そんな時、勉強会や飲み会で親しく付き合っている友人から「そちらの方へ車で行くなら、美幌峠から屈斜路湖へのルートが必見」とのアドヴァイスをもらった。同じガイドブックを見ると“絶景の峠ベスト5”に載っている。下りは屈斜路湖を見てのワインディング・ロードとある。これで決まりとなった。
ホテルの部屋は7階で北向き。少し先に網走川が見え、その対岸は東の海から西に向かってなだらかな丘陵になっていく。昨晩もバタンキューで早く床についたこともあり目覚めは早い。早朝の空はまだ昨日からの雲に覆われているものの、明らかに薄く、遥か丘の先には切れ目も見える。天気予報は午後からこの地方も晴れ間があると報じている。どうやらドライブ日和を期待できそうだ。
8時20分にホテルを出発。今日は土曜日なので、市中の幹線道路を走るがほとんど車を見かけない。昨日来た道を戻り、監獄方面へ39号線(北見街道)を南下、監獄前を通過し、右に網走湖を見ながら美幌へ向かう。この頃には青い空が雲の割合より多くなる。窓を下ろして走ると冷たい空気が心地よい。
やがて道は美幌市内の手前で街をバイパスする方向に進んで、更に峠方面に向かう国道243号線(美幌国道)に入る。遥か前方には晴れた空の下に山かげが見える。信号も人家も車もほとんど無い。折角のオープンを開けない理由は無い。こちら側からのアプローチは山裾が長く曲がりが少ない。ハンドル捌きを楽しむには今ひとつだが、西に開けた広野にチラッと目をやりながら思い切り飛ばせるのが良い。9時20分には道の駅“ぐるっとパノラマ美幌峠”に着いていた(写真右上)。
駐車場は峠の西側にある。駅の建物は東側の少し高い所にあるのでそこまで上らなければならない。辿りつた駅前から見えた東側の展望に息を呑む。下には横に広がる屈斜路湖とその中島、遥か先には頂が雲に霞む斜里岳、標津岳などの山塊を望む(写真左上)。これから下る道が樹林の中に見え隠れする(写真右下)。
駅が在る所が周辺の最高位ではない。そこからさらに南の方へ上る歩道があり、10分ほどいくと、当に“ぐるっと(360度)”見渡せる展望台に至る。途中には美空ひばりがこの峠を歌ったことを記念する碑があり、中国人の若い女の子たちがキャッキャ言いながら記念写真を撮っていた。
下りは期待のワインディング・ロード、樹林の中の道を、緩急をつけながら快適に走る。光の陰影が素晴らしい。若い男の運転するホンダのワゴン車がしばらくついてきていたが、途中で追従をあきらめた。このルートの走りと景観は天候に恵まれたこともあり、生涯忘れられないものになるだろう。推奨者に感謝。
(次回予定;摩周湖)
(写真はクリックすると拡大します)
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