8.美濃街道を行く
5月15日(水)、この日は見所が多く、しかも今回のツーリングで唯一の山岳道路を走る。楽しみも沢山だが、諸事気遣いも多くなりそうだ。8時半にホテルを出発、ゴールの三方五湖畔の宿に5時半着の予定。天気は予報通り薄曇だが午後には晴れてくるはずだ。
今日のルートは郡上八幡で高速に入らず、しばらく越前街道(156号線)を北上する。この理由は10km足らずのところにゼネラルのSSが在るからである。昨日420km走っているので燃料計の目盛りは1/4より少し上(20l弱)、まだ150km位は充分走れるが、山道もあるので白鳥(しろとり)で美濃街道(旧道;158号線)に分け入る前に給油しておいた方が安心だ。宿を出るときナビでSSの電話番号を入れると「ピンポイントで位置を特定できないので付近に案内します」と出てきたが、ルート・プロファイルは予想通りなので以後の道案内を委ねた。
越前街道は長良川に沿って南北に走る。白鳥で富山(越中)方面に向かう白川街道(白川郷を通る)と福井(越前)方面に通ずる美濃街道に分れる。この街道名のつけ方は、ヨーロッパ大都市の鉄道駅名の命名法と似てちょっと面白い。これから向かう地方(都市)の名前を出発地方で使っているのだ(パリのリヨン駅、モスクワのレニングラード駅)。しかし、白川街道はそこを通るからそのように名付けられているわけで、上の例とは異なる。そう言えば日光街道、水戸街道は前者だし(江戸から見て)、熊野街道は後者の例と言える。
沿道は時々河原が広がって作り上げた平地の小さな町を通過していく。SSはこの街道沿いに在るはずだ。ピンポイントで辿りつけないことは分っているので道路の両側を注意していると「次の交差点を左です」と言ってくる。見ると郡上大和駅への入口である。左折すると先の方に駅舎のようなものが見えてきた。「駅前にでも在るのか?」と思っていると、再び「左です」と指示する。「何か変だな」とポツポツと民家の続く狭い道を行くと「この辺です。案内を終わります」SSどころか商店も無い。左折を2回して八幡の方に戻っているので、さらに左折路を探して街道に出る。再び北に向かい先ほど左折した駅への交差点をそのまま直進すると、ゼネラルのカラーリングをしたSSが左側に見えてきた。クルマを入れるとセルフのスタンドだ。E/M/Gのセルフなら“Esso Express”でなければならない。周りを見ると“ゼネラル”がどこにも無い。修理点検場所に人がいたので「ここはゼネラルのスタンドではないのですか?」と問うてみた。返ってきた答えは「以前はそうでしたが、いまは無印です」とのこと。WebのHPには依然記載されているものの、かなり前にグループを離脱していたのだ。ナビがピンポイントでここを見つけられなかったのは、このような事情があったからなのである。
この近くにE/M/Gが無いことは分かっていたから、次の給油地は越前大野になる。幸い充分走れる距離だから、取り敢えず道の駅“九頭竜湖”をセットして走り出した。
美濃白鳥は八幡町同様いくつかの川が長良川に合流してくるので、かなり見通しのきく平地である。いよいよここから美濃街道が始まるのだ。この道は概ね東から西へ、白山山系を横切るのだが、岐阜県側が急傾斜で立ち上がり、なだらかに福井平野に下っていく。最高地点は白鳥から4km程度の所にある油坂峠(岐阜と福井の県境;750m)なので、取り付きは、高速からつながる新道はループで高みに上るとあとはトンネルで抜けるのでこの高さに達することは無い(トンネルも大きくS字を描いているが)。しかし旧道は九十九折で峠まで上るのでヘアピンの連続だ。途中に集落は全く無いから、わざわざ旧道を走るクルマは全く無く(紀伊半島などではこう言う旧道は閉鎖れていることが多かった)、唯我独走を楽しめる。気になるのはガソリンの減り具合くらいで、トンネルを抜けてきた新道と合流するまでハンドルさばきと加速・減速を堪能した。
合流してしばらく進むと、左側に九頭竜川を堰き止めて出来た九頭竜湖が現れる。天気も晴れに変わり、暑ささえ感じる。
(写真はクリックすると拡大します)
(次回:美濃街道を行く;つづく)
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