことより強く印象づけられる気がする。


ヤマトホテル見学で長春観光はすべて終わり、バスは昨日高鉄を降りた長春西駅ではなく、間近の長春駅に向かい、ここからハルビンに向かうことになる。

長春の滞在時間は24時間に満たず、ゆっくり見学したのは皇宮博物館のみ、あとはほとんど車窓観光。しかし、艾(アイ)さんのおかげで、新京時代の子供の記憶は確認でき、今回のツアー参加目的は充分達成され、長春が都市計画やその成果を残したまま、さらにきれいに発展していることに満足した。


 

写真は上から、老菜館、料理(左下がクレープ、炒飯には誰も手を出さず)、艾(アイ)さんと、ヤマトホテル全景、ホテル看板

 

(写真はクリックすると拡大します)

(次回;ハルビンへ)

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