5月に奥の細道ドライブ行を楽しんでから、秋にも長距離ドライブをしたいと思っていた。いつ、どこを、どんなルートで走るか。8月下旬から計画を練り始めた。日程は三泊四日。春は北だったので、秋は西に向かいたい。一応目安は北陸に置いた。この方面を自分で運転して走ったのは1969年4月である。この時のドライブで心残りだったことがある。能登半島を先端まで行かず、能登町からショートカットで輪島へ抜けてしまったことである。今度は半島を完全に廻り、帰路は金沢から東海北陸道で高山に至り、そこから北アルプスを越え松本を経て中央道を戻ってくる案である。時期は紅葉が楽しめる10月中旬以降がいい。
この案を家人に提案したところ「能登半島は行ったことがないので行ってみたい。途中で黒部にも寄りたい」ときた。自動車旅行に関心の薄い人間には、黒部は横浜と能登半島を結ぶ途上に在ると思ったのであろう。確かに国内ツアーの広告に「黒部のトロッコ列車と能登の味覚を楽しむ」などというのがあった様な気もする。さらに「黒部の何処が見たいか?」と問うと、「トロッコにも乗りたいし、黒四ダムも見たいと」との答え。同じ黒部でもこれは別物である。しかも両所とも自家用車で近づくには限界がある。中でも立山・黒部アルペンルート(立山-黒四ダム-大町)が問題だ。どちら側からアプローチするにしても、奥深い袋小路に入り込んで、特殊な交通機関(トロリーバス、ケーブルカー、ロープウェイ)を利用し、再び同じルートを戻ってくるしかないのである(縦断する場合、車を回送してもらう必要がある。愛車を人に委ねる気にはならないし、金額・時間も大層かかる)。
能登半島を巡り、二ヶ所の黒部を観光し、さらに飛騨の合掌造りを訪れるとなると、とても三泊四日の旅程では無理だ。やむなく今回は能登を落すことにした。それでもよほど上手くルートを選ばないと、こちらの必要条件である山岳道路・一般道のドライブを楽しむチャンスが無くなってしまう。最初の日は高速を利用すれば500km近く走れる。最終日は自宅へ戻るので時間を気にしなくてもいい。中の二日は200~300km程度としたい。観光の拠点(宿泊地)としては、宇奈月温泉(黒部渓谷トロッコ)、高山(合掌造り)それに信濃大町(黒四ダム)が適当だろう。宿泊地の順番は、山岳ドライブルートを、これも1969年雪で阻まれた安房峠の旧道を選んだことで決まった(今はトンネルで簡単に抜けられるが、これでは再挑戦にならない)。
最初の宿泊地、宇奈月温泉へのルートをインターネット(ナビタイム)で選ぶと(有料道路利用)、何と自宅から第三京浜で用賀に出て環八を北上、谷原から関越道に入り、藤岡JCTで上信越道に岐れて上越市に至り、ここから北陸道に入り富山県の朝日ICで一般道に下りる道筋が示された。条件を変えて中央道を選ぶようにしても、環八で高井戸に出てここから中央道を通り岡谷JCTで長野道へ岐れ、その先は同じように上越市に向かう。感覚的には大迂回路と言う感じだが(事実距離的には遠い)、時間的にはどうやらこれらが正解のようだ。いずれも7時過ぎに家を出ても4時頃には宿に着けるからだ。
しかし、これではひたすら自動車道を走るだけで味気ない。是非走ってみたい一般道がある。それはフォッサマグナの西端に沿う糸魚川街道とそれが日本海に落ち込む昔からの交通の難所親不知付近だ。地形・地質が悪いだけに、ワインディングとアップアンドダウンを堪能できるに違いない。高速は中央道をとることにし八王子から豊科まで利用する。そこから先は希望の一般道を走る。何とか7時出発で5時前には着けそうだ。
次のルートは宇奈月から高山である。黒部渓谷をトロッコで往復するとそれだけで3時間かかる。午前中は走れないので、ドライブに使えるのは1時から6時頃までである。到着時間にフリーハンドが欲しかったので、夕食無しの宿(観光向けだがビジネスホテル形式)を選んだ。合掌造りの村は富山県の五箇山と岐阜県の白川郷の二ヶ所を見たいので、目一杯自動車道を使うことにした。宇奈月から黒部ICで北陸道に入り、小矢部JCTで東海北陸道に岐れ、五箇山ICと飛騨白川ICで一旦高速を下りて観光、飛騨白川から再び高速に戻り、飛騨清見を経て高山清見道路(自動車道)で高山に至る。拠点観光に徹したルート選びである。
三日目のハイライトは北アルプス越えの山岳ドライブ。信濃大町までの道は距離的には今回の旅で一番短い。朝市や市内観光で11時頃まで使い、それから山道に挑むことにした。ルートは158号線、平湯トンネルを抜け、安房峠を越えて松本へ出る。ここから県道を一部走り、糸魚川街道(147号線)に取り付く。街道のこの部分は初日には走っておらず、同じ道に戻るのは豊科からである。そこからアルペンルートの基点、大町温泉まではひとっ走りである。
四日目は早朝に宿を出て、黒部・立山観光の出発点となるトロリーバスの扇沢駅に車を駐車、あとはトロリーバスで黒部ダムに至りそこからケーブルカー・ロープウェイ、再びトロリーバスと乗り継いで室道に達する。そこは立山連峰の最高峰、雄山の足下である。同じルートで3時頃には扇沢駅に戻り、あとは147号線と長野道・中央道を経て帰宅する。
総走行距離はおよそ1000kmだ。
(次回:糸魚川街道・親不知)
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2010年11月16日火曜日
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