2016年5月2日月曜日

九州遠征超長距離ドライブ(12)


10.宮崎
高千穂峡を出たのは2時半過ぎ、ここで1時間過ごしたことになる。雨は依然降り続いている。東へ向かう幹線道路国道218号線(神話街道)はしばらくの間渓谷に沿う景勝地マーク(赤い・・・・)の付いた道だが、この天気ではその景観を楽しむ術もない。3040km走ったところで神話街道に別れを告げ九州中央道に入る。ここは専用道だが無料の対向2車線(片側1車線)なので結構クルマがつながっており、それほどスピードは出せない。天候を考えればその方が安全と腹をくくる。延岡市街のかなり手前にある延岡JCTで東九州道に乗換え南に向かう。雨は一段と激しくなり、ワイパーをハイスピードに切替えても先がよく見えなくなる。追い越し車線が現れても抜き去ろうとするクルマがないほどだ。JCTからしばらく進んでやっと片側2車線になり、車列がばらけ、走りやすくなるが、先が読めないのでPAがあっても休憩はとらず、ひたすら宮崎を目指す。すると日向ICを過ぎたあたりからやっと雨が小降りになり、出口の宮崎西ICに着いた時にはほとんどやんでいる。県庁所在地の大都市だけに駅までの道が複雑なのではないかと懸念していたが、ICからホテルのある駅前までほぼ直進だけでたどり着くことが出来た。宮崎駅到着445分。本日の走行距離は365km。
宿泊先はJR九州が経営する駅前ホテル。ここを選んだのは、この地で特別観光したいところがなく、到着が夕刻になるので暗くても分かりやすい場所、かつ近くに夕食のとれるところがあるビジネスホテルだったからである。ショッピングセンターや駅利用者と共用の駐車場が別棟なのは難点と感じていたが、周辺は思ったよりも交通量が少なく、問題なく駐車できた。
ホテルのある建物はオフィスと一体になった形式で上階がホテルにとして使われている。8階のフロントからは別置のセキュリティチェック機構の付いたエレベータなので部外者が簡単に利用できないのが良い。またビル全体が新しいので、部屋もきれいで、Wi-FiLANも使いやすい作りになっている(作り付けデスクが広い)。朝食はフロントに隣接した南側がガラス壁のカフェテラスだが明るく広々しており、清々しい気分で朝食がとれた。駅とは直接つながってはいないが、通路は屋根付きだから雨に濡れることはない。と言うようなわけで、朝食・税込みで8千円ちょっとは充分満足できるものだった。
夕食はフロントに条件を伝えて決めた。二晩肉が続いたので「シーフード、カジュアル、洋食、一人、飲める」を条件に助言を求めたところ駅ビルにあるスペイン酒場?「バルマル(BarMar;多分“バール・海”の意)」を薦めてくれた。あとで分かることだが、この店はチェーン店でJR九州の主要な駅で営業しているらしい。
一人客なのでカウンター席へ、先ず生ビール(ハイネケンだった!)、タパス(つまみ)はボケロネス(イワシの酢漬け)とスペイン漬物(浅漬け)。「食事もしたいがパエリアは何人前から?」「二人前です」「一人じゃ多いかな?」「あのサイズです(と壁にかかったパエリア鍋を示す)」「少し大きいね」「ちょっと聞いてきます」「(ウン?何を?)」戻ってきて「一人前で作ります」と言うわけで“たっぷり魚介のパエリア”を注文。値段は半額でOK。すっかり気に入ってしまう。カウンターの前は調理場、中心になって頑張っているシェフはスペイン人らしい(日本語で指示を出しているが)。それならシェリー酒を飲まなくてはとワインリストを見ると辛口だけで2種ある(首都圏のまずまずのホテル、レストランでもシェリーは一種類しかないところが多い)。一番ドライなものを選んだら、昨年のスペイン旅行で好きになった味によく似ていた(日本で求めたものは辛口でも“甘い”)。単独行最後の夜、大満足の“よかとこ”宮崎だった。

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(次回;鹿児島空港へ)

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