-因幡・伯耆・出雲を走る-
10.松江観光
11月2日(金)朝の内驟雨があったが9時過ぎの出発時には上がっていた。南は明るいし、天気予報も傘マークは無かった。今日の午前中は松江観光と出雲大社訪問、午後は足立美術館を観たあと大山に向かう。
以前松江に来たのは52年前、その時の記憶は松江城しかない。当時は国宝でなかったことを今回の旅行準備中に知った。2012年築城の歴史を記した文書が見つかり(1611年;慶長16年)、晴れて2015年国宝認定を受けたとのことである。先ずその松江城を目指す。道は極めて分かり易く、距離も旅館から直ぐだった。県庁に隣接する駐車場到着は9時15分、既に7割方は埋まっている。人気があるのだ!入場料を払い城内に入ると菊花展の会場、そこから白・黒のコントラストが際立つ天守閣がチラッとうかがえる。下から天守閣に至る道筋は他の城同様上り坂になっているが大きな門は見当たらない。案内図には大手門跡、一ノ門跡などがあるから、本来は他の城と築城形式は同じなのだろう。天守閣の前は広場になっており、絶好の写真撮影場所だ。
その天守閣は高さ30m、外部は5層内部は6層、幸い雲が切れて青空が現れどの階からも四方が見渡せる。南と西に宍道湖、周辺はすべて市街(城下町)、さすが良い場所を選んだものである。内部はすべて板の間で仕切りはほとんど取り外されているので、柱だけが目立つ大広間のような感じである。しばし高い所から城下の景観を楽しむ。
天守閣を去る際、出入り口を管理している老年の担当者に小泉八雲旧邸や武家屋敷のある場所を問うと、来た道を戻るのではなく、城内の裏へ至る近道を教えてくれた。人影まばらなその路は、まるで往時のままのように保存されており、見上げる城も正面とは随分異なる印象を与える。この道の名は“ヘルン(英語読みではハーン;八雲)の小路(散歩道)”であったことが案内板に記されていた。
小泉八雲記念館と旧居は城の北(裏)側に在り、アスファルト道路に面しているが反対側は堀になっており、概ね当時の状況が偲ばれるようになっている。記念館は後のスケジュールもありパスし、国の史跡でもある旧居のみ見学する。
若い女性が一人受付に居るだけで、見学者は皆無。もともとは藩士邸、二つの庭を持ったごく小さな家だが、八雲の書斎には彼が使っていた机・椅子が昔の配置通り置かれている。異様に感じたのは机の高さが標準よりかなり高いことだ。初めは身長が高いことからこんな特殊な机を誂えたのかと思ったが、近くに書かれた説明に依ると背の高さは160㎝程度、普通の日本人と大差ない。さらに読むと“強度の近視”とある。これで謎が解けた。つまり机にへばりつくようにして読書や著作を行っていたのだ。
ここを辞したあと、堀を時計方向にまわっていくと、所々に堀へ降りる階段がある。堀巡り定期船の乗降場所なのだ。時間があればこれも楽しそうである。
旧居の並びには武家屋敷が現れ、雰囲気は江戸時代そのものだ。
旅館良し!料理良し!景観と歴史に恵まれ、品の良い静かな町。数日ゆっくり滞在して松江市内や周辺を観て廻りたくなった。
写真は上から;天守閣へのアプローチ、天守閣、松江城下、堀、小泉八雲旧居、旧居庭、机と椅子、武家屋敷
(写真はクリックすると拡大します)
次回;出雲大社
0 件のコメント:
コメントを投稿