2017年10月5日木曜日

今月の本棚-110(2017年10月番外)


2017年度ノーベル賞受賞者本>
1) 日の名残り(カズオ・イシグロ):早川書房(文庫)
2)わたしが孤児だったころ(カズオ・イシグロ):早川書房

<愚評昧説>
2冊とも2001年に購入し、印象に残る本でした。大分昔のことなので、読み直してコメントします。
純文学には全く興味がない私がこれらの本を読んだ動機は、40代後半から「引退したら英国に渡り、OR(オペレーションズリサーチ;応用数学の一分野)の歴史研究をしよう」と思っており、英国社会7に関する知識を得ることにありました。日本で売られている英国関連の本はどれも日英比較がベースになっており、英国の自然な姿が伝わり難いと考えたからです。
実際に上流階級の人とお付き合いする機会はありませんでしたが、各所のマナーと呼ばれる大邸宅などを訪れると、明らかに本書(日の名残り)の世界が目の前に表れます(大英帝国の没落も含めて)。
また、“わたしたちが孤児だったころは、日中戦争当時の上海の英国租界や収容所生活を通して、あの戦争を、英国人の視点で歴史を見る、面白味がありました。

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