2015年7月23日木曜日

上州・信州山岳ドライブ-12


11.イングリッシュガーデン
私にとってドライブ旅行は“運転”に尽きる。高低差があり曲折する道でのハンドルさばき、アクセルとブレーキの加減、トルコンを介してはいるもののマニュアルに切替てのミッションの選択。空いた道路でこれを存分に楽しむことが第1の目的である。だからどうしても山道が多くなる。今回も草津から志賀高原に至る渋峠越え、美ヶ原から蓼科に至るビーナスラインで期待通りの走りができた。しかし、同乗者にとってはここが最大の関心事ではない。クルマを下りてしばし“観光”するところを配する必要がある。小布施散策、善光寺参りなどがそれらであり、草花が趣味の家内にとって庭園やお花畑を巡るプランは特に好まれる。本日の、というより今回の目玉としてバラクラ(バラ色の暮(クラ)らし)・イングリッシュガーデン訪問を組み込んだ。
ここはバラで有名な所だがそれには時期的にやや早いことは承知していたが“イングリッシュガーデン”を味わえればいいとの考えで訪れた(パンフレットにも「ここはバラ園ではありません」とことわりが書かれている)。事前調査でレストランとこの庭園が近いことは分かっていたが、レストランで聞くと歩いて行けるほどの場所であることが分かった。あの庭園が在るからここも流行るようになったのかもしれない。そんな両者の関係が勘繰られるほどの位置関係である。
この庭園は英国園芸研究家の日本女性が1990年(日本初)に開園したもので、今年はその25周年に当たる記念すべき年である。この間チェルシー(ロンドン)で開催されるフラワーショウのガーデン部門で何度か入賞を果たしている(遠隔地にあるものをどう評価するのか?)とパンフレットに紹介されているから、ここを目指して観光客が集まるのも頷ける。1万㎡の敷地には英国風の建物なども配され、花々も四季を通して愛でることが出来るように植生してある。この時は水仙やチューリップが見ごろであった。
本来のイングリッシュガーデンは人工的な工夫を極力抑え(感じさせぬようにして)自然との共存を旨とするところにあるので、ここもその点では気配りが行き届き、環境もそれにふさわしい場所に在るのだが、何か今一つ本場と比べると“貧相”に感じてしまう。この印象は3年前北海道の富良野や帯広郊外の“イングリッシュガーデン”を訪れたときと同じである。ロンドンの公園、地方のマナーハウス(貴族の館)の庭、あるいは英国の伝統を生かしたといわれるカナダ・バンクーバー島ヴィクトリアのブッチャーガーデン(ここはイングリッシュガーデンばかりではなく、日本庭園を含む各種庭園が在る)などとの対比は酷としても、改善の余地がある。
想像するに、これは経営面の苦しさから来ているのではなかろうか?英国の庭園経営が如何様かは知らないが、彼等も土産物店やレストランを併設したり、小規模な遊園地もどきがあったり、さらには寄付や会員を募るパンフレットが置かれたりしているところから、決して豊かでないことは推察できるが、大英帝国の誇りがそうさせるのか“貧相”を訪問客に感じさせるところは無かった(英国人がどう感じているかは分からぬが・・・)。何かやり方があるのではないか?そんな思いが残る庭園散策だった。
ここで1時間程度(その程度でひと巡りできる)過ごした後、諏訪南ICを経て帰途についた。

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(次回;総括;最終回)

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