2017年11月14日火曜日

磐梯・会津紅葉ドライブ-5


5.阿賀野川に沿って
日本は山国であることもあって、川も急峻でそれに沿う道も変化が多い。ドライブの楽しみにこれを取り込まない手はない。初めて自分のクルマを持ったのが和歌山だったこともあり、紀ノ川は無論、有田川、日高川の有吉佐和子川三部作は源流近くまで走っているのを始め、紀伊半島深奥部を流れる熊野川を新宮から遡り十津川を経、高野を超えて紀ノ川筋まで至ったドライブも忘れ難い。今のクルマでは、四国の吉野川や四万十川、中央フォッサマグナ沿う糸魚川や九頭竜川走行も面白かった。直近の6月奥飛騨・加賀・越前ドライブでは、神通川を分水嶺から富山湾近くまで下った。さて今度はどうするか?
会津方面に発する代表的な川には、只見川と阿賀野川がある。この内只見川は2012年に東から西に走っている。新潟・福島県境の六十里(峠)越えはなかなか厳しい道で、それなりにクルマの持ち味を発揮できたが、方向が違うとはいえ同じ道は避けたい。そんなわけで阿賀野川沿いの道筋をしっかり調べてみた。ガイドブックによればこの沿線は紅葉の見所や川下りの観光スポットもあるし、磐越道にと並行することもあって、会津と新潟をつなぐ主要国道とはいえ、トラック街道の趣はないようだ。それをユーチューブの動画でも確認して、ここを走ることに決めた。
安田ICSSを発ったのは1240分頃。そこで昼食場所として想定していた道の駅“阿賀の里”の所在を確かめたところ「15分くらいですよ」との返事。丁度いい時間だ。予想通り国道49号線は空いており、高低差も少なく走り易い道だった。1255分道の駅到着。大きな建物群が二つあり、走ってきた手前にあるのはホールと展示館、先に在るのが名産品、土産、レストラン、食堂と川下り観光船の案内所であった。広い駐車場には観光バスが数台、自家用車が10数台止まっている。もう1時であるからまず昼食。レストランは2階にありあまり客が入っているようにも見えないし、メニューも地方色を感じないので、麺類中心の食堂で適当なものを選ぶことにする。惹かれたのは“酒粕ラーメン”、塩と醤油の2種がある。カウンターで「これで酒酔い運転になることはない?」と確認して、自動販売機で券を求める。運ばれてきたそれは一見湯麵風、少し甘目で確かに酒粕の味がするが、それほど個性的な感はなく、匂いもほとんどしない普通のラーメン(というよりチャーシュー一枚を除けば湯麵)と何も変わらなかった。
食事の済んだ後、川を見下ろす土手を少し散策してみた。船着き場には川下り観光の船が舫ってあるが、誰も人はいない。川の水量は多く、かなり濁っており、さらに曇天で気温も低い。加えて紅葉には少し早いようで、山の上方がやや黄味を帯びているほかは、色の変化に乏しい。これでは川下りを楽しもうと言う気は起らないだろう。
次に名産品展示即売のコーナーを巡ってみる。他の道の駅では決して見かけることがないと思われるのは木工家具、それに刃物・大工道具・調理具である。木工はこの辺りのものらしいが、刃物類は三条燕産である。あとで道を地図上で辿ってみると、走路は三角形の二辺だが、ここと三条は他の一辺で隣町なのであった。
阿賀の里を発ったのは215分頃。次のナビセット地は道の駅“にしあいず”。道はしばらく阿賀野川に沿って東に向かい、津川という所で川と別れる。ここからは上りとなりワインディングが適度にあって本日初の山登り運転を楽しむ。峠を越すと西日の中に会津盆地が遠望でき、天気が明るくなってきたこともありちらほら始まっている紅葉に癒される。“にしあいず”到着は3時、ここではトイレ休憩だけにして、次の目標を諸橋近代美術館にする。あわよくばホテルチェックイン前に見学しようとの魂胆である。そのために最短時間経路(自動車道)を選択し、会津坂下(あいずばんげ)ICで磐越道に入って、東に向けて疾走する。しかし、この盆地は予想外に広く、裏磐梯への取っ掛かりとなる猪苗代磐梯高原ICを出たのは4時、そこから地方道(県2号、国459号)を北上して、美術館のすぐ手前に在るホテルへの入り口に着いたのは4時半に近く、辺りは薄暗くなってきている。5時閉館だからもう見学は受け付けられない(1時間前まで)のでホテルへ直行した。ホテルチェックイン4時半。本日の走行距離;521km

(写真はクリックすると拡大します)


(次回:ホテリアアルト)

0 件のコメント: