2025年9月9日火曜日

満洲回想旅行(18)


18.ハルビン観光-2


この日は太陽島から始め、大聖堂、スターリン公園、キタイスカヤ通りと、ロシアの面影を追う観光だった。日本の統治で少々変わったとはいえ、ハルビン最大の見所が“ロシア”であることは確かだ。バスで移動し、名所各所で30分から1時間程度の散策をするのだが、歩き回るのが辛い。すぐに日陰と座れる場所を求め、そこでぼんやり人の動きを眺めて集合時間までを過ごすような体たらくだった。旅順で東鶏冠山や二〇三高地を巡ったのとは大違いだ。これは体力低下が第一ではあるが、暑さがそれ以上に影響している。北上するに従い気温が高くなってきているのだ。この日は一通り市内観光が終わると、一旦ホテルに戻り、しばらく休憩ののち夕食に出かけるスケジュールになっていた。部屋へ戻ると冷蔵庫キャビネットの上の棚に、ミネラルウォーターが4本置いてあり、漢字で書かれた手書きのメモが添えてある。おおよその意味は「このところ異常な暑さが続いており、役所からも防暑対策に関し警告が出ています。そのためいつもは2本のミネラルウォーターを用意していましたが、今日は4本にしましたのでお使いください」である。ここも異常気象、へばるわけだ。


この日の夕食は今までとは一風変わった串焼きの店「那些年(ナー・シエ・ニェン;懐かしいあの頃)」で摂った。レストランというより大衆酒場の趣だ。スープは別にして、焼き鳥は無論、牛・豚・ソーセージ、淡水魚・野菜類、あらゆる料理が鉄製の長い串焼きで供される。私の席は調理場の直ぐ横、おじさんとおばさん(オーナーか?)が、若者が持ってくるオーダーを手際よくさばいていく。格別美味しい料理ではなかったが、農耕民族よりは遊牧民族の食事を連想させ、面白い体験だった。

 

写真は上から; 店の入口、看板、店内風景、調理場のおじさんとおばさん

 

(写真はクリックすると拡大します)

 

(次回;ハルビン観光 つづく)

 

0 件のコメント: