8.吉野山の桜-1
吉野の桜は既に秀吉の時代から有名で、文禄3年(1594年)、5千人の家臣を引き連れて、花見をしたと言われる。西北から東南に伸びる吉野山はほぼ8kmの長さ、「一目で千本」見えることから、下千本、中千本、上千本、奥千本と見所が名付けられている。単純に計算すれば四千本になるが、実際には200種三万本が尾根から尾根、谷から谷へ続いているのだ。
当初の予定は吉野山駐車場で車を預け、そこからケーブルカーの吉野山駅まで歩き、奥千本行きのバスに乗って一気に終点まで行って、下りながら桜見物するものだった。しかしこの案は上の駐車場が満車で実現不可能。下の仮駐車場は近鉄吉野駅から400m位離れている。とにかく駅まで歩かないことにはスタートできない。そこからの選択肢は路線バス、ケーブルカーそれに七曲と言う坂を徒歩で登るかであるが、下から徒歩はとても考えられない。幸い吉野駅に着くと中千本操車場行きのバスが次から次と出ており、その列に並ぶと運よく座ることが出来た。曲がりくねった道を登るにしたがい左右に見事な桜が見えてくる。車内は興奮状態だ。
操車場は中央公園付近にあり人でごったがえしている。どうやらこの辺りが吉野山全体の中心地らしい。そこから階段を少し上がると奥千本へのバスが出ているというので行ってみると長蛇の列。奥千本まで行くことは諦めて上千本を上へ歩くことにする。上りは辛いが、見事な桜に励まされながら、休み休み歩みを進めていく。
問題はクルマである。道はかなり規制されているものの(土日は禁止だが、平日は部分的に一方通行で走れる)、混雑する山道にタクシーや自家用車が乗り入れているのだ。地元のタクシーはそれでも要領を熟知しているので何とかなるが、自家用車は止めるところも無く動きもとれなくなってしまう。歩行者の咎めるような目つきに晒され、向こうも観桜どころではないのだ!このあたりは地元ももう少し考えるべきだろう。
操車場近くからスタートして約1時間、展望台を経てようやく上千本の上限、吉野水分神社に着く。この間の桜は、あとで歩いた中千本・下千本も含めて、最高の開花状態だった。フウフウ言いながら来た甲斐があった。
時間はお昼時。近くに桟敷席の有料休憩所があるが、碌な食べ物しか無い。それも値段が高い!桜を愛でながら中央公園まで降れば、食堂や売店もあるので少しはましな物にありつけるだろう。売店兼食堂の一つでこの辺一帯の名物、柿の葉寿司を求め、歩道から山の傾斜地に踏み込み、一本の山桜の下に休憩スポットを探し昼食とした。時刻は1時近かった。
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(次回;吉野山の桜-2)
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