13 .花蓮
花蓮は東海岸最大の都会(人口11万人弱)、台湾3大港の一つでもある(基隆、高雄とここ)。また台湾を代表する観光地太魯閣観光の基地でもある。今回の旅行を計画した時から東海岸での宿泊地はここに決めていた。列車で着いたら即太魯閣(タロコ)観光にかかれるよう、JTBが用意してくれた宿をわざわざ駅近くの、食堂もないビジネスホテルに変えてもらったりしたほどである。
太魯閣はここから一旦海岸に沿い北上してそこから西(中央部山地)に向かう。見ものは海岸隆起でできた昼なお暗き大理石の数百メートルの断崖絶壁である。花蓮駅からバスで1時間半、現地周遊の時間を含めると本来は10時頃に出発するほぼ一日のコースである。鉄道が定刻通り走れば11時40分着「観光バスに間に合わなければ観光タクシーを奮発しよう」そんな考えで予定を組んだ。しかし、列車は遅れ風雨は強さを増している。駅の改札を出ると駅舎の新設工事の関係で大きな天幕が張り出し、その下に大勢の人が雨を避けて集まっている。駅のインフォメーションで観光情報とホテルの場所を確認しようとしたが「ここは鉄道案内だけです。観光案内所は駅を出た先にあるからそこで聞くように」と観光案内所の場所を教えてくれる。
50mほど先にあるそこへ雨に濡れながら入ると、かなり乱暴な日本語を話すおばさんが対応してくれた。「今から太魯閣?路線バスしかないが帰りが遅くなるよ。タクシーで行く?とんでもなく高い値段になるよ。しかもこの天気、山へ入っても何も見えないだろう。行くのは勧めないね」「明日の朝から行けばいい」「明日朝ここを発つの?!それじゃ花蓮市内見物したら?いろいろ見る所はあるよ」と観光パンフレットを幾種類かくれる。「ここまで来て」と思ったが、雨足は激しくなるばかり、家内も「もうやめましょう」というので太魯閣を断念ホテルに向かうことにする。
幸いホテル・デイプラス(承億文旅)は駅に面した広場の向こう側、直ぐに見つけられた。チェックイン時間は2時からなので部屋は準備が出来ていない。昼食を摂る必要もあるので、荷物だけ預けフロントでもらった地図を頼りにお薦めの點心料理の店に向かったのだが、交番も含め何人かの現地の人に尋ねるのだが、皆首を傾げうまく目的の店にたどり着けない。方角としてはだいたい正しいと思われる場所に、いかにも現地の人向けの“肉麵屋”とかかれた所に入ってみた。案の定英語も日本語も通じないがメニューにあった“肉麺”を頼んで何とか空腹を満たすことができた。ボツボツ土産のことも考えなければいけないので、傘をさしながら駅前近くの商店街をぶらついてみたが、何か閑散とした感じで適当な店が見つからない。あとで分かるのだが、ここは新駅、古くからの繁華街は旧駅周辺にあるのだ。
3時過ぎホテルに戻りチェックイン。部屋は501号室、駅前広場に面しているのだが、窓が洗面・トイレ・シャワー室を兼ねたところにしかない(大きな窓で、トイレを利用するときはブラインドを下す)。浴室がバスタブ形式でないこと、食堂がないので朝食は弁当になることは出発前に聞いていたが、こんな妙な部屋に泊まることは考えてもいなかった。むろんクローゼットもない。ただ新しいホテルのようで清潔感は申し分なかったし、セキュリティもしっかりしている。同宿者もほとんど若い東アジア人、台湾や中国本土の人たちと見うける。“現地生活を垣間見る”と言う点で、ここに泊まったのは悪くなかったと思っている。
6時過ぎ雨はやっと小降りになってきたが傘はまだ必要だ。今回はフロント(観光案内に関しては頼りない)に相談せず、旧市街へタクシーで向かい、繁華街をしばらく散策したあと“地球の歩き方”に載っていた、旧駅近くの“陳記状元粥舗”へ予約なしで入り炒め物・煮物・揚げ物・肉粥それにビールで夕食とした。二人で460元(2000円弱)だったからリーズナブルなディナーだった。
(写真はクリックすると拡大します)
(次回:台北へ戻る)
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