2012年11月7日水曜日

逆賊三藩山岳ドライブ (7)



-磐梯・吾妻・奥只見を走る-

5.西吾妻スカイヴァレー
猪苗代方面から米沢に通じる道は二本ある。一本は猪苗代湖の西から喜多方を経由するルートで、米沢街道(国道121号線)。物資の輸送は専らこの道が使われる。今回のドライブルートを検討する段階で、磐梯吾妻スカイライン→磐梯吾妻レークラインルートを取り、福島県との県境に在る白布温泉に一泊することに決めたときから、道はショートカットの県道2号線を北上することにしていた。これが第2のルートである。こちらの方が距離が短く山岳道路であることは承知していたし、それを楽しむことを期待していたが、紅葉のことはほとんど考えていなかった。
桧原湖の北端でこの道(県道2号)に乗り入れると、しばらく農家らしき家々が点在する集落が現れ、緩い上り坂が続く。ときどき野菜や果物(リンゴ・栗)の直売場などが在るから、観光客が行き来する道なのだろうが、3時頃と時間が遅いせいか、前には全く車は居らず、行き交うこともまれだ。道路はとことどころ補修中の所もあるが、分離線が引かれて走り易い。気がかりは空がかなり暗くなってきていることだけだ。集落を離れてしばらく進むと、舗装の状態はむしろ良くなるが、少し勾配がきつくなる。どうやら2003年まで有料道路だった部分に入ったようだ。
やがて道は日光のいろは坂のように曲がり出し、山肌をぬってヘアーピンカーブが続き、まるで山岳ラリーしているような運転になる。ブラインドカーブは要注意だが、対向車が無いのと、カーブは余裕を持って作られているので、センターラインをオーバーしない限り安全。ヒルクライムを楽しむには理想的な道だ。チョッと残念なのは、空模様が小雨交じりの曇天に変わり、展望の開けたところにある駐車場からの眺めが楽しめないことである。天気がよければ、磐梯山、猪苗代湖、桧原湖が一望できるはずである。
濡れそぼるワインディングロードでのもう一つの気がかりはスリップだが、これも新タイヤが確りサポートしてくれる。
しかし、この道の最高点、白布峠(1410m)に達する前後から、紅葉は素晴らしく、先ほど走った磐梯吾妻スカイライン以上の景観を呈するようになる。静かな山中の霧雨の中で見る紅葉も一興である。これは後で知ったことだがこのルートは東北地方屈指の紅葉の名所なのだ。宿泊先としての温泉と、運転を楽しむ山岳道路だけで、計画を練っていたが、思わぬ宝物に巡り合ったわけである。
峠の先のトンネルを越えた下りも紅葉の美しさは続くが、道は上りほど曲がりくねることは無く、カーブは少ない。白布温泉自体の標高が高いからだろう。そう言えば確か40年位前に職場の仲間と天元台でスキーをしたことがあるが、宿泊地は白布だったような気がする。その時は米沢からバスで温泉までやってきた。無論当時はこの観光道路は出来ておらず、バスはそこが終点だった。
宿泊先の中屋はナビでセットしておいた。白布に入るとエッソのスタンドもあり、急に道の両側に家々が並ぶようになってくる。ナビは先を指示するのだが、道の脇に“中屋本館駐車場”と書かれた空き地があったので、一先ずそこへ車を止め、近くに居た人に問うと、あと200mほど先、駐車場も在ると言う。やはりナビが正しかったのだ。でも何故ここに駐車増が在るのだろう?
やがて中屋別館“不動閣”に到着。時刻は350分。本日の走行距離は440km
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(次回;白布温泉)

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