2014年7月11日金曜日

みちのく山岳ドライブ-8


-八幡平・十和田・奥入瀬・八甲田・白神山地・鳥海を駆け抜ける-

5.八幡平アスピーテライン
5月27日(火)、いよいよ山岳ドライブの開始である。今日の第一ステージはホテルから昨日来た道を少し戻り八幡平アスピーテラインに出て、そこを走破して鹿角に至るルートだ。ホテルの海抜が500M程度、最高地点は1600M、ヒルクライムの面白味が存分に堪能できる。緯度の高いところを走るのでまだ雪が残っているはずだ。フロントで道路状況を確認すると、雪の壁は一部残っているが、汚れてきているとのこと。また今朝からの、雲が走るような天気だとガス(霧)が出ているかもしれないので、道は凍結してはいないものの万全の注意が必要と警告助言があった。ホテルを出発する際、これから向かう北方の山を見ると確かに上の方はまだ雲に覆われている。
アスピーテとは楯状火山(楯を伏せたようななだらかな火山)のこと。確かにこの辺の山々は傾斜が緩やかだ。それでも道は一気に駆け登るような具合にはいかず、つづら折り状にターンを繰り返す。高度が低いうちは、雲が切れると新緑がキラキラと輝く。しかし長い雪囲いトンネルを過ぎると低木に変わり、やがて岩だらけの山肌に雪が残っている。気温も下がり写真を撮るために外へ出るときはセーターでちょうどいいくらいだ。
下を走っている時には、切れ目のあった雲は厚みを増し、心なし暗くなってきたようにさえ感じる。雪の壁は確かに残っており、行き交うクルマも皆無なので、それなりに楽しい運転ができるのだが、尾根を走る道筋に在る湿原などの見所は、この天気では降りて散策などする気にもならなくなってくる。それどころかフロントで注意があったようにガスが出始め、道路標識さえ見えなくなってくる。対向車への警告のためヘッドライトを点灯し、そろりそろりと進むしかできない。
ルートの最高点、見返峠の他に何カ所か休憩点を予定していたが、その場所さえ見つける術がないうちに下りに入っていった。トイレ休憩場所が霧の中から現れたのは、もう秋田県に入った、“ふけの湯地区”という所。見かけたのは工事用のバンとバイクライダーが小休止しているだけだった。
道が下るにつけ視界は開け、人気のまるでない雪の残る針葉樹林帯をひた走る。空からは薄日が差すようになってくると、目標としていた八幡平ビジターセンターが見えてきた。向かい側には大きな沼が在る。ここの地形図から、八幡平と言うのは岩手県から秋田県にかけてかなり広い範囲の火山地帯であることが分かった。どこからきてどこへ向かうのか定かではないが中国人ビジネスマン(背広ネクタイ)を載せた観光バスがここで休憩していた。
これから先もしばらくはほとんど人やクルマを見かけないが、道は国道341号線から花輪線に並行する282号線(津軽街道)に変わり、やがて鹿角市街へ向かう街道の趣になっていく。十和田湖へ行くには、ここで一度東北道に乗る方が早いのだが、地方の町々を見るのも長距離ドライブの楽しみの一つなので、そのまましばらく津軽街道を走り、市街を出たところで国道103号線(十和田街道)を経て十和田湖へ出るルートを採った。
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(次回;十和田・奥入瀬)

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